もくじ
〔レポート〕長野県車連主催「第7回美鈴湖自転車学校2019」ロード&トラック初心者・中級者講習会
今年は前期・後期全7回で行われた「美鈴湖自転車学校2019」は11月16日(土)に今年最終回が行われ約20名が参加した。今回は小中学生の参加者が10名以上・親子参加を希望される方も多くいたために、JCFスポーツサイクル基礎スキルの著者で、JCF指導者講習会講師の松本敦氏(バックス事務所)による親御さん向けの育成講習会も行われた。昨年の10月に初めて行われた美鈴湖自転車学校は、1年後の今年は7回の開催を重ね紆余曲折の中、一応の長い旅の終わりを迎えることとなった。
ロード初心者講習会
今回は県内の小中学生が多く集まった。
親子で参加する参加者も多くロード講習は非常に
和気あいあいと賑やかな講習会となった。
講師は松本敦氏が行った。
今回は東京都自転車学校・たちかわ創造者のサイクリングゲームスでも
指導者として活躍し、美鈴湖自転車学校の立ち上げにも多大なご尽力を
頂いた松本敦氏(バックス事務所)をお呼びして講習を行った。
今年の東京都車連の指導者講習会で行われた「スクーティング」&「クランキング」の練習を行う。
所謂《けんけん乗り》だが、普段乗車する左側を逆の右側にすると一気に難易度が上がり
恐怖さえ感じる。都車連ではBMXの奥山選手が素晴らしい試技を見せてくれたが
来年以降、リクエストを頂いているBMXの体験・指導も考えて行きたい。
先ずはお馴染みの2.5m間隔にパイロンを置いた「直線スラローム」を行った。
チャレンジするのは、菊池拓真君。
中学生の児玉君は回を重ねるごとに重心の移動が非常にスムーズになった。
まだ中学生とのことで、来年はトラックにも挑戦出来るような機会を作りたい。
お馴染みの「一本橋」を行う。コツは遠くを見ることと
慣れてきたらゆっくりと走ってバランスを養うことが重要。
今年は「MTBジュニアオリンピック」・「全国Jrロード」に出場した
藤沢寿成選手は小学1年生で、今回の最年少参加となった。
尚、この練習は前輪を四角の線内に止めて静止するスタンディングの練習。
もう一人の最年少参加者は同じく小学1年生で今年の「全国Jrロード」に出場した近藤希彩選手。
お馴染みの2.25mターンに挑戦するのは、信州クロスに参戦中の
近藤虎流(イナーメ信濃山形)
オフロード・ロードをこなすキッズ選手で運転技術が非常に高い。
前回に続いての参加となる山田琥珀さん、前回よりも格段に自転車を操る技術が上手になっていた。
今回特別トレーニングとして、後輪を段ボールの上でロックさせ
滑りやすくして、自転車の制動感覚を養うトレーニングを行った。
同じく今回の特別トレーニングとして前輪と後輪を上げる練習を行った。
午後は湯原コーチと集団走行練習を行い先頭交代の他にローテーション練習を行った。
親子チャレンジとして、親子で二列になり直線スラロームの練習も行った。
今回の講座の最後は参加者全員で美鈴湖自転車競技場を走った。
来年も必ず「子供向け自転車講座」や「親子参加型の自転車講座」を行いたい。
今回行った練習内容 ・スクーティング&クランキング
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《サイクリング長野より》
今回は今年最後と云うこともあり、我々がカリキュラムとして使用した「JCFスポーツバイク基礎スキル」の編集をされた松本敦氏を招聘して講習会を行った。今回は小中学生が多かったこと・親子参加が多かったことで「子供自転車教室」「親子参加自転車教室」としての側面が強かったが、これを機に来年はこうした「子供向け」「親子参加」の自転車教室を1年のうちのどこかで行いたい。その他にも、これからロード自転車に乗りたい方や、これから大会・イベントに参加したい初心者のための自転車教室を行いたい。
