もくじ
〔結果〕令和3年長野県高等学校新人体育大会-自転車トラック競技-全リザルト
2021年10月24日㈰に松本市美鈴湖自転車競技場で
来年春のセンバツ高校自転車競技大会の長野予選を兼ねた
令和3年長野県高等学校新人体育大会
自転車トラック競技の大会が開催された。
今年は長野県内6校14名が出場した。
男子では小松篤史(松本工)が出場した全ての競技で優勝し
三冠を獲得した他、女子では平山なつみ(松本工)が
二種目を制した。大会は11月3日にロードレースが行われ
春のセンバツ長野県代表候補が決定する。
トラック競技の全リザルトは以下の通り。
令和3年長野県高校新人戦トラック競技公式リザルト(PDF/長野県自転車競技連盟)
高校生男子200mタイムトライアル
順位 | 氏名 | 学校 | 学年 | タイム |
優勝 | 小松 篤史 | 松本工業 | 2 | 11秒577 |
2位 | 上里 翔瑛 | 松本工業 | 1 | 11秒964 |
3位 | 片田 啓太 | 松本工業 | 1 | 12秒342 |
4位 | 酒井優太郎 | 松本工業 | 1 | 12秒633 |
5位 | 黒澤 響冴 | 飯田OIDE長姫 | 1 | 12秒750 |
6位 | 塩澤 武留 | 飯田風越 | 2 | 12秒937 |
7位 | 児玉 空大 | 上田千曲 | 1 | 12秒966 |
8位 | 横林 海斗 | 松本工業 | 1 | 13秒092 |
9位 | 山口 太聞 | 松本工業 | 1 | 13秒350 |
10位 | 湯澤 瑚楠 | 駒ヶ根工業 | 1 | 13秒805 |
11位 | 寺島 京那 | 長野工業 | 1 | 13秒906 |
12位 | 原 楓人 | 飯田OIDE長姫 | 1 | 15秒681 |
マツコウの新キャプテンに就任した小松篤史(松本工)が200mフライングTTに登場
気温1度と低温だったこの日の朝一番のタイムトライアルに登場
本人は試技のあと首を捻ったが先ず最初の種目で優勝を果たす。
高校生男子1kmタイムトライアル
順位 | 氏名 | 学校 | 学年 | タイム |
優勝 | 小松 篤史 | 松本工業 | 2 | 1分09秒745 |
2位 | 上里 翔瑛 | 松本工業 | 1 | 1分12秒842 |
3位 | 黒澤 響冴 | 飯田OIDE長姫 | 1 | 1分15秒998 |
4位 | 酒井優太郎 | 松本工業 | 1 | 1分16秒121 |
5位 | 山口 太聞 | 松本工業 | 1 | 1分16秒373 |
6位 | 塩澤 武留 | 飯田風越 | 2 | 1分16秒935 |
7位 | 片田 啓太 | 松本工業 | 1 | 1分18秒574 |
8位 | 児玉 空大 | 上田千曲 | 1 | 1分 18秒585 |
9位 | 湯澤 瑚楠 | 駒ヶ根工業 | 1 | 1分20秒214 |
10位 | 横林 海斗 | 松本工業 | 1 | 1分20秒216 |
11位 | 寺島 京那 | 長野工業 | 1 | 1分22秒413 |
12位 | 原 楓人 | 飯田OIDE長姫 | 1 | 1分34秒169 |
今大会3種目全てで表彰台独占を狙った松本工業の独走を止めた黒澤響冴(飯田OIDE長姫)
夏のインターハイ長野県大会はロードのみの出場だったが、以降トラック競技を開始
今大会では走りの力強さが印象に残った。来月のロードでも期待の1年生。
高校生男子3km個人追抜き
順位 | 氏名 | 学校 | 学年 | タイム |
優勝 | 小松 篤史 | 松本工業 | 2 | 3分53秒009 |
2位 | 山口 太聞 | 松本工業 | 1 | 3分57秒925 |
3位 | 上里 翔瑛 | 松本工業 | 1 | 3分59秒285 |
4位 | 黒澤 響冴 | 飯田OIDE長姫 | 1 | 4分03秒210 |
5位 | 酒井優太郎 | 松本工業 | 1 | 4分06秒107 |
6位 | 片田 啓太 | 松本工業 | 1 | 4分10秒383 |
7位 | 横林 海斗 | 松本工業 | 1 | 4分10秒681 |
8位 | 湯澤 瑚楠 | 駒ヶ根工業 | 1 | 4分15秒246 |
9位 | 児玉 空大 | 上田千曲 | 1 | 4分24秒110 |
10位 | 寺島 京那 | 長野工業 | 1 | 4分35秒619 |
