「Team 美鈴湖自転車学校&ベロクラブ」の松本トラック参戦記。
今回は、先日2021年5月1日・2日に行われた
2021松本サイクルトラックレースに、チームとして初参戦した
「美鈴湖自転車学校&美鈴湖ベロクラブ」の挑戦!を
皆さんにお伝えしたいと思います。
先ず最初にお断りしておきたいのは、ここに登場する選手達の
全てが、2019年から2020年の美鈴湖自転車学校で
初めてピスト自転車(トラックレーサー)に乗った
皆さんと同じ、普通のサイクリストであること。
そんな彼らがコロナ禍の中でも紆余曲折に負けず
デビューを果たしたということ、これは
これを読んでいる皆さんの明日の姿に繋がるもの…と
思って読んでもらえれば幸いです。
出場選手
名 前 | 所 属 | 出場種目 |
河野 仁 | マスターズ3㎞個人追い抜き | |
小山 大登 | エクセラン高校3年 | Jr.200mフライングタイムトライアル、1㎞タイムトライアル |
児玉 空大 | 上田千曲高校1年 | Jr.200mフライングタイムトライアル、1㎞タイムトライアル |
山田 愛太 | ProRide(白馬中3年) | Jr.200mフライングタイムトライアル、1㎞タイムトライアル |
2021松本トラック全出走リスト(PDF/大会公式コミュニケより)
各選手の結果
河野 仁
河野選手は大会2日目のマスターズ3㎞個人追い抜きに出場。第1組ホーム側「短独走」でのスタート。
緊張からかフライングを取られるものの、2回目のスタートは冷静に決め
3㎞(9周回)を大きなタイムロスなく走り切り、いきなり3分56秒803と
4分の壁を破る好タイムでゴール、最終組の選手にこのタイムが破られ
表彰台こそ逃したものの4位という結果と、4分を切るという堂々たるタイムで大会を終えた。
名 前 | 出場種目 | 結果 |
河野 仁 |
マスターズ3㎞個人追い抜き | 3分56秒803 (第4位) |
元々ロードバイクに乗っていたが、2019年10月の美鈴湖自転車学校で始めてピストに乗る
50歳での初挑戦ということで競輪の小峰烈選手が付きっ切りで講習を行った。
昨年はコロナの影響でマスターズの大会が開催されず、満を持してのデビュー戦となった。
小山 大登
昨秋の長野県高校自転車新人戦で自転車競技デビュー。翌週から
トラック競技を取り入れて約半年、パワーとスピードが少しずつ付いてきた。
本人はタイムに満足していないと口にしていたものの
冬場を挟んで実質5回も練習出来なかった中で堂々たるデビュー戦となった。
名 前 | 出場種目 | 結果 |
小山大登 |
男子Jr.200mタイムトライアル | 12秒787(第15位) |
男子Jr.1㎞タイムトライアル | 1分16秒375(第15位) |
昨秋の彗星のように長野県高校自転車界に現れた小山。
インターハイ出場を目指し同月11月の美鈴湖自転車学校で初めて
ピスト自転車に乗ることになった。この中では児玉選手と共に最も経験が浅い。
初めてのピストでは金原コーチがつきっきりで講習を行った。
児玉 空大
今春から高校生となり今大会はU-17の1枚重いギアを使用してのデビュー戦となった。
春からは200mTTに絞って練習をしており、12秒台前半が出ていただけに
13秒というタイムが悔しく、長野県大会へ向けて11秒を出す!と宣言していた。
デビュー戦での悔しい想いを忘れずに今後の活躍に期待したい。
名 前 | 出場種目 | 結果 |
児玉空大 |
男子Jr.200mタイムトライアル | 13秒379(第17位) |
男子Jr.1㎞タイムトライアル | 1分20秒378(第17位) |
2019年の美鈴湖自転車学校からロード班として参加していたが
2020年11月美鈴湖自転車学校よりトラック競技を開始
今年は高校生となり、現在の目標は競輪選手になること。
