英連邦のオリンピック!「2018コモンウェルスゲーム」遠征レポート⑦-ロードレース編-

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2018コモンウェルスゲーム 遠征レポート⑦-ロードレース編-

4月4日から15日まで11日間にわたって行われた英連邦のオリンピック「第21回コモンウェルスゲーム」。今回は大会第10日目の4月14日に行われた男女ロードレースをレポートをして行きたいと思います。

大会が行われたのは個人ロードタイムトライアルと同様にゴールドコースト空港近くの海沿いの町カランビン地区でした。今大会の自転車競技のトリを飾るロードでしたが、午前中の女子では良かった天気が一転、午後の男子では雨に泣かされるレースとなりました。

結果は、男女共にオーストラリア代表サイクロンズが強さを見せて詰めかけた地元観衆も納得の結果となりました。基本的なレース運営はタイムトライアルとは変わらないため前回のレポートに気付いたことを少し付け加えて行きたいと思います。

願わくばこの大会を観て自転車競技を始めようと思う地元の子供達が増えてくれればと思いつつ、最後の大会レポートをして行きたいと思います。

ロードレース コースプロフィール

 コースは先日と一部違うもののカランビン地区を周回する1周18.7kmのコース。男子はこれを9周回(168km)女子は6週回(112km)で行われた。周回上には3か所登りがあるものの最大高度74mで比較的スプリンター向けのコースで競われた。 

 

 

ロードレース観戦レポート

 今大会興味があったのが女子のレースで、アジアの女子レースは往々にして集団が殆ど仕掛けずに耽々と集団サイクリングが行われ、最後の数週回・数キロまでは殆ど動きが無い。それに対して、英連邦レベルだと果たしてどんなレース展開になるのかが非常に興味深かった。

 

 

会場へ到着すると既にメインエリアは観客が多くつめかけていた。

PVエリアは黒山の人だかり

PV用に用意されていた椅子はあっと云う間になくなる。

先導を務める州警察のモトはBMW。

大声援に迎えられプロトン(メイン集団)がやってくる

コミッセールカーとチームカーが結構狭い所で無茶をする…(笑)

選手用の補給食その他のごみ捨てエリア。住宅地なので投棄は厳しく規制されていたはず…

MTBでも書いたが会場には沢山のナース・ファーストエイドスタッフがいたのが特徴的。

大会マスコットのボロビーは応援に来ていた地元サイクリストにも大人気!

集団が通過する度に大声援が巻き起こる

 

注目の女子の展開は残り2週回の登りで一気にサイクロンズが一気に仕掛けてたまらず集団崩壊。絶対的に優位な状況を作り出し、そのまま最後のスプリント勝負で勝利!豪州が強さを見せつける大会となった。

運営の注目ポイント

 

驚いたのは最終回のプロトン通過・チームカー通過後にバスが何台も走ったこと。

 

 驚いたのが、最終回に入り選手とチームカーが通過した後にバスが何台も走ったこと。これには数多くのボランティアが乗っていた。これが意味するものだが…

参考になったのがレース終了後の競技役員・審判・ボランティアの回収。日本でもそうだが1周10kmのコースに役員を配置すると遠い所に配置された役員は自力では帰って来れない。自分の経験でもあるのだが、某大会でポイント賞付近のお手伝いをした時、自分の所へレース終了後の回収車が来たのは最後に選手が通過してから炎天下の1時間後。地元のボランティアの方々は諦めて自力で歩いて直帰して行ったが土地勘の無い自分は、次日・翌々日と他県で開催されるステージのため移動だったが後々に大きく響くこととなった。

しかし、こんなのは何時ものことで選手が低体温症になる大雨の中1時間待つこともあれば、忘れられていて迎えが来ないこともざら。笑えるかも知れないが、日本を横断するような大きな大会で役員が本気で1名行方不明になって探して歩いたなんてことも過去にあった。レースが終われば本部付近のスタッフは表彰式やリザルト発表に没頭してしまい無線も付けて無いので呼べど叫べど迎えなど来ない。そもそも役員を回収すると言う行程を全く考えていない主催者もいる。

これが、審判業界や役員業界だけなら「いつものこと」で笑えるが、地元ボランティアの方や各自治体のお役目で参加される方々も沢山いる。2020年ならなおさらだ。こうした協力者の方々への配慮だけはくれぐれも忘れてくれるなと…

もしこれを見ている主催者の方がいたら、回収車は最終回のプロトンの後に走らせればいいんですよ!と進言したいと思います。特に翌日に県を跨ぐ移動を必要とする大会は…と。

ロードレースとロードTTを振り返って

 ロードレースとTT共に盛況に終わったと思います。ただ幾つか気になったのは慣れないボランティアの立哨員が多いので、コーナーの出口付近に横断ポイントを作るのはリスクが大きいと感じた。ただでさえコーナーは視覚になりやすいので2020年や他の大会でも改めて注意する必要があると思われる。

この下りコーナーの直ぐ出口に横断ポイントがあったがこれは現場の判断が相当難しい

 

また毎年、長野県内の大会でもある渋滞による問題だが、やはり様々な工夫をした今回の大会でもどうしても近隣の渋滞は避けられなかった。2020年は昨年の愛媛国体のように事前にTVなどでしつこい位に交通規制をインフォメーションしないと近隣ドライバーのストレスは大きくなると思われる。

4車線の2車線をコースに利用したが渋滞は避けられなかった。これは致し方いないか…

 

思い出したのが愛媛国体。TVを付けると混雑予想時間・規制情報が放送されていた。

 

東京五輪は周回コースでは無く約200kmのワンウェイコースだと既に発表されているが、今後ディレクターのレースマネージメントとりわけ夏の暑い時期に行われることで観客の安全の確保などを特に注目したいと思う。とにかく今の国内で行われているTOJやジャパンカップとは比較にならない長い距離と多くのリスクを抱えているので、ディレクターの細かな配慮は今後の自分自身の勉強にもなるはず。

是非とも東京五輪では、選手だけでなく競技役員・ボランティアの皆さんの応援に行くことを夢見ながら2018年コモンウエルスゲーム各自転車競技のレポートを終わります。長らくのご視聴ありがとうございました。

最後まで人気だったボロビー。人形がゴールドコーストやブリスベンから完全に消えた…

 

後は、大会を通じての総集編だけ来週末あたりにやります(多分)お楽しみに!

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関連Link

コモンウエルスゲーム公式HP(英語)

ロード競技結果

(今回の宿はこのサイトで決めました)