〔レポート〕今年は16名が受講!長野県車連主催「2022年JCF公認自転車競技3級審判講習会」開催。

長野県車連主催「2022年JCF公認自転車競技3級審判講習会」開催。

 

 去る12月11日㈰、長野県松本工業高等学校同窓会館(松本市)にて

「2022年JCF公認自転車競技3級審判員講習会が行われました。

今年は、県内外から男女合わせて16名が参加(女性は6名)。

 

午前・午後と二部制で講義を行い、最後に簡単な試験を経て

無事に参加16名が全員試験を合格し、2023年からの

自転車競技公認審判員の資格を得ることとなりました。

詳しいレポートは下記の通り…

 

 

〔2022年審判講習会要綱〕

 

 

 

講義の様子

 

今年の3級審判員講習会は

自転車を始めたばかりの方から、自転車競技のファンの方

ジュニア・ユースの保護者の方のほか

松本情報工科専門学校のスポーツバイシクル学科の

皆さんなどが参加。

 

 

また、2015年に美鈴湖自転車競技場が

会場して以来、久しぶりとなる

競技場以外の場所(松本工業同窓会館)にて開催されました。

※今年は12月開催で既に美鈴湖が一般通常営業を終了していたため。

 

記憶が確かならば2017年初頭に開催された
ルール大幅改正説明会以来の松本工業高校での
自転車競技関連講習会の開催となった。
開催に先立ち奥原副理事長より挨拶が
伊藤審判委員長より午前中の講義が行われる。

 

今年は12月開催ということもあり競技場が使えないために
競技場の説明についてはスライドで行われた。
今回は主に「トラック」「ロード」「シクロクロス」が行われた。

 

そもそも自転車のサイズとはどこからどこまでを計測するのか?
基本的なことではありながら、意外と正確に答えられる人は少ない。

 

今年もジュニアギア比の計測方法のほか
自転車の寸法についての検車実習も行われた。

 

その他、自転車にはどんな公式競技種目があるのか?
意外と知られていないために
長野県内で開催されたレースの動画などを見ながら
講義が行われた。

 

午前・午後の講義が終わり簡単な筆記試験が行われる。
6割で合格ということで、特に今年から自転車を始めた方々は
かなり緊張されていたが、無事に全員が合格となり
2023年からは晴れて
日本自転車競技連盟公認の審判員として活躍することになる。
来年の長野県内での活躍に期待したい。

 

 

 

講義内容

 

 

 

 〔午前の部〕
  講師:
伊藤清朗 JCF公認1級審判員

 ◇公認審判員規程について
  ・ライセンスの取り消しについて
  ・1級~3級審判員の役割について
  ・名誉審判員について
  ・2級審判員になるためには?
  ・審判の定年と名誉審判員について

 ◇競技に関する国際・国内自転車競技組織体系について
  ・UCI(国際自転車競技連合)について
  ・JCF(日本自転車競技連盟)について
  ・都道府県自転車競技連盟について
  ・その他連盟について(高体連・学連・実業団・プロ協会など)

 ◇ライセンス登録証について
  ・定義、原則、種類、有効期限について
  ・来季から導入されるe-ライセンスについて
  ・ロードレースにおけるドライバーズライセンスなどについて

 ◇競技者について
  ・年代&カテゴリーわけについて
  ・競技者の義務について
   交通ルールの厳守
    メンテナンス・整備の義務
  ・競技者の装備について
   競技の基本的な服装について
   ヘルメットの着用について
   ソックスの長さについて
   ジャージの広告表現について

 ◇ジャージ着用時の詳細
  ・ジャージの登録について
  ・ジャージ着用の優先順位について

 ◇装備品についての詳細
  ・着用できるヘルメットについて
  ・ゼッケンの装着ルールと意義

 ◇自転車およびオートバイについて
  ・自転車とオートバイの違い(原則について)
  ・自転車機材(パーツ)の改造禁止について
  ・機材の技術革新の際の認可について

 ◇自転車とは
  ・自転車の原則
   人間が機械よりも優位であること
   着座できることが原則
   自転車本体の全長・横幅・重さの制限について
   サドル先端-BB間の5㎝ルールについて
   ホイールについて他
   フレームの形状について
   ハンドルの位置・長さなどについて
   ギア比について(Jr.ギア比について)
   ブレーキについて 

 ◇制裁
  ・競技時の制裁の種類について
   警告→罰金→降格→失格
  ・異議申し立てについて
   コミッセールパネルの決定が最終であること
   異議申し立ては書面で行い供託金を添えて提出すること他

