〔レポート〕今年は14名が受講!「長野県車連主催:2019年度JCF公認3級審判員講習会」開催。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

〔レポート〕今年は14名が受講!「長野県車連主催:2019年度JCF公認3級審判員講習会」開催。

 

 週末の11月17日(日)に美鈴湖自転車学校で行われた今年の「JCF公認3級自転車審判講習会」。来年開催される東京五輪を前に、今年からJCF(日本自転車競技連盟)が大幅に取得出来る種目を増やし、1日の講習会でロード・トラック・シクロクロスに加えて、MTBやBMX、トライアルやサイクルサッカー等の競技のライセンスも取得可能ということで、この5年間では最多となる14名が講習会を受講した。とりわけ今年の傾向としては全体の半数にあたる7名が女性受講者となり、2020年の東京五輪、2027年のながの国体に向けて多くの方のご参加を頂くかたちとなった。詳しくは下記の通り…

 

 

 

 

JCF3級審判講習会2019の様子

 

 今年は、突然JCFからパラサイクルを除く全ての自転車競技ライセンスが

1日の講習会で取得出来るという大幅な規制緩和により、講習内容を

一般的な審判の心構えなど「総論」を中心に講義が行われた。

 

今年は自転車愛好家の方、自転車店の方、県内のサイクルイベントを

企画・運営される方、また既にロード等の審判ライセンスを持っているが

MTBやBMXのライセンスを取得希望の方など、14名の受講者が集まった。

内訳として、女性が7名。県外からの受講者が3名となった。

 

 

《午前の部の様子》

午前の部の講師を務めた伊藤清郎 長野県自転車競技審判委員長(JCF1級審判員)

 

長野県自転車競技連盟の奥原理事よりこの日の説明を受ける受講者。
今年は松本市美鈴湖自転車競技場の会議室で行われた。

 

 


 

《午後の部の様子》

午後の講師は田中比呂喜氏(JCF1級審判員:長野県)が担当

 

午後は実際に競技場におりて講義が行われた。

 

独特のメジャー(計測スケール)を使って自転車本体の規定を講義する。

 

自転車競技においてジュニア(U-18)以下の選手には、重いギアを踏んで
その成長を妨げないようにギア比の制限が課され、そのチェックの仕方を講義。
自転車店の方にとっても知っておいて欲しい子供の身体を保護する国際基準。

 

特別講義として、発走機の説明を行う田中比呂喜氏(JCF1級審判員:長野県)

 

 


 

《3級審判員試験》

試験用紙が配られ審判試験が開始された。
試験は〇×と記述形式で行われ合格ラインは60点。
今年は長野名物ポイントレースの計算が無くなった。

なお、今年も参加全員が合格した。

 

 

 

 

 

 

JCF3級審判講習会の主な講義内容

 

 

 

 去年もここに書きましたが、おそらく近くの自転車店に行っても殆どのお店で「自転車審判講習会」について詳しく教えてくれることは無いと思います。また、今年からパラサイクルを除き全ての種目のライセンスを取得可能となり、どんな講習を長野が行ったのか?知りたい連盟や自転車関係者の方も多いと思います。このレポートが、来年以降の審判ライセンスを取得したい方や、これから講習を行う連盟の方の参考になれば幸いです。

 

 

 審判員総則 (講師:伊藤清郎)

◇公認審判員規定について
 ・登録有効期間について
 ・更新について
 ・審判員ライセンス取得について
 ・審判になるためには?
 ・定年について
 ・ライセンスの取り消し事項について
 ・審判員の心構えについて
   公平、公正、中立の原則
   SNSの扱いなどについて
 ・各級の役割について
   1級から3級各級で何が出来る?
   2級になるためには?
   国際審判員について
 ・どこの連盟に所属するか?その種類等の説明

◇自転車種目と公認審判ライセンス
 ・自転車競技の種目とライセンスの範囲
   ロード、トラック、シクロクロス
   MTB、サイクルサッカー、サイクルフィギュア
   BMX、トライアル、パラサイクル
 ・パラサイクルについて

◇自転車競技組織の説明
 ・海外
   UCI(国際自転車競技組合)
    アジア大陸連盟
  ・国内
   各都道府県連盟
   日本プロサイクリスト協会(JPCA)
   全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)
   日本学生自転車競技連盟(JICF)
   高等学校体育連盟自転車専門部(高体連)など

