〔エッセイ〕「バーチャルサイクリング」と「自転車Eスポーツ」の可能性。

〔エッセイ〕自転車Eスポーツ⁉「バーチャルサイクリング」の可能性…

 

 GWから日曜日までに、県内のサイクリストの方から

自転車のバーチャルサイクリングツール「Zwift(ズイフト)」を

使ったイベントに参加したと云うレポートを沢山もらいました。

(長野県でも出来ないか?と云う要望も)

 

先ず、一般の人は殆どご存知無いと思うのですが、ズイフトとは…

自分の自転車に、練習機具である専用の固定ローラーを繋いで

「オンラインで世界中の仲間と一緒にサイクリング・トレーニングをしましょう!」

と云う、ここ数年出て来たバーチャル・サイクリングツールです。

 

まだ正式な競技規定が無いのですが、最近は競技として

このコンテンツを通じてレースを行う動きも出て来ている

注目のツールです。

 

自分もやってる人を見たことしかないのですが

その可能性についてと、Eスポーツ化の可能性について

書いて行きたいと思います。

 

 

 

バーチャルレースを見て

 

 

◇アンザックデー・クラシック観戦!!

 

 今年のアンザックデー(第一次大戦でAUS・NZ軍がガリポリに上陸した戦争記念日)に

AUの車連関係者から、ズイフトで「アンザックデー・クラシック」と云う

NZと対抗戦やるから見てくれ! なんならAUで出場して!!(笑)

と云う連絡が来たので、土曜の早朝から視聴することになりました。

(ライバル国同士の「タスマン海戦」は、日韓戦のような負けられない戦い)

※ANZAC DAYは25日(この日は英国連邦は公休日)

 

 

 

 

(参照元:Youtube)

 

一重に興味があったのは…

 

 

 事前に興味があったポイント

 ・LIVE配信で何人の人が見ているか?

 ・天候・路面変化(バンプなど)・転倒等の不確定要素が少ないし
  純粋にパワーの差だけのつまらないものにならないか?

 

 

 と云う訳でしたが、画面は予想通り、ポリゴン自転車が

ほぼずっとイーブンペースで走っているだけでそれほど面白く無いものの

 

実況・解説が上手で意外と面白い!

 

今先頭を走っているのは、どこのどういう選手で…と、

選手のバックボーン等も語ってくれていたので、

なるほど!このズイフトを「見るスポーツ」とした時に

大切なのは「実況と解説」の上手さか?と。

レースも最後のスプリント勝負で見ごたえあり!

逆にこれ、ホリデーの土曜日の朝9時から開始…

これはOZサイクリストタイムだわ!

一般の人は早朝から誰も見ないよなぁ…と。

(Liveでは80人位が最高だったかな?)

 

 

 

 


 

 

◇IRC U23+U19チャレンジカップ

 

 今年、長野県から寺澤アンドリュウ(八戸学大-上田西)が

IRCに加入したためチームブログをチエックしていた関係で観戦。

長野県からは小出樹(京産大‐松本工)等が出場したのと、

日本自転車界の現地実況の第一人者芦田さん(DJがらぱさん)が、

どうバーチャルサイクリングを伝えるのか?

楽しみにしながら観戦しました。

 

 

(Youtube:芦田千里)

 

 

 

 事前に興味があったポイント

 ・大学の人気選手出場でどれほどのLIVE視聴があるか?

 ・ANZACクラシックで痛感した実況・解説の重要性
  日本の第一人者DJがらぱさんがどう伝えるか?

 ・長野県中長距離のエース小出樹は、バーチャルでも強いのか??

 

 

 先ず、LIVE観戦者が200~300名程度と結構見ている人が多かった。

若い人の視聴率が高いと云うことは、その世代の認知度と今後の可能性が高いこと。

DJがらぱさんの「20秒前、15秒前コール」で、物凄く緊張感を感じたこと。

また、その解説で衝撃の事実… 

 

明星大の佐藤大志・宇志兄弟(下諏訪向陽出)が何時の間にか

那須ブラーゼンと云う実業団チームに入団していたこと!!

※これが一番のサプライズ!ブラーゼンの新着ニュースを全部見直したが
 載って無いから見落とした訳では無い、芦田さん!有益な情報をありがとうございました!!

 

とにかく実況がお馴染みの安定感で分かりやすい。

何より、若い選手がこうしたイベントを企画して

若い選手達が定期的に集まるというのは物凄く大切なこと。

今後も応援して行きたい!と思いました。

 

 

 


 

 

◇Rising Sun “STAY HOME”Adventure Race

 

 MTBの日本トップライダーが、レーススタイルでサイクリングを行う。

と云う触れ込みで開催、マウンテンバイクでもズイフトに乗るんだ!

