〔レポート〕東京都自転車競技連盟主催「インストラクター講習会」視察&取材レポート《実技講習編》

東京都自転車競技連盟主催「インストラクター講習会」《後編》

 

 今回は6月9日(日)に行われた東京都車連主催「自転車インストラクター講習会」を見学・取材させて頂きましたので長野県内の自転車関係者・指導者の皆様に御報告致します。既にご存知の通り、昨年から長野県自転車競技連盟では普及と育成を兼ね「美鈴湖自転車学校」を開催しておりますが、その際に参考にさせて頂いた東京都自転車競技連盟(TCF)普及員会が主管する「TCF自転車学校」の指導者指導者講習会。今回は午後に行われた実技講習の模様をお送り致します。

 

 

 

 

 

講義内容〈午後の部〉

 

 午後は実技講習が行われ、実際に自転車学校を運営する際のシュミレーション・トレーニングや、今回初めて落車を体験する企画も行われた。落車指導に関しては様々な意見があるが、それも含めて先ずは模擬落車を体験して考察を深め、その中から様々な意見が交わされ非常に興味深い実技講習となった。

 

東京車連でも「JCFスポーツサイクル基礎スキル」のカリキュラムを中心に自転車学校を行う。

 

先ずは自転車学校を行う際の「受付の準備」の実習を行う。
※受付の際に受講者のネームプレートを作成している様子

 

実際に「受付のオペレーション」を行う。
※名札に自分の名前を書き、受講のサインを書いてもらう。

 

受付が終わると最初のブリーフィングを行い講習内容の説明等が行われる。

 

都車連では自転車に乗る前に「自転車に乗る為に考えられた準備体操」を行う。
長野車連では行っていなかっただけに参考になった。

 

会場設営の準備を前に設置についての指導を受ける受講者

 

長野車連同様、先ず最初にサドルプッシング&プッシングスラロームを行う。

 

2.5mスラロームで長野県では行っていないスクーティング(けんけん乗り)が行われていた。

 

BMXからは奥山大翼選手が受講、左右両足でのスクーティングに加え
クランキング(クランクを反動で動かし進んで行く)も行う。

車体の左側・右側両方からのスクーティング・クランキングも自在にこなす
BMXライダーの技術力にの高さに、改めてBMXから学ぶべきものを感じた。

 

一本橋ではマスターズ世界王者の和地恵美選手(画像:左)がグループをマネージメント

 

後半は「模擬落車」体験を行い、受講者で様々な落車体験のディスカッションを行った。
現状、落車に関しては「果たして練習をするべきか?」など
様々な意見があるが、それを踏まえての模擬落車体験となった。

 

体験前後に「こうしたほうがいい」「あぁしたほうがいい」という
意見交換が行われた。非常に興味深かったのは受講者全員が
過去に一度は落車を体験したことがあるということ。
それを踏まえて今後「落車」と云うテーマをどう教えて行くか?
今後長野でも意見交換を行いたい。

 

講義は、テントマットを利用して柔道の前回り受け身の練習を行う。
衝撃緩和の際に「受け身をとる」は、必ず必須になる技術と思われる。
それを踏まえて基礎となりそうな「柔道の前回り受け身」から開始した。

 

次に自転車の乗車態勢からの受け身練習を行いイメージを養った。

 

さらに自転車に乗ってマットに倒れる練習を行う。

 

 

肩からでは無く、脚から(足をつくのでは無く)衝撃をいなして行く
《参照元:Youtube》

 

 

次に助走を付けながら落車を行い、ハンドルを離さないまま一回転する。
理論上ではこの方法が一番衝撃を受け流せるとされる。
コツは落車試走時に顎を引くと身体を自動的に丸められることが解かった。

 

自転車を離さず綺麗に一回転して衝撃を和らげて行く
《参照元:Youtube》

 

 落車体験については、「教えない」「教えても意味が無い」と云う意見が長野県内の指導者の中にもある。確かに落車が起こる際は、ホンの一瞬のことで教えても全てその通りに出来ることでは無いのかも知れない。しかしながら、落車体験をしてみて思ったことは、こうした体験を通して気付くことがあるということ。実際にこの落車体験の中から、倒れる際に顎を引くと自然と身体が丸くなることが判明。落車における一つの方向性が見えた。これが100%正解か?は引き続き検証をして行く必要があるが、こうした「意識づけ」や「体験」をしているか否かで咄嗟の際に大きな差が出るものと思われる。今回は講師からただ言われるだけでなく、受講者も共に考えるという非常に興味深い講習でもあった。

 

 

レポート後記

 

 今回、TCF主催「インストラクター講習会」の見学をさせて頂きました。改めまして都車連の皆様・東京都・東京都体育協会の皆様に厚く御礼申し上げます。さて、長野車連でも上半期全3回の美鈴湖自転車学校が終了。ちょうど良いタイミングで講習会を見学させて頂いた訳ですが、今改めて思うのは、自転車学校は誰が為にあるのか?そして、より安全に、より楽しく行う為に今後どうして行けばいいか?と云った課題です。上半期の美鈴湖自転車学校の総括は別に行うとして、改めてより良い自転車学校運営と、安全講習の在り方を模索し、質の高い運営やカリキュラムを提供出来ればと思います。その為には多くの方の協力と、多くの方とのコミュニケーションが必要だと改めて痛感しました。

昨年から美鈴湖自転車学校をやっていて思うのですが、つくづくコーチングとは難しい。良いコーチング(指導)と、自身がどれだけ自転車に上手く乗れるか?は、また別ものです。指導するということは、参加者をマネージメントしたり、楽しませたりもしなければなりません。指導論に運営方法と学ぶ事も終わりがありません。それを踏まえて… このレーポートが多くの指導者の方と、指導者を志す方の考える糧になれば最良です。

 

今年第2回目の指導者講習会に参加した皆さん
東京都の方々の熱心さに感銘を受けた。

 

 

 

ということで…

都車連インストラクター講習会

午後の部の模様をお伝えしました。

昨年、自分と松本理事がフランス車連の

ナショナルコーチから指導を受けた際

「落車の練習」にこだわるよりも、

落車をしない練習に拘れと言われました。

しかしながら、今回の模擬落車体験は

様々な事を考える非常に貴重な体験でした。

落車に関しては、様々な議論があるなかで

受講者同士が様々な意見をもちより

そこに新しい発見があった

とても素晴らしい指導者講習会だったと思います。

また何時か長野でも開催出来ればと思います…

 

 

 

 

関連LINK

東京都自転車競技連盟

東京都自転車競技連盟普及委員会

東京都体育協会

東京都

東京夢の島マリーナ(会場)



 

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