◇競技規則に関する説明
 ・競技規則はシーズン前、シーズン中に変わることがある
 ・日本独自の競技があり、日本国内でのみ適応されるルールがある。
 ・大会特別ルールに関してはコミュニケと云う紙面で通達する。

◇ライセンス保有に関して
 ・ライセンス保有時の責任について
 ・大会出場時のライセンス携帯について。
 ・ライセンスは誰が必要か?
  例:選手、指導者、アテンダント、審判

◇競技者区分
 U-12(ユース)
 U-15(ユース)
 U-17 (ユース)
 ジュニア(17才まで)
 U-23(23歳以下)
 エリート(23歳以上)
 マスターズ(30歳以上)
 ※競技や大会により細かい規定がある

◇競技者の義務
 ・交通ルールの順守
 ・競技中の事故に対しての責任
 ・スポーツマンとしての立振舞と言動。
 ・自転車の整備義務

◇競技者の装備について
 ・袖付きのジャージを着る
 ・ゼッケンをかくしてはならない。
 ・JCFヘルメットの義務
 ・ヘルメットを外すと最悪の場合失格となる。
 ・コンプレッションウェアの禁止
 ・ソックスの長さについて
 ・国際大会でのナショナルチームジャージについて
 ・ロードレースの際のジャージ着用義務
   各リーダージャージ
   世界王者ジャージ
   大陸王者ジャージ
   各国リーダージャージ
   各チームジャージ
 ・ジャージの広告について
 ・団体競技におけるユニフォーム規定
 ・ゼッケンの位置について
 ・ゼッケンの規定とレース終了後の義務
 ・ヘルメットカバーと計測チップ

◇自転車について
 ・自分や他の選手に危険を与えてはならない。
 ・エンドキャップ等をしなければならない。
 ・製造者によって提供される機材を改造してはならない。
 ・必要であれば、レース前・中・後の機材検査義務
 ・機材革新はUCIの許可を受けるまで公式戦で使用不可

◇自転車の定義と機材規定
 ・人間が機械より優位であること。
 ・原則として自転車上で着座した姿勢でなければならない。
  サドルがあり、ペダルに足、ハンドルに手が置かれる状況。
 ・自転車の全長は185㎝(ロード・トラック)
 ・サドル先端がBB中心より原則5㎝後方でなければならない。
 ・ホイールはUCIの承認を得たもの、ロード・シクロは
  最低でもスポークが12本無ければならない。
 ・自転車の重量は6.8㎏を下回ってはならない。
 ・ロード、シクロは基本伝統的形状のハンドル(ドロップハンドル)
 ・映像カメラ、パワーメーター等の計測器に関する規定。
 ・トラックでは、フリーホイール、変速機、ブレーキの禁止
 ・ディスクブレーキについて
 ・子供達のギア比制限について

◇制裁について
 ・制裁の種類
  警告、けん責、罰金、降格、失格、メダル賞金の返還、出場資格停止。
 ・降格とは…
  違反者が影響を与えた選手より下位にされる。
 ・失格とは…
  すべての順位から除外

◇異議申し立て
 ・原則としてコミッセールパネルの決定が最終であり
  異議申し立ては出来ない。正し、特別規定がある場合は
  書面により、供託金を添えて提出する。
 ・最終走者ゴールより30分以内。

◇審判員の任務
 ・レース開催時における競技担当役員の最小必要人数
 ・コミッセール(審判)とは?
 ・アシスタントコミッセールは3級以上のライセンスが必要。

◇主な審判の仕事
 ・スターター(出発合図)
  スターターのみがスタートの有効性を判定出来る。
 ・フィニッシュジャッジ(決勝審判)
   ゴールの最終判定者であり、唯一の着順決定責任者。
 ・タイムキーパー(計時・時間管理者)
  タイム計測を行い1/1000秒まで計測する。
 ・アッシャー(招集)
  競技者をスタートラインに誘導する。
 ・バイクインスペクター(検査員)
  競技者の乗る自転車に違反が無いかチェックする。
 ・ラップカウンター(周回管理)
  周回レースにおけるレースの周回を管理する。
 ・ベルリンガー(打鍾)
  最終周回でベルを鳴らす。
 ・ID管理者
  会場でID管理を行い、無用の者の立ち入りを管理する。
 ・アナウンサー(通告)
   会場でレースのアナウンスを行う。

 

 

 

 各種目の説明(講師:田中比呂喜氏)

