「第2回龍江クリテリウム」長野県美鈴湖VELOクラブ遠征レポート。
2023年5月4日㈭ Tour of JAPANプレイベント第2弾
第2回南信州龍江クリテリウムに
長野県育成クラブの「美鈴湖VELOクラブ」の中学生ならびに
今年から部を再建しVELOクラブで練習を行いながら
4名体制となった上田千曲高校の選手達と
共に参加したレポートをお伝えします。
今大会は、全員がU-17以下ということもあり
午前中に行われたクリテリウム方式、
午後に行われたポイントレース形式での
レースに参戦しました。以下レポートです。
【大会告知】
参加メンバー
NO. | 氏名 | 所属 | 区分 |
71 | 中山 旺星 | 上田千曲高(2年) | U-17 |
72 | 宮林 郁生 | 上田千曲高(2年) | U-17 |
73 | 岡田 大渡 | 上田千曲高(2年) | U-17 |
74 | 佐藤 遥紀 | 上田千曲高(1年) | U-17 |
78 | 小林 洋平 | 信州大付属長野中(3年) | U-17 |
84 | 清水京一郎 | 松本旭町中(2年) | U-15 |
85 | 松宗 士織 | 松本丸ノ内中(1年) | U-15 |
監督:金原諒(長野県自転車競技連盟強化委員)
全出場者リスト〔大会公式HPより〕
大会の様子
今大会のVELOクラブについては
目標としていた2023松本サイクルトラックレースが終わり
中三日ということもあり、小林洋・清水京・松宗の3名が参加。
また、4月はVELOクラブで合同練習を行っていた
上田千曲高校の4名も同時に参加した。
監督は、長野県美鈴湖自転車学校や
美鈴湖VELOクラブで講師を務める
金原諒(長野県自転車競技連盟強化委員)が
チームマネージメントを行った。
「U15+U17+一般カテゴリー3」という
幅広い年代でレースが行われた。
天竜峡近くの龍江地域の河川敷をクローズして開催された。
コースは1周が約1㎞で12周回で午前のレースがスタート
既にトラック競技ではデビューを果たした上田千曲高校の4名だが
クリテリウムは初めてということで金原コーチが
一緒に走りながら指導する…
予定だったが、運動不足のため3周程度でリタイア。
〔画像:集団先頭〕
ボンシャンスの松村竜と並走する小林洋平(信大付属長野中)
VELOクラブでは共に練習を行っているが
この日は別チームでレースを行う。
デビュー戦となった中山旺星(上田千曲)は陸上部とかけもちで
3日前に松本トラック、前日・前々日と陸上の長野県大会に出場し
疲れが残る中でのデビュー戦となったが
午前午後共に存在感を見せるレースを展開した。
VELOクラブの松宗士織(丸ノ内中)と並走する。
〔画像:左松宗、中央中山〕
序盤2名の逃げが決まる。メイン集団を牽引する
松村竜と中山旺星(上田千曲)
ここに岡田・宮林・松宗・清水京も入り
レースは中盤を迎える。
VELOクラブの中学生コンビであり
合同練習には二人で松本市内から自走で
美鈴湖競技場まで登って来る
清水京(旭町中)と松宗(丸ノ内中)が
今大会も二人で協力し合いながらレースを展開する。
デビュー戦となった上田千曲の
中山と宮林も集団に喰らいつきながら
レース終盤へ向かって行く。
レースは二人の逃げが決まり、そのまま1着2着が確定
熱戦となったのは3着争いでメイン集団から
小林洋平(信州大付属長野中)が大人たちを相手に
ユースの軽いギアながらもスプリント勝負に持ち込み快勝!
昨年のジュニアオリンピックU-15銅メダリストのスプリント力を
大きくアピールする結果となった。
午後の部ポイントレース方式
午後のレースはポイントレース方式で
3周・6周・9周・ゴールの4回でセレクションがあり
その都度、1着に5点・2着3点、3着2点、4着1点が
加算され最終的にポイントが多い選手が勝利する
トラック競技で行われるレースとなった。
スタート位置につく上田千曲・清水京の各選手。
午前中のレースとは違い、各自の戦略(レースプラン)が重要となる
メンバーには各自の課題を与え、レースの中で
それを実践するように指示した。
先頭を走る小林洋平は午前のレースから
序盤のレース展開を見ながらスプリントに持ち込んで
ポイントを獲得を狙う。
この日が自転車レースデビュー戦となった
上田千曲高校の新入生佐藤遥紀
この日は、先ず落車しないように
しっかりレースを見極める課題を持って
デビュー戦に臨んだ。
最後尾は昨年の長野県大会マスターズ3㎞個人追抜き優勝の
ベテラン西岡健一選手(飯田レーシング)が力走!?
