〔レポート〕「2019美鈴湖自転車学校」の上半期開催終了報告と今後のビジョンについて。

「2019美鈴湖自転車学校」の上半期開催終了報告と今後のビジョンについて。

 

 多くの皆様に御支援・御協力を頂いた長野県自転車競技連盟主催「2019美鈴湖自転車学校-上半期-」が全5回の日程を無事に終了致しました。今回はそのご報告と、下半期開催にあたっての暫定的な予定日と今後の美鈴湖自転車学校のビジョンについてお送り致します。また、当初は全3回の予定でしたがリクエストもあり第4回・5回はトラック受講者限定の講習会を急遽平日に執り行いました。詳しいご報告は以下のとおり…

 

 

 

上半期各開催のレポート

 

第1回美鈴湖自転車学校

2019年4月20日(土)開催

 

 

 

 

 年度初めの第1回は、JCFの「基礎スキル」のカリキュラムを用いロードバイクで全てのスポーツバイク初心者を対象に行いました。参加者は、「初心者から中級者の一般の方」から「高体連登録をしている選手」「地元の中学生」等を対象として改めてスポーツ自転車を操作する基本のスキルと、集団で先頭交代をしながら走る練習を行いました。

 

基礎の基礎であるサドルを押して自転車を傾けて曲がる練習を行う受講者達。

 

 


 

第2回美鈴湖自転車学校

2019年5月2日(祝)開催

 

 

 第2回は「トラック初心者班」と「ロード班」に別れて練習を行いました。「ロード班」に関しては前回の精度を引き続き高めて行く練習「トラック班」は先ずは固定ローラーでトラックバイクに乗る所から練習を開始して、最終的に美鈴湖自転車競技場内を周回出来るところまでの練習を行いました。

 

 

先ずはゆっくりとしたスピードで周回練習を行う。この日初めてピストに乗る受講者もいた。

 

 


 

第3回美鈴湖自転車学校

2019年5月26日(月)開催

 

 

 第3回の講座は、《ロード班》は引き続き初心者や中級者を対象として「JCF基礎練習」を行うと同時に、この回から初めて《トラック班》は前回からの参加者及び経験者を対象としてより実践を見据えた練習を少しずつ行った。前回ピストバイクに初めて乗った参加者も今回でトラック上での二列先頭交代が出来るようにまでなった。またこの回では、トレーニングにあたっての座学講習会も行われた。

 

 


 

第4回美鈴湖自転車学校

2019年6月23日(日)開催

 

 

 全三回予定で開催された美鈴湖自転車学校だったが、多くの方からのリクエストを頂き、急遽6月23日に《ピスト限定》で行った。実業団大会のレース後にナイターで行われたが、生憎の天候で外を走れる時間を長くとれなかったものの、室内でスタンディングの練習とハロンタイム(200m計測)の走り方についての講習が行われた。

 

 

なお、第五回は開催中止となった。

 

 

今後の課題と展望について

 

 自転車競技の「普及」と「育成」を主眼として昨年から開催開催された「美鈴湖自転車学校」も全日程を終了した。それを踏まえて今後の課題と展望を綴りたい。

 

《課題について》

 ・受講中の事故や落車ゼロを目指した安全管理。

 ・指導者やスタッフの育成

 ・スポーツ自転車愛好家の底辺拡大

 

 課題に関しては、この3点を最重要課題としたい。特に第2回では講習見学者が練習中の走路に飛び出すというアクシデントがあり重大事故にこそならなかったものの走路を走っていた選手が負傷するアクシデントが発生した。また、同じく第2回の集団走行練習中に集団落車が発生。重傷者はいなかったものの擦過傷や打撲を負った参加者もあり、今後こうした事件・事故を起こさない安全対策を厳しく講じて行く必要性を感じた

 また今後このような講習会を県内各地で行って行く為には指導者や運営スタッフの育成の必要性を感じた。今回非常に幸運だったのが、飯田風越OBで現役大学生の金原諒(佐久大/長野車連)や、参加してくれた高校・大学自転車部の選手達が自主的に運営や指導のアシスタントをかって出てくれて、それが定着化してきているので今後も若手を中心として指導者・スタッフの育成も同時に充実させたい

 これは愛好家の方から言われてハッ!としたことだが、長野県自転車競技連盟主催と云うことで「競技をやる選手が行う講習」というイメージが強くなってしまい若干敷居を高くしてしまった部分がある。しかしながら、今後はスポーツ自転車に乗る人が気軽に・安全に参加してもらえるようなインフォ―ションやアプローチをして行きたい。

 

スポーツ自転車愛好家・初心者の方にも気軽に参加してもらえるような
イベント造りを目指して行きたい。

 

 


 

《今後の展望について》

 