山田 愛太
この中で唯一、昨年のジュニアオリンピックでデビューを果たしている山田愛太
中学3年生となった今年は、U-15 からU-17へギアが1枚重くなって臨んだ初の大会だったが
200mタイムトライアルでラバーパットを踏み大きくタイムを失ってしまった。
それでもこのプレシーズンの中では今後に繋がるミスでもあり、その後は
得意の1㎞タイムトライアルでは1分14秒の自己ベストを更新と
夏のジュニア五輪へ向けて非常に期待が持たれる今季開幕戦となった。
名 前 | 出場種目 | 結果 |
山田愛太 |
男子Jr.200mタイムトライアル | 12秒996(第16位) |
男子Jr.1㎞タイムトライアル | 1分14秒085(第13位) |
MTBのキッズ選手として活躍していたが、ロードとトラック競技をトレーニングに取り入れ
2019年の11月自転車学校からピスト練習を行う。この中では唯一
昨年のJOCジュニアオリンピックで公式戦デビューして4位となる。
大会レポート
今回は、山田愛太を除いた3名がデビュー戦ということもあり
美鈴湖自転車学校で講師を勤める兼平優希(前信州大自転車競技部主将)を
監督兼メカに据えて「Team 美鈴湖自転車学校&美鈴湖ベロクラブ」として
選手のアテンダントを行った。
スタート地点では、上田市のサイクルショップ「ベレーニョ」さんから
タープテントを貸して頂き、チームの拠点とした。
因みにこのお借りしたテントが強風にあおられて大破することになり…
大会終了後に菓子折りを持って謝りに行くことになる
マネージャにとっては波乱の展開。
ホワイトボードの本日のスケジュールと出走表が書き出される。
選手は普段の美鈴湖自転車学校で使用しているものが貸与され
前輪は小峰烈選手の私物をお借りして大会に臨んだ。
※レース後、小山・児玉両選手が小峰選手に借りたホイールを
二人で一生懸命磨いて返そうとしている姿が妙に健気でもあった…
「マネージャーさんすみません…お宅のチームの選手達が検車に来ないんですが…」
と、検車の炭竃UCIエリートナショナルコミッセールに自分も怒られる(笑)
チーム全員であわてて検車を受けに行く。
〔画像は検車を受ける山田選手と、ギア比チェックを行う炭竃コミ〕
今回は殆どが初出場ということもあり
公式練習時間のマネージメントや、出場時間などの
マネージメントも美鈴湖自転車学校のスタッフで行った。
2日間を通じて競技役員として大会運営の補助などを
行っていた宮﨑監督、金原コーチ、小峰コーチも
時折ブースに寄ってもらっては、声をかけてもらい
選手にとってはデビュー戦を安心して行えたことと思います。
また、兼平監督もこれが監督デビュー戦であり
皆が良い経験が出来たと思います。
今後もこれから自転車を始める人達への指導はもとより
初めて大会へ出場する選手達のサポートも行って行きたいと思います。
マスターズ河野仁選手の挑戦
今大会、個人追い抜きで4位となった河野選手ですが
再三ご紹介しているように 50歳を目前にして美鈴湖自転車学校で
トラック競技を初め、コロナで1年間マスターズの大会が開催されない中で
待望の松本トラックでの公式戦デビューとなりました。
思えば2019年の美鈴湖自転車学校で
初めてピスト自転車に乗った時に
フラフラと非常に不安定な初走行をしていて
講師だった小峰烈選手(競輪選手会)が
付きっ切りで指導していたことが強く印象に残っています。
もともとロードに乗っていた河野選手でしたが、この写真のように
小峰コーチは並走して教えるのではなく、危険なので自身が自転車から降りて
スニーカーで練習させているのが解るかと思います。
河野選手のエピソードといえば
昨年、「ピスト自転車を買う」とメールをもらい
その際に、小峰選手と同じ「FUJI」の自転車を買ったと
報告をもらいました。