【西岡選手記事】
午前のレースで完走を果たした
宮林(上田千曲高)と松宗(丸ノ内中)が
協力し合いながらゴールを目指す。
午前のレースで少し体調を崩した清水京一朗(旭町中)は
体調が万全では無いなかで力走を見せる
上田千曲の宮林・岡田も気温が上がり始めると
徐々に足が止まり我慢の展開となる。
最後尾を走るスプリンターの西岡選手はレース前に
「なんとか「5周」までは足切りにあわないように頑張る!」と言いつつも
毎回毎回、最後尾で安全管理をしながら力走を見せた。
体調が悪い清水京一郎(旭町中)だが、社会人の選手相手に
大健闘を見せた。初めてのクリテリウムで共に完走した経験は
今後大きな財産となる。
松本サイクルトラックレースでスプリンターとしての資質をみせた
岡田大渡(上田千曲)にとっては非常に厳しいレースとなったが
初のクリテリウムは負荷の高いトレーニングとしても
非常に良い経験となった。
午後のレース、当初のレースプラン通り
最終スプリントに持ち込んだ小林洋平(信大付属長野中)
ここでもジュニアギアの選手とは思えない力強さで
社会人選手を抜き去り午前に続き3位入賞を果たした。
〔最終リザルト〕
レポート
前筆の通り、VELOクラブのメンバー全員が
この春の目標としていた「松本トラック」が終わり
これからシーズン本番へ向かって行くなかで
経験と調整として参加した「龍江クリテリウム」だったが
各選手が松本トラック終了後の疲労をものともしない
こちらの想像以上に収穫の多い大会となった。
〔松本トラック結果〕
昨年のジュニアオリンピックで銅メダルを獲得した
小林洋平(信大付属長野中3年)は
普段はトラック選手と練習している関係で
分からなかったが、こうしてロードに出してみると
大人の選手相手にも引けを取らないどころか
ユースギアでも大人を圧倒してみせる
スプリント力を見せたほか、
短距離選手でありながら、基礎体力の面でも
ロードの選手に引けをとらない力強さを見せた。
この2年間徹底的に「46‐16」固定で磨いて来た
回転力を武器にユースギアでありながらも
大人達と対等に渡り合い3位表彰台に上がった
小林洋平(信大付属長野中)
今年もジュニアオリンピック出場を目指す。
また、昨年の全国ジュニアロードでも活躍を見せた
松宗士織(丸ノ内中1年)も基礎体力面で
非常に力強さを見せた。午前中のレースでは
チーム最年少ながら6位入賞を果たした。
清水京一郎(旭町中2年)も、途中で体調を崩しながらも
持ち前の精神力を見せて、大人達を相手に
先頭交代をしながらローテーションに加わるなど
この1年学んで来た基礎技術の部分での能力の高さを見せた。
またレース後、立てなくなるまで出し切って走るという部分も
何時も通りであり、ここの部分に関しては
今後も指導者が注意して見守りたい。
上田千曲の4名については
とにかく、この2カ月激動の日々を過ごした。
自転車に乗りたいと言って来てから
毎週毎週、松本トラックに出場するために
研鑽を積んだ。その努力もあって
ロードでも落車なく無事にデビュー戦を終えることが出来た。
特に、中山旺星についてはレース中
非常に積極的にレースを展開したことを
順位以上に評価したい。
その他、上田千曲の4人を
松本トラック・龍江クリテ出場へ
部員を集めまとめあげたキャプテン宮林郁生の
チームマネージメント能力も高く評価をしたい。
3月から自転車を始めた上田千曲高校
この2カ月特訓を積みこのGWで
トラック・ロードと二種目で大会に出場した。
これから、高体連・U-17・U-15と
各自目標が違ってくる。
またここへ来ることが出来なかった選手も
これから、BMXやシクロクロスなど
各自専門の競技へと本格的に
シーズンして行く訳だが
今回VELOクラブが非常に褒められた
「選手たちの基礎スキルが非常に高いこと」は
今大会を通じて自分も感じ、選手達自身も
大いに自信となった。
この世代は、来る2028年の長野国体へ向けて
長野県全体で育成に力を注いでいる世代でもあり
今後も長野県サイクリストの皆さんに
応援してもらえるように、引き続き各自
練習に励んで欲しい。
その他では、長野県大会を前に
信州大学、飯田風越・飯田OIDE長姫、駒ヶ根工など
南信各チームの選手のコンディションを確認出来たことも良かった。
最後に今大会を運営して下さった
スタッフの皆さんに心より御礼を申し上げます。
〔大会公式HP〕
という訳で、長野県の育成クラブである
美鈴湖VELOクラブと上田千曲高を連れて
《出稽古に行って来た…》
個人的にそんな印象が残ったレースでした。
普段、VELOクラブでの練習を見ていて思うのは
この子たちは、徹底的に基礎を繰り返していて
それを飽きもせずやって楽しいのかな?
と思うことが少なからずあったのですが…
他流試合をしてみて、その「基礎」というモノが
非常に大きくモノを言った大会でした。
今回は、本格シーズンへ向けて…
特に月末の長野県大会へ向けての
調整・経験と位置付けた大会だったのですが
選手達が得た自信というものは
非常に大きかったと思います。
ただし…
これは自分がスポーツを
やっていた頃、特に自分が中学生の時に得た
未だに痛みとして残っている教訓です。
それは…
小さな勝利は大きな自信を呼ぶ。
しかし、大きな勝利は過信を生み
勝ち続ければ自ずと慢心を生む。
もしも時間が巻き戻るなら
中学生の最後の2年間に戻りたい気分になります。
今回、ユース・ジュニアギアで格上の選手と
対等に渡り合ったことは小さいことながら
大きな自信となったことです。
しかし、我々の目標は
まだ遠く先にあります。
レース前にも話しましたが
大切なことはこのレースで
どんな失敗を得たのか?課題を得たのか?
その一点に尽きます。
今日からまたその課題に
一人ひとりが真摯に向き合って
もらえればと思います。
以上がGW最後の
美鈴湖VELOクラブの報告でした。
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