それは楽しみだ!と云うことで当日の夜に観戦。

 

 

(参照元:Yotube/BANK LEAGUEバンクリーグ)

 

 

 

 

 事前に興味があったポイント

 ・MTBでやるズイフトって初めて見るわ!!

 ・日本のトップライダーが走るってのはどんなもんだろ?

 ・これどの位の人が見るんだろ??

 

 

 

と、云うことで観戦したのですが

まず最初に… 

全員ロード乗ってるし!!

あぁやっぱり、ズイフトってまだMTBは乗れないんだ!

不勉強ですみません…

 

あとは… 

 

う~ん良くも悪くも自分が知っているMTB界だったかな…と。

先ず選手達を知っていると云う前提での、MTBライダーによる

MTBライダーに送る放送だった。 

 

例えば、自転車を知らない人と見た場合に

「北林力ってのはこういう選手で…」とか

「今かるく今井美穂と言ったけど実は国内ではこんな凄い選手なんだ」。

と解説しないと、MTB業界以外の人には伝わらない。

この辺りがここ数年感じているMTBの課題で

外へ向けて発信して行かないと…

今後の人気浮沈のカギとなるような気がします。

 

少して厳しい意見になってしいましたが

参加した方のレポートに…

 

コロナで皆が顔を合わせられない中でお互いが

元気でやっていることが確認できたことが

最大の収穫だった!一緒に走れて楽しかった!

 

と、レポートをもらいました。

今回三つの大会を見せてもらったが、

これこそ現状下のズイフトで一番大切な

ことであるような気がしました。

 

 

実際に自分も、大会が無くて、

選手・審判・役員・指導者・スタッフ関係者

プレスの人・ファンの方・ボランティアの方と

なかなか会えなくなってしまったのですが

今後も暫く、バーチャルの世界で

元気な姿を見られればと思います。

 

最後に、早い段階で「ズイフト・イベント」を

自主的に始めたアンダーの選手達には

心より敬意を表したいと思います。

 

 

 

 

バーチャルサイクリングの可能性

 

 

 ここまで3つのレースを見させてもらい

今回は、どのバーチャルサイクリングイベントも

エキシビジョンだった訳ですが…

 

ここからは少し真面目にバーチャルサイクリングの

将来と未来の可能性を語って行きたいと思います。

 

先ず、近未来の「自転車エクササイズ・ワークアウト」と云うのは

このバーチャルサイクリングに集約されるような気がします。

 

このサイトでは以前に「移動手段としての自転車が無くなる日」と

云う話をして、自動車が『完全自動運転』になった時には 

移動手段としての自転車は恐らく役割を終える。

自動運転の安全性を考えた時「AIの運転」と

「人間の直感による運転」は共存出来ないと思うし、

そもそも多くの人は移動手段に車を選ぶのでは?

仮にそうした未来が来た時に、自転車が生き残る方法は三つ

 

 ◇日常のエクササイズ&ワークアウトとしての手段

 ◇レクリエーションとしてのサイクリングの確立

 ◇自転車競技(エンターテインメント) 

 

だからこそ、自転車競技とサイクリング業界が共に未来を見据えて

競技界は、自転車と云うスポーツを人気競技として後世に残して行かないと

自転車が本当に絶滅してしまうと云う話をしました。

 

今あらためて思うのは「バーチャルサイクリング」は

自動車の自動運転化後、最も有力なエクササイズコンテンツになり得るし

ますます進化して、より実走に近くなって行く可能性が強い。その他にも

国境を越えて仲間を作ったり、高齢者の方の安全なエクササイズ、

リハビリ、純粋にパーティーゲーム?などなど

様々な可能性を持って広がって行くでしょう。それは、おそらく

現在の我々が想像できないような驚きの世界だと思います。

 

ただ、今回のズイフトレースを見ていて思ったのが

それには現在、バーチャルサイクリングの敷居があまりにも高いこと。

ちょっとモノを揃えるだけで20万円近くかかる上、

月額約2000円の基本使用料は、他のサブスクリプションサービスと

比較して果たして普及して行くのか?

 

コアサイクリストや、今回のようにチームから供給されている選手達は

参加出来るかもしれないですが、一般の人にはとても手が届きません。

それを踏まえて次の章は、バーチャルサイクリングとEスポーツの可能性を…

 

 

 

 

バーチャルサイクリングとEスポーツ

 

 結論から言えば、バーチャルサイクリングとEスポーツ。

親和性抜群で、大きな可能性を秘めていると思います。

ただし、現在の状況で行けば、ここ10年の間ではかなり難しいのでは?

と思います。

 

ご存知の通り、昨年から国体でEスポーツ(公開競技)が始まりました。

種目は、「グランツーリスモ」・「ぷよぷよ」・「ウイニングイレブン」

だったと思います。

 

これも以前書いたのですが、昨年開催された

国体ののぷよぷよ競技を観戦していたのですが、非常に面白くて

人のやっているゲームを見ると云うのは、本来あまり

楽しいことでは無いはずなのですが… 手に汗握るほど!