◇美鈴湖自転車競技場の説明
 ・競技場のサイズと特徴
 ・競技場のラインの種類について

◆競技場内の説明と検車について
 ※実際競技場におりての諸説明

◆検車についての説明
 ※検車用スケールを用いた検車説明

◆ジュニアギア比の説明と測定方法
  ジュニア:7.93m
  U-17:7.01m
  U-15:6.10m
  U-13:5.66m

◇各競技の説明
 ・各種目の説明
   トラック競技の種目と説明
   ロードレースの説明
   シクロクロスの説明
    その他の競技の説明

 

 

 自分も後ろに座って話を聞かせてもらっていたのですが、凡そこのような内容の講義を行いました。今回はJCFの規制緩和の影響で、より幅広い内容の講義を行いました。これにて長野県内での公認審判講習会ならびに試験は終了致しました。来年もまた11月頃に講習会を予定しておりますので、是非多くの方のご参加をお待ち申し上げております。

 

 

 

 

告知を頂いた販売店の皆様へ御礼とお願い。

 

 今年も東信・北信のスポーツ自転車販売店様にも告知をお願いしたのですが、改めまして今回の講習でも触れたスポーツ自転車に乗る方、特に…

 ・サイクリングイベントに参加される方
  レーシングイベントに出場される方に対する
  「UCIの機材規定」の周知

 ・小学生から高校生のお客さんに対する「ジュニアのギア比」について
  お子さんと保護者の方に対する周知

 以上の周知をお願い申し上げます。また、どのレース・イベントに出場の際も、機材の整備は選手の義務であることを徹底し、機材トラブルによる事故・落車が無いようご指導の程を重ねて宜しくお願い申し上げます。東北信の自転車販売店の皆様には今年も審判講習会の告知をして頂きありがとうございました。

 

リトルリーグに球数制限があるように、自転車競技では子供達にの発育の負担にならないよう
「ギア比制限」があること
父兄の皆さんに周知して頂きますようお願い致します。

 

 

 ジュニアギア比について

  ジュニア:7.93m
  U-17:7.01m
  U-15:6.10m
  U-13:5.66m

 

 

 

 

 

審判に合格された皆様へ…

 

 

 

 今年審判に合格された皆さん、合格おめでとうございます。

会場でお知らせしたとおり、皆さんの審判登録は来年1月からとなります。

是非、多くの皆様の力をお借りして共に長野県の自転車界と

日本の自転車界を盛り上げて頂ければと思います。

なかなか、日々お忙しいこととは存じますが

是非お時間を見つけて頂き、審判執務にご参加頂けますよう

お願い申し上げます。

 

 

《審判に合格された方に読んで頂きたい記事》

 

 

 

昨年の審判講習会に合格された方の今年の活躍

 

 昨年は8名の方が、長野県で審判試験を合格して

長野県で審判登録して下さった方の多くが

各大会で活躍して下さいました。

 

 

 「2days 木島平」でバイクインスペクターとしてレースを見守る阪田審判員(2018年ライセンス取得)

 

 「2days 木島平」でニュートラル機材係としてバイクに乗る金原審判員(2018年ライセンス取得)

 

 

開田クリテリウムでライセンスコントロールを行う横内審判員(2018年ライセンス取得)

 

 

インカレでは前日にポイント看板を設営する横内・金原・平林審判員。

 

 

来年も長野県内では、多くの大会の開催が予定されています。

是非多くの皆様のお力添えを宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

年内に県外で受けられる審判講習会のご案内

 

 

 現在のところ予定なし

 

今年は既に多くの地方連盟が講習を修了・募集〆切をしています。

またJCFも審判講習会の情報を流しておりませんので

次の機会をお待ち下さい。

 

 

 

と、いうことで審判講習の

レポートでした。

思えば今年は、より多くの方に

講習を受けていただこうと

台風19号の前に東北信の各店舗を

まわらせて頂きました。その際に

プリントに一部不備があったことを

改めてお詫び申し上げます。

それにしても、遡ってこの5年間で

今年は最も受講者が多い年となりました。

これも一重に、多くの販売店の皆様が

お店のHPや、SNSで広く告知して下さったおかげです。

こうした広がりこそ長野県自転車業界の

結束の強さの賜物だと痛感致しました。

幾重にも重ねて販売店の皆様へ御礼を申し上げます。

また、MTBやBMXのライセンス取得を

希望する方も多く、活気のある講習会となりました。

来年も是非、多くの方に受講して頂ければと思っております。

多くの皆様のご参加、ご協力

本当にありがとうございました。

 

 

 

関連LINK

長野県自転車競技連盟

日本自転車競技連盟