 ◇競技大会開催における役員の任務
  ・審判、競技役員の仕事の種類
  ・スターターの重要性
  ・フィニッシュジャッジの権限
  ・タイムキーパーについて
  ・招集(アッシャー)の役割
  ・検車員(バイクインスペクター)の役割
  ・周回管理(ラップカウンター・ベル)の役割
  ・ADチェッカー(ID確認者)の役割
  ・通告(会場アナウンサー)の役割

 ◇ドーピングコントロールについて
  ・審判、競技役員とドーピング検査員について
  ・ドーピング検査の流れについて他

 ◇コンプライアンス規程について
  ・禁止行為について
  ・法令遵守について他

 ◇審判員としての準備
  ・個人装備について
  ・服装についてい
  ・必須品について
   ストップウォッチの話し
   ホイッスルの話し

 

 

 

 

 〔午後の部〕
  講師:田中比呂喜
 JCF公認1級審判員

 ◇自転車競技のルールについて
  ・国際ルールについて
  ・最新のルールのダウンロード方法
  ・国内の独自ルールについて

 ◇自転車競技場について
  ・美鈴湖自転車競技場について
  ・周長とは?走路角度とは?
  ・走路の素材について
  ・走路の進行方向について
  ・走路に引かれているラインについての説明
   ブルーバンド、測定線、スプリンターレーンほか

 ◇競技車両の寸法と検車について
  ・自転車の長さ・幅・重さの規定について
  ・検車方法について
  ・ギア比のはかり方。

 ◇トラック競技について
  ・基本ルール
  ・競技会で運営側が気を付けること
   時間の厳守やスムーズな運営について

     ・競技会で選手が気を付けること
   走路内での走行ルール
   スプリンターレーン優先権、イン抜きの禁止
  ・認められる事故とは?
   正当な落車について
   パーツの欠損・パンク等のアクシデントについて
  ・ニュートラリゼイションについて
   ニュートラルはどんな時に、どう適応されるのか?
  ・トラック競技にはどんな公式種目があるのか?
   「計測系レース」「競走系レース」「団体種目」「複合種目」
   「短距離系レース」「長距離系レース」

 ◇ロードレースについて
  ・基本ルールについて
   出走サインの必要性
   ギア比について
  ・ロードレースにはどんな種目があるのか?
   「1 dayレース」「ステージレース」「TT」「クリテリウム」
  ・ロードレースにおける車両運用について
  ・ロードレースのスタートについて
  ・ロードレースの距離について
  ・レース中のゴミ投棄に関するルールの厳格化について
  ・集団ゴール時のタイム差について

 ◇シクロクロスについて
  ・シクロクロスとは?
  ・コースの特性について
  ・競技時間について
  ・ピットエリアについて

 

 

 

 

 〔審判登録について〕
  講師:奥原進治
 JCF公認1級審判員

 ◇登録についての注意事項
  ・来季からの eライセンスについて
  ・登録地について
  ・来年の長野県内自転車競技大会について
  ・その他

 

 

 

 

告知を頂いた販売店・関係者の皆様へ御礼

 

 本年も審判講習会に際しまして、多くの皆様に告知等のご協力を頂きました。今年もここへ来てコロナが一気に増えた関係でお世話になっている東北信の自転車販売店へのお願いは控えました。2020年になって以降、なかなかご無沙汰してしまっている販売店の方も多く長い間のご無沙汰もお詫び申し上げます。

今期ですが、シーズンを通じて少し気になった点をお知らせ致しますので、県内の販売店の皆様にも情報を共有して頂けますようお願い申し上げます。

 

 


 

◇JCF自転車競技規則集無料ダウンロード

 本年のJCF公認「自転車競技規則」が無料ダウンロード可能です。

無料ダウンロードはこちらから。(JCF公式HPより)

 

 


 

◇ジュニア&ユースギア比に関するお願い。

 ここ数年来、問題となっている

ジュニア(U-19)・ユース(U-17 &U-15)の

ギア比問題ですが、トラック競技の国際大会では

ジュニア(U-19)のギア比制限が撤廃となったそうです。

一方でロードレースではギア比制限が継続されますので

U-19 の競技者に対しては、ジュニアギア比・ユースギア比の

アッセンブルをお願い申し上げます。

 

また、高校自転車(高体連主催大会)では

当面の間、トラック・ロード共に

ギア比制限は継続とのことですので

高校競技者に対してのジュニアギア適応も

重ねてお願い申し上げます。

 

 

ジュニア・ユースギア比について

(クリックすると大きくなります)

 

  ジュニア(U-19 ):7.93m
   高校自転車:7.93m

  U-17:7.01m
  U-15:6.10m
  U-13:5.66m

 

日本自転車競技連盟競技競技規則高体連解説〔PDF/高体連〕

 

 

 

 

 

 

 


 