また、今年は行わなかったが「ロード中級者向け講座」も時間があれば行い、美鈴湖サイクリングコースを利用したり、ヒルクライム向けの講座なども行って行きたい。また、自転車の操作性を高める為にリクエストをもらっているBMX講座・MTB講座も近い将来行えればと思っている。ともあれ、是非今年参加して下さった方・これから参加したい方の忌憚無きご意見を頂けますようお願い申し上げます。
初めてのトラック&トラック初心者
今回の「初めてのトラック」&「トラック初心者」講習会の
参加者は中学生の2名となった。初級者は前回に続き爲田君と
初めてトラックに乗ったのは、MTBで活躍する山田愛太(Pro Ride)が参加した。
指導を担当したのは現役の競輪選手で競輪選手会長野支部の
支部長を務める小峰烈コーチが行った。
先ずはインフィールドの平らな所でピストに慣れてから
競技場内に入り、徐々に身体と自転車を慣らして行く。
爲田君は2回目と云うこともあり安定した走りを見せた。
MTBの選手として活躍する山田選手(ProRide)は昨冬からトレーニングにロードを取り入れ
今回はトラックの基礎技術を習得した。今後、MTBやBMXの選手が美鈴湖でトレーニング出来る
環境を整えること(レンタルバイクの貸出等)を来期の課題としたい。
今回行った練習内容 ・競技場の説明。
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《サイクリング長野より》
今回は、若い中学生の二人にピストバイクに乗る機会を与えられたことを素直に喜びたい。松本市美鈴湖自転車競技場は全国でも珍しいJKA(公営競輪)の直轄競技場では無い市営の自転車競技場。プロ競輪選手以外の一般サイクリストが自由に使うことの出来る全国的にも特に恵まれた環境でもある。こうした中で、若い選手やシニアの方々、一般の自転車愛好家の方にも気軽に競技場を使ってもらえるような環境を整えて行きたい。とはいえ、自転車競技場を使うには競技場を他者とシェアするためのマナーやエチケットが存在する。その為に来期も定期的に「初めてのピスト講座」を行うことで自転車人口の拡大と、競技場使用率の増加を目指したい。その為に、長野県自転車競技連盟と松本市スポーツ推進課のご理解を引き続き賜りたい。
トラック上中級者練習
今回は以前参加の中級者以上の参加者に向けての
さらに実践レースを見据えた練習を行った。
講師は藤森信行UCIコミッセールと
長野県代表コーチの湯原正幸コーチが行った。
バイクペーサー練習の見本を見せる小峰コーチと湯原コーチ。
バイクの後ろに入ってハイスピード・高強度の練習を行う。
現役の競輪選手に先頭を牽引してもらえる非常に貴重な機会となったが
参加者にとっては非常に強度の高い練習となった。
今回は集団走行やバイクペーサー等の他に、体幹トレーニングや
冬場のトレーニング方法についてのレクチャーが行われた。
今回行った練習内容 ・一列棒状走行。 |
《サイクリング長野より》
今年のサイクリング長野の方針として、《普及》《育成》《強化》を三本の柱に挙げた。これを指導方針に置き換えると《基礎》《基本》《応用》となる。長野県代表チームで行うことが強化(応用)であるならば、その下部組織的役割を担う我らが美鈴湖自転車学校が基礎(普及)・基本(育成)を担うこととなった。
それを踏まえ、来期をどう行うか…
個人的課題として、この中級者(育成:基本)にどこまでの指導を行うかが来年の大きな課題となる。今回はかなり強度の高い「バイクペーサー練習」や、専門性の高い「冬場の筋力トレーニング」等の講義が行われた。来年はさらに中級者層への充実を図り、幅広い講座を行いたいと思うが、より安全に・質の高い講座を提供する為にこの冬、我々に課せられた課題は非常に多岐多様で一つ一つをクリアしながら来春を迎えたい。
自転車選手のお子さんを持つ親御さん向け講座
今回は親子参加が多かった為に、急遽1週間前に
自転車選手のお子さんを持つ親御さん向けの講習会を行った。
詳しくは別記事にするが、参加者の皆さんからは
非常に好評で、来期は子供を自転車と共に育てて行く上で
よりこんな話を聞きたいと云うリクエストを多く頂いた。
小学生から高校生までの子供達をどう育てて行くか?