 ・小中高校生の選手育成

 ・より多角的、充実したカリキュラムの提供

 ・美鈴湖におけるレンタル自転車システムの構築

 

 冬季に行った「東北信育成練習会」に引き続き、地元で自転車をやりたいが教えてくれる人がいないという中高生の保護者の方からの問い合わせが多く集まった。こうした一人で自転車に乗っている子供達に対しての育成の場の提供や、講座を通じて自転車仲間が増え横の繋がりが強くなって行くように今後も出来る限り定期的な講習会や練習会を増やして行きたい。

 上半期は「JCF基礎スキル」のカリキュラムを中心とした講習を行ったが、今後は自転車選手の「筋力トレーニング」「栄養学」「心理学」「落車や事故の際の対応:応急処置」などの講座も行い、選手だけでなく一般のサイクリストの方も興味を持ってもらえるような魅力的なワークショップも開催して行きたい。

 現状で、ピストバイク(トラックレーサー)を行うというのは、もう一台専用の自転車を買わなければいけないので美鈴湖自転車競技場と云う恵まれた場所があったとしても一般的には敷居が高い。そこで、出来る限りピストに乗りたい人が常時ピストバイクをレンタル出来るようなシステムを構築したい。既に各校や県内の自転車関係者にオファーをしているが、使わなくなったようなピストフレームやパーツを提供してもらい秋には希望者にレンタルピストバイクを貸し出せる体制を整えたい。また、不要となったバイクを後進に安く譲れるようなシステムも同時に構築して行きたい。このシステムが実際に運用されるまでにはまだ時間がかかるが、この先の目標として掲げて行きたい。

 

第2回練習会では初めてピストに乗る参加者も先頭交代が出来る程度までに上達。

 

 

 

下半期の暫定日程

 

 先日、美鈴湖自転車学校のスタッフ会議があり

 下半期の概要やカリキュラム・日程についての

 話し合いが行われました。まだ確定ではありませんが

 各大会との兼ね合いも考慮して

 現状で下記の日程での開催を考えています…

 

 《2019美鈴湖自転車学校下半期暫定日程》

  9月8日(日)、10月5日(土)、11月16日(土)

 

 あくまで暫定の日程ですが、秋の各種大会や

 信州クロスの日程とも被らないようにしています。

 また正式決定を致しましたら改めてこのサイトにて

 お知らせを致します。

 

 

 

上半期の講師・スタッフ紹介

 

     湯原正行(長野県代表コーチ)

 選手として長野県代表として活躍。2001年には「スプリント」で日本ランキング1位となる。現在は長野県国体代表のコーチとしても活躍。近年は若手強化の他、「育成」・「人材発掘」にも力を入れる。自らの体験を基にしたロジカルな指導理論と、卓越したバイクスキルは受講者の最高のお手本となる。※日本体育協会公認コーチ

 

     藤森信行(UCI国際コミッセール)

 選手として長野県代表・海外でも活躍。審判としても「国際コミッセール」として日本自転車界の草分け的存在。シクロクロスを日本に持ち込んだ日本シクロクロスの父。近年は「2 days  Race in 木島平」のディレクターとしてレース運営面でも活躍中だが、昨年から新たに県内の「育成」にも携わる。※UCI国際コミッセール

 

     金原 諒(長野県自転車競技連盟)

 選手として飯田風越高校で活躍。昨年JCF公認審判員3級試験に合格。今年からは長野県自転車競技連盟の現役大学生審判としても活躍中。現在、長野県最年少自転車審判員。昨年末からは各練習会に参加して育成に携わる。中・高校生選手の良い兄貴ぶんとして後輩からの信頼も厚い長野県自転車界期待の若手。

 

    小林秀一(前長野県自転車競技審判長)

 長年監督として「松本工業自転車競技部」を率いて、数多くの自転車選手・プロ競輪選手・審判員を育成。長野県自転車競技連盟の審判長としても県自転車界の発展に多大な功績を残した。昨年、UCI規定で審判員を定年退職したが、定年後の9月に《美鈴湖自転車学校》を立ち上げ、今年からは「普及」と「育成」の両面で陣頭指揮をとる。 ※飯山市名誉審判委員長。

 

 

以上が御報告でした。

上半期を終えて思うことは

どうしたら皆で立ち上げた

この自転車学校を楽しく・安全に

より末永く続けて行けるか…

おそらく数年先を見越した計画性と

ビジョンが必要だと思っています。

下半期も多くの方と共により良い

運営を行って行きたいと思いますので

奮ってご参加・御参画いただけますよう

お願い申し上げます。最後に…

上半期、ご参加・御協力を頂いた

全ての皆様に厚く御礼申し上げます。

 

 

 

関連LINK

長野県自転車競技連盟