◇良くある機材の反則について

 今年も多かったものが

サドルの先端部とBB中心の位置が挙げられます。

規定ではBBの中心からサドル先端は5㎝後方でなければなりません

ただし、競技者の体格(特に小さい選手)には、このケースが

当てはまらないことがあります。その場合はその旨を

バイク検査員に当該選手は申告しなければなりません

JCF規則集第5章より

 

 

 


 

◇ドーピングに関する情報の共有

 自転車界の歴史において、ドーピングは非常に重要な問題です。

特にこれからの若者に対しての啓蒙と意識の共有をお願い致します。

 

 


 

◇サイクリング・フォー・オールの徹底

 昨今、競争・非競争を含め長野県内では様々な自転車イベントが増えて来ました。

そこで改めて、サイクリングイベント・レースに参加される方々へ

UCIが提唱する「サイクリング・フォー・オール」の精神の徹底をお願い致します。

 

 

参加者は常に関連する道路交通法規を順守しなければならない.

・参加者は適切なスポーツ精神を実践しなければならない.

・参加者は環境を尊重する態度で振る舞わなければならない.

 

JCF規則集 第16章 サイクリング・フォー・オールより

 

また最低限のルールとして、どのイベントに出場する際も

自転車の整備は選手の義務であること

の徹底をお願い致します。

 

 

 

 

試験に合格された皆様へ

 

 

 

 審判試験に合格された皆様、改めまして合格おめでとうございます。

皆さんは、来年の1月よりJCF公認の自転車審判員として正式に登録されます。

 

今後ですが、例年であれば2月に長野県連盟の総会が行われ

その頃にはおおまかな「2023年のレースカレンダー」が発表されます。

 

是非とも、多くの皆様に大会運営にご協力いただけますようお願い致します。

審判講習会でもご説明いたしましたが、自転車審判というのは 

単にジャッジ(判定)を行うだけでなく、レースの運営 

コースや会場の設営・設定、観客の皆さんへの安全管理など

その職務は非常に多岐に渡り、人手も必要となってきます。

 

願わくば、来る2028年の長野国体と 

その先の長野県自転車界の未来に向けて

皆様のご尽力を賜りますよう重ねてお願いを申し上げます。

 

ご不明なことがございましたら

連盟審判委員会までお気軽にお問合せ下さい。

 

 

 

 

講師

 

伊藤 清朗 
2019年で定年となった小林秀一前審判委員長のあとを引き継ぎ
2020年シーズンより長野県自転車競技連盟審判委員長に就任。
昨年に引き続き講習を行った。
〔JCF1級審判員〕

田中 比呂喜 
TOKYO 2020 オリンピック・パラリンピックロードでも
競技役員として従事、シクロクロスでも委員として活躍
昨年に引き続き今年も講師を行った。
〔JCF1級審判員〕

伊藤 将史 
長野県登録ながら、実業団でも審判員として活躍
TOKYO 2020 オリンピック・パラリンピックロードでも
競技役員として従事。バイク審判員としても活躍する
今秋より難関のJCF1級審判員試験に合格し
来季からは1級審判員として本格的に活動する。
〔JCF1級審判員〕

 

奥原 進治 
長野県自転車競技連盟副理事長
ここ数年は、主要大会へ審判として従事するほか
長野県内の大会運営や
長野県自転車界の事務方としても多忙を極める。
〔JCF1級審判員〕

 

という訳で、今年もまた

過去最多の16名の皆さんに

審判講習会へご参加を頂きました。 

 

毎年、審判ライセンスを持つ方が

多くなることは非常に喜ばしい一方で

当サイトを見て審判ライセンスを

取得した方が非常に多くなってきており

そうした方々への責任というものも

強く感じて来ている今日この頃です。

 

何だかまた小難しいことを

語りそうなので手短に… 

 

毎年、審判講習会に非常に多くの方が

参加して下さるようになり

次の課題というのは、集まって下さった方に

いかに実際に審判をやってもらえるか? 

審判だけでなく!!

長野県の自転車界の発展のために

参画してもらえるか?

 

 

そこにかかってきます。 

 

 

そうした中で、改めて

当サイトが「運営に携わる人たち」に

対して何が出来るか?を考え

裏方に御尽力頂く方々の

サポートをして行けたらと思います。

 

これを読んで興味を持たれた方は

是非、来年ご参加いただきますよう

お願い申し上げます。

 

自分も審判を離れて久しいですが、じっくり聞いていたら
目から鱗なこともありメモが7枚程度になりました。
帰って来て読み返してみると

やはり年に1回は聞いておいたほうがいいなと…

 

 

関連LINK

UCI

日本アンチドーピング機構

日本自転車競技連盟

長野県自転車競技連盟