 

 

(Youtube/puyosega)

 

 

また、昨年Live配信していて一番熱くなったEスポーツは

NPB(日本プロ野球機構)の「e BASEBALL」で、

ご存知の通り、12球団所属のプロゲーム選手が

パワプロで年間王者を争う大会でした。

特にクライマックスシリーズで、

投打に絶好調のヤクルトを、ジャイアンツが猛打で止めた試合は

池田高校を止めたPL学園を見ているような

ドラマを見た気がします。

(確かクライマックスSはLiveで3000人位が観戦していた)

因みにプロプレーヤーの報酬

日本シリーズ2試合のギャラは31万2000円。

 

 

(Youtube/KONAMI公式)

 

では、どうしてそこまで自分が熱くなれたか?

と云えば、やはりそこに「繋がり」があるからです

恐らく、多くの人が一度はビデオゲームで

「ぷよぷよ」や「パワプロ」「ウイイレ」を

やったことがあると思うのです。

だからこそ、トッププレーヤーの凄さに思わず

足を止めて見入ってしまう訳です。

 

 

例えば、世界的に人気のオンラインゲームの

フォートナイトですが、自分はやったことが無いので

世界一のプレーヤーの神プレーを見てもピンと来ません。

逆に、フォートナイト等のトッププレーヤーが

バーチャルサイクリング競技を見ても凄さが伝わらないでしょう。

 

 

さらに難しいのは、瞬間的に世界一のワット数(自転車を漕ぐバワー)を

出して走ってもバーチャルの世界を通すと、その肉体的な凄さが

単なる数値になってしまい、受け手に非常に伝わり辛いと思います。

 

 

こうした状況も踏まえて…

 

 

バーチャルサイクリングが、今後Eスポーツとして

NPBの「eBaseball」のように、全国からセレクションを

行い、ドラフト会議の末にプロ契約した選手が行う…

仮にそんな独立したプロスポーツコンテンツを

目指す場合は

 

先ずはバーチャルサイクリングを一般まで普及しなければ

発展は難しいと思います。冒頭10年と言いましたが… 

 

プレイステーションはもう20年以上の歴史があります。

そして、現在はあまり売れなくなっているという

PSの現在の値段が5万円程度… ズイフトは??

この辺りに今後のバーチャルサイクリング発展の

課題があるような気がします。

 

 

 

 

長野でズイフトイベント!?

 

 神宮外苑クリテリウムの頃

今後のコロナの未来を危惧して

ズイフト大会をやらないか?と云う話がありました。

当時の自分は…

 

・ズイフトは皆でワイワイ楽しみながらサイクリング

・コンピューターにプログラムして追い込むトレーニング機器。

 

こういう認識でした。そして、競技にするには

厳格なレギュレーションを作らなければならない訳で

知識の無い自分には無理だとお答えしました。

 

ただ、ここのところ長野県でズイフト大会を…という

ご意見を多数頂きます。(電話まで頂きました…)

それで、これに関する自分なりの考えですが… 

 

 

ありだと思います!

 


ただレースは考えていません。

 

 

今の自分が出せるアイディアは二つ。

 

 

 

 ①美鈴湖自転車学校などを通じて
  共通のトレーニングメニューを皆で行う。
  自転車学校や、ベロクラブを利用した
  eトレーニング化。

 

 ②東北信の自転車コミュニティや
  自転車ショップ・カフェなどを通じて
  皆でサイクリングを行うことで横の繋がりを作る。
  それが後々の実走の際に仲間が出来るとか
  長野県の選手を知ってもらうことに繋がる。
  (競技とファンライドのインテグレイト)

 

 

 

もちろん、課題は幾つかあります。

今の長野県のズイフト利用者がどの程度いるか?

これに関しては、また皆さんの御意見を頂ければと思います。

 

 

 

 

と、云う訳で

バーチャサイクリングについてでした。

本当に申し訳無かったのですが、

正直あまり興味が無かったのです。

現状、恐らく殆どの人が、実走

出来るようになる頃には飽きてしまう…

あくまでコロナの代替案であって

将来を見据えたビジョンを持って

語っている人を残念ながらあまり

見かけなかった。

 

ただ、GW中からお互いが会えない

状況下で離れていても共に走れる

安堵感などの話しを聞いていると

こうした場を作ることも大切なんだと思いました。

 

それと現実的な実用性を考えれば

冬の長い信州です!

冬季合同練習や合同サイクリングにも

一考の価値ありかな?と考えてみたいと思います。

ともあれ、実態はどんなものか?意見を聞きつつ

これぞ!と云う意見があれば

是非ご意見を頂ければと思います。

 

 

 

関連LINK

ズイフト・ジャパン

日本eスポーツ連合(JESU)

長野県自転車競技連盟

日本自転車競技連盟



 

 

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