その前にも自転車学校の小学生の山田琥珀ちゃんも
小峰さんに憧れて「FUJI」の
自転車を買ったと報告を受けており
美鈴湖自転車学校において、受講生の小峰選手に対する
信頼と尊敬の強さを伺える出来事でした。
小峰選手と同じ「FUJI」の自転車を購入し、初めての試走を行う河野選手
昨年はマスターズの大会が無いながらも、この自転車で練習を行う姿が印象的だった。
順調に行けば2020年の松本トラックでデビューする予定だった
河野選手ですが、昨年はコロナの影響でマスターズの大会が軒並み中止。
大会に参加する機会が無いまま2020年シーズンを終えました。
冬の美鈴湖自転車学校フィジカルトレーニング講座でトレーニングを行う河野選手
そして迎えた今大会、これを書いている自分にとっても
待ちに待った、思い入れの強い大会を迎えることとなりました。
迎えた大会2日目…
会場に河野選手が到着すると、小峰さんが自転車学校のチームブースへ
激励に来て下さり、ご自身のホイールとヘルメットを持参し
河野さんに貸して下さいました。
そんなやりとりを見ていて…
今日を迎えるまでに本当に色々とあったけど
この日を迎えられてよかった…と
自分自身もまた、胸に帰する想いがありました。
大会2日目の個人追い抜きに出場する河野仁選手がウォーミングアップを行う。
ホイールに加え・エアロヘルメットも小峰選手が貸与して下さっての出場となった。
そして、緊張のスタートを迎えるのですが
スタート時に、大きくフライング!!
後の無い状況で、2本目のスタート。
今度はスムーズに決まりレースが開始されました。
1回目のフライングのあと、2本目のスタートは綺麗に決まる
レースは9周回(3㎞)という比較的長丁場となりましたが
河野選手は力走をみせ、ペースが安定したままゴール。
初出場とは思えない4分を切るタイムで暫定1位。
大きくペースを崩すことなく終始一定のペースでレースを終え
3分54秒783という好タイムを叩き出し最終的に4位入賞を果たした。
そして、今大会最も印象的だったのが、
河野選手がレースを終え チームテントへ戻ってくる際に
補助員として大会のお手伝いをされていた
小峰コーチが河野選手を迎えたシーンでした。
走り終えた河野選手を小峰さんが迎えたシーンは
この大会で最も印象的だった。
こうして、美鈴湖自転車学校&美鈴湖VELOクラブの
初めての挑戦が終わりました。自転車学校を設立した際に
チームとして大会に出たいという思いはありましたが
設立して3年目にして念願かなって初出場となりました。
今後も、引き続き自転車学校を続けて行くと共に
同時に多くの選手も輩出出来ればと思っています。
引き続き、美鈴湖自転車学校・美鈴湖ベロクラブに
ご理解と、温かい御支援・ご声援を賜りますようお願い申し上げます。
2018年10月に第1回を行った美鈴湖自転車学校から
チームを作り初出場で来たことは、大きな通過点となった。
実はこれ、2/3は大会が終わった夜に
書き終えていただのですが
大会終了後からドトーの忙しさで
今日最後の部分を書きあげました。
少し時間がズレてしまったことと
少しつぎはぎ的なレポートに
なってしまったことをお詫びします。
いま改めて思うのですが、自転車学校を
設立して3年目、色々なことがあったのですが
振り返ってみて、この日を迎えられて
本当に良かったと思います。
今回は特に、ここまで数々の
サポートをして頂いた皆さんと、
この舞台に自分を連れて来てくれた
4名の選手と、そのご家族の皆様にも
心より御礼を言いたいと思います。
しかしながら、ここが自転車学校の
新たなスタート地点となります。
まだまだ目指す所が遠いことは
関係して下さる皆さんの共通の想いだと思います。
引き続き、美鈴湖自転車学校とベロクラブに
温かい御声援のほど宜しくお願い申し上げます。