心臓振盪について考える
昨年の11月上旬、ラグビーの試合中に大学生の選手が倒れ
そのまま死亡するという痛ましい事故が起きた。この事故で特筆すべきは
タックルを受けた選手では無く、タックルに行った側の選手が倒れ意識不明になり
病院搬送されたものの3時間後に死亡したこと。そして、その死因が
「心臓振盪」(しんぞう しんとう)と云う普段あまり馴染みの無い
要因だったことが挙げられる。
この心臓振盪は、条件さえ揃えばスポーツの種目に関係なく
初心者・アスリート、老若男女問わず誰にでも起こり得ると云うこと。
そして、もしその現場に遭遇した際にどう立ち振る舞えば良いか
知人の現役ラグビー・マッチドクターが寄稿しているので
是非読んでもらうべく紹介したい。
ラグビー中に起きた痛ましい事故から二度とこうした悲劇を繰り返さないという
強いメッセージのあるレポートです。
《第一章》心臓振盪の原因
《記事の目次》
このレポートを読むと、心臓振盪は三つの偶然(場所×スピード×タイミング)が重なれば
「どのスポーツの誰にでも」起こり得ることだと知ることが出来る。
また、どういうタイプの人間がなりやすいか?を知ることで
日常生活のなかで、特に自分のお子さん達や、若い世代の選手への
配慮が大きく変わてくる。
《第二章》心臓震盪に対する事前準備と対策
《記事の目次》
この章では、心臓振盪はごく軽い衝撃でも起こり得ること
防ぐことは非常に難しいことから解説が始まる。
しかし、そこで適切な対処が出来るかどうか?の重要性を説いている。
また、何かと話題となる「AED」の重要性についても解説されている。
《最終章》心臓振盪に対する事前準備と対策
《記事の目次》
最終章では、もし仲間が倒れた場合に必要なことを5つの項目に絞って解説されており
これは、サイクリング中や競技中だけで無く、もし貴方が観客としてレースを観に行って
その時選手が目の前で倒れた場合にも有効的と考えられる。
余談ですが、自分は過去にレースを観に行き、その目の前で落車が起こり
側溝に嵌ってしまい怪我で動けなくなった選手を救助したことがあります。
幸いその選手は骨折だけだったそうですが、雨の中で低体温症になりかけていました。
最も自分の場合は少し特殊なレアなケースですが…
- 自分の安全確保
- 近くで声かけ、反応なければ
- 人を集める
- 119番通報、AED確保、心配蘇生法始める
- AEDが届いたら指示通り使用する
※小児はAEDの小児用ボタンに切り替え必要なこともあります。
こうしたことを知っているかどうか? で、現場での自分自身の立ち振る舞いや
行動にに確実に差が出ると考えらえる。そして、この心臓振盪に関するレポートは…
心配蘇生法を始めるときに本当にしていいのか迷うことがあると思います。
そのときは思い出してください
迷ったらするんです!!
もし、心肺蘇生法をしてダメなときは、やってみたらつらくて暴れ始めるのでわかります!!
と云うメッセージで締めくくられます。
2012年までに東京マラソンでは市民ランナーが5人心肺停止になり
5人全員がAEDのより救命されたそうです。これからシーズンに入り
各役員は大会運営に忙しくなり、各チームは新人や新入部員を多く
迎えるとことになると思いますが、是非これが自転車に携わる全ての
人々の役に立てばと思いながら今回のレポートを終わります。
最後になりますが、亡くなられた選手のご冥福をお祈りいたします。
関連Link