〔レポート〕長野県自転車競技連盟主催「第1回美鈴湖自転車学校」《午前の部》基礎スキル編

長野県車連主催「第1回美鈴湖自転車学校」の午前の部の様子

 

 9月30日(日)に美鈴湖自転車競技場で長野県自転車競技連盟主催の「第1回美鈴湖自転車学校」が行われた。今回はスポーツバイクに乗り始めた初心者を対象に「これからサイクリングイベントに参加したい方」「これから競技会に出場してみたい方」の技術向上が目的で、地元の中高生から一般の方までおよそ15名が参加した。

今回のカリキュラム

 

 

今回のカリキュラムはJCF(日本自転車競技連盟)が日本全国共通の指導要領として発行したテキスト「スポーツサイクル基礎スキル」のプログラムを中心に行った。これは今から約10数年前にフランス自転車競技連盟が認可し各地域で運営している自転車学校のプログラムを小島裕樹氏(日本自転車連盟1級審判員)が持ちこんだものが元となっている。

 

JCFが全国共通の指導要領として発行したテキスト「スポーツサイクル基礎スキル」
※ご所望の方は日本自転車競技連盟にお問合せ下さい。

 

今イベントのスタッフの紹介

 初の長野車連主催の自転車学校の講師は、長野県代表チームコーチの湯原正行氏と、東京都自転車競技連盟主催TCF自転車学校で活躍する「JCFスポーツサイクル基礎スキル」の著者である松本敦氏の両名を招いて行われた。

 

企画・主催 小林秀一 審判長
長野県自転車競技連盟審判長・元松本工業自転車競技部監督

 

湯原正幸コーチ(長野県代表チームコーチ)
日本体育協会公認コーチ、2001年スプリント全日本ランク1位

 

都車連自転車学校 松本敦 先生
自転車競技指導員、JCFスポーツサイクル基礎スキル著者
東京都車連による松本先生の紹介ページ

 

県内の大学チームから橋本(長野大)・増田(信州大)両名も参加
講習のサポートをしてもらった。持ち帰って指導者としての活躍にも期待!

 

美鈴湖自転車学校 午前の部レポート

 台風の為に県内の多くのサイクリングイベントが中止となったが、美鈴湖は幸い天気に恵まれ途中日差しが差し込む時間もあった。参加者はおよそ15名程度で中止となったイベントから流れて来る参加者もおり賑やかな雰囲気の中で講習が行われた。

 

湯原コーチの話を聞く受講者達

 

 指導に先駆けて湯原コーチが参加者に質問をしました

 この中にハンドルの握り方を教わった方、もしくは
 ハンドルの握り方を知っている人はいますか?

 この問いに殆どの人の手が挙がらなかった。
 ここから今回の指導が始まりました…
  ※技術的な部分は次回のレポートで改めて紹介します。

 


 

【サドルプッシング】

JCF指導要領の最初の項目「サドルプッシング」を行う受講者達
自転車に乗らないで白線上を歩き・曲がる。これにより自転車のバランス特性を知る
※競技者でもこの段階で白線上をキープ出来ない者が多くいた。

 

パイロンの間を押して歩く「サドルプッシング直線スラローム」
自転車は傾けた側へ曲がると云う特性を頭と感覚で再認識して行く

 


【ラインキープ走行】

ウォーミングアップも兼ねて競技場内の白線上をなぞりながら走る。
簡単に思えて実は難しい。画像をよくみるとラインを外している参加者がちらほら…

 


 

【直線スラローム】

基本中の基本「直線スラローム」を行う受講者
パイロンの感覚は2.5mで「ハンドルに頼らない」「ラインを考える」ことが主眼。

 


 

【2.25mターン】

殆どのサイクリストが1回ではクリア出来ない鬼門「2.25mターン」
あわや落車の例、始めて行う際はくれぐれも気を付けて行って下さい。

 

「2.25mターン」の成功例、見本のようなターン。
失敗のする人の殆どが技術・テクニックの以前に自転車の特性を理解していない。
仮にスタンディングが出来たとしてもそれだけではこなせない。

 


 

【8の字スラローム】

スタート・ゴール間に4つ置かれたパイロンを8の字に走る「8の字スラローム」
ラインを考えスピードコントロールを養う練習
その為には「目線の移動」や「軸の切替え」「荷重移動」や「外足荷重」が必要。

 

湯原コーチの8の字スラローム
今回受講者には先ず最初に考えてやらせることを重視した。その上で是非参考にして欲しい。


 

【障害物一本橋】

今回のオリジナルプログラム「障害物一本橋」
障害物を回避してからラインキープをするこれにより走行中の危険回避能力を上げる。

 


 

【リンボー】

自転車に乗りながら意識的にバランスを工夫して自転車を操る練習
少し驚いたのは競技者でも殆どがこれを完璧にこなせなかった

 


 

【ボトル拾い・ボトル渡し】

「ボトル拾い・ボトル渡し」競技者やイベント参加者には補給を受ける必須技術
今回は競技者やサイクリングイベント参加経験者にはボトルを倒しより低い位置で難易度を上げた。

 


 

【ボトル・ブレーキング】

時速10~20kmで減速してボトルに前輪をタッチさせる。
ブレーキングのタイミングと思ったように操作が出来るようになることが主眼(手前の選手がお手本)

 

 

午前中は以上のような基礎スキルを学びました。

自分がJCF指導者講習会に行った際も

そうだったのですが

思っている以上に出来ない!

最初は自分もバカにしていたのですが

乗れていない自分に衝撃を受けました。

そして、この日の受講者も予想通りでした。

講習は和気あいあいと楽しみながら午前中を終え

《後編》は午後行った集団走行と座学の

ドーピング講座・トレーニング講座について

レポート致します。

 

関連LINK 

長野県自転車競技連盟 

東京都車連自転車学校