仏・英国車連の取り組み、アスリートパスウェイ制度の
話し等、JCF指導者講習会で行った内容に近い講座を
親御さん達に提供した。
《サイクリング長野より》
この件に関してですが、実は1週間前に募集受付を統括する小林先生から、第7回受講者の傾向を聞き「自分の思い付き」と「独断」で強引に開催をしました。正直、車連のコンセンサスを殆ど得ること無く開催。それでも深い理解を示して下さった長野車連の浅香理事長と、強化部の宮崎監督・椿先生に感謝を申し上げます。そして、本当に申し訳なかったことは準備期間と募集期間がほぼ1週間しか無かったこと。それでも10名近い親御さんに参加して頂いたのですが、事前にしっかりと準備を行った上で、ロード・トラック・MTB種目以外の親御さんにも是非聞いて頂きたかったと反省しています。
来期も条件とタイミングが合えばこうした講習会を、保護者の方・指導者の方・自転車販売店の皆様にも提供出来ればと考えておりますので、ぜひ皆様のご意見・ご要望を是非お聞かせ願えれば幸いです。
《講義についての報告》
第7回自転車学校の講師・スタッフ紹介
湯原正行(長野県代表コーチ) 選手として長野県代表として活躍。2001年には「スプリント」で日本ランキング1位となる。現在は長野県国体代表のコーチとしても活躍。近年は若手強化の他、「育成」・「人材発掘」にも力を入れる。自らの体験を基にしたロジカルな指導理論と、卓越したバイクスキルは受講者の最高のお手本となる。 ※日本体育協会公認コーチ、長野県国体代表チームコーチ |
小峰烈(競輪選手会長野地区長) 98期の現役競輪選手。平成20年には全日本実業団選手権ケイリンで優勝。昨年は全日本選手権マスターズ部門チームスプリントで長野県に日本チャンピョンジャージをもたらした。後期からは初心者ピスト講習会の講師を務め、さらなる自転車競技の「普及」に携わる。 ※日本体育協会公認コーチ、長野県自転車競技連盟副会長 |
藤森信行(UCI国際コミッセール) 選手として長野県代表・海外でも活躍。審判としても「国際コミッセール」として日本自転車界の草分け的存在。シクロクロスを日本に持ち込んだ日本シクロクロスの父。近年は「2 days Race in 木島平」のディレクターとしてレース運営面でも活躍中だが、昨年から新たに県内の「育成」にも携わる。 ※UCI国際コミッセール、2 Days Race in 木島平ディレクター |
小林秀一(前長野県自転車競技審判長) 長年監督として「松本工業高校自転車競技部」を率い、数多くの自転車選手・プロ競輪選手・審判員を育成。長野県自転車競技連盟の審判委員長としても県自転車界の発展に多大な功績を残した。昨年、UCI規定で審判員を定年退職したが、定年後の9月に《美鈴湖自転車学校》を立ち上げ、今年からは「普及」と「育成」の両面で陣頭指揮をとる。 ※飯山市名誉審判委員長、大町市美麻ロードレース実行委員長 |
《第7回 特別コーチ》
松本 敦(バックス事務所) 昨年のJCF指導者講習会の講師を務め、初めて美鈴湖で開催された「第1回美鈴湖自転車学校2018」に続き、特別講師として2回目の参加。東京都自転車競技連盟の普及委員会に所属し、2008年からフランス車連のメソッドをベースにした指導法で子供のための自転車学校に関わる。JCFスキルテキスト編纂。 東京都自転車競技連盟普及委員会 副委員長 日本スポーツ協会公認自転車競技指導員 |
美鈴湖自転車学校」過去の開催の模様
と、いうことで…
美鈴湖自転車学校の全7回が
終了致しました。
ご参加頂きました皆様、
毎回美鈴湖までご足労を頂いた
講師の方々、
機材提供を始めとした
様々な方のご理解とご協力があって
全日程を終了することとなりました。
本当にありがとうございました。
来年も1回でも多く開催出来るように
務めて参ります。
また春みなさまとお会いできることを
楽しみに致しております。
関わって頂いた全ての方に厚く御礼を申し上げます。
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