11位 | 原 楓人 | 飯田OIDE長姫 | 1 | 5分19秒690 |
今大会最後の種目となる3㎞個人追抜きでも堂々たる走りを見せ
秋季大会3冠を達成した小松篤史(松本工業)
女子500mタイムトライアル
順位 | 氏名 | 学校 | 学年 | タイム |
優勝 | 平山なつみ | 松本工業 | 2 | 43秒968 |
県内唯一の女子高校選手の平山なつみ(松本工業)は
前々週から特に念入りに練習を行い課題に挙げていたスタートで
トラブルに見舞われるものの再発走では力走を見せた。
女子2km個人追抜き
順位 | 氏名 | 学校 | 学年 | タイム |
優勝 | 平山なつみ | 松本工業 | 2 | 3分09秒761 |
今回は中学生大会と併催となり綱嶋選手と同走となった平山なつみ(松本工)
県内では女子高校選手が1名しかいないため同走者と走れる貴重な機会となった。
大会レポート
〔新しい様式での大会開催〕
今大会は、初開催となる中学生大会と併催となった。
普段「美鈴湖自転車学校」や「県中高生合同練習会」で
共に練習を行う中学生が共に大会に出ているということで
中高生共に意識しあう相乗効果を感じた。
高校生にとって「下の子」がいるということは
年長者がいることよりも意味が大きく、
一方で中学生にとっても今後の目標が目の前にいることは
とても意味あることで、来秋も状況が許されるようであれば
中学生の大会も継続的に続けて行きたい。
〔小松選手三冠の裏で〕
今大会で三冠を果たした小松篤史選手(松本工)は
昨秋のこの新人戦で1年生ながら自身初の200m長野県王者となり
そこから一気に才能を開花させ、今や押しも押されもしない
長野県高校自転車界のエースとして堂々たる走りを見せた。
一方で、今年10人以上新たに加わった1年生には非常に物足りなさを感じた。
特に夏以降の1年生の練習している姿を見ていると、小松選手とは
「目的意識」「練習の質」「練習量」どれをとっても遠く及ばず
その結果が大会の結果にダイレクトに表れた結果となった。
2019年の全日本ロードTTに長野県の中学生代表として出場した寺島京那(長野工業)
1年以上自転車から離れていたが、夏以降再び自転車に復帰
かつて宮澤崇史が所属した長野工業自転車部再興を担う
〔引退した3年生達の大会協力〕
当サイトでは、一昨年の新人戦から引退した3年生達に
引退後も継続的に後輩を指導して欲しいというリクエストを出したが
今年も大会に引退した3年生が駆け付け、レース運営の補助を務める傍ら
後輩達に細かい指導をしている姿を見受けられた。
特に小山大登(エクセラン高)中島壮流(松商学園)は
共に「一人部活」でありながら、献身的に補助員を勤めている姿が印象的だった。
また加科爽人(松本工)も、後輩達の機材交換などを行い
前主将としてチームに貢献している姿も印象的だった。
〔OB達の大会協力〕
昨年引退したOBの柴田晃宏(飯田風越出)や平田開人(松本工出)
一昨年のOBの山浦秀明(松本工出)榊山来実(飯田風越出)等も
会場で後輩を見守りながら雑用をこなしている辺りにも
若いOB達の長野県自転車界への理解・貢献度の高さが伺え
新しい時代の到来を感じさせる。
〔春のセンバツへ…〕
まだロードレースが残っている状態なので予想は難しいが
トラック競技を終えた現状では、小松選手以外の出場はなかなか難しいところか?
出場は高校野球同様に「センバツ」なので他県とのタイム・獲得ポイントも
含めた兼ね合いとなるが、1年生の経験が絶対的に足りなく
特に「競争系種目」で出場権を得た場合も含め
年内の競技場が使えるうちに対策が必要か…
これは自転車学校にとっても今後の課題となる。
〔トラック競技を終えて〕
今回は例年のように、選手が出走時間に現れない、
自転車の整備不足で故障が多発、ゼッケンをつけ忘れる
スタートラインが解らない、そもそもゴールラインがどこか解らない…
と言った最低限のルールさえ守れないような初歩的な問題は無かった。
スタート時のペダル外れなど「アピールプレー」もあり
こうした点では大きな進歩を感じた。
総じて大きな事故無く円滑に進み非常に良い大会となった。
〔ロードレース展望〕
気になる11月3日のロードレースだが、生坂村はアップダウンがあるものの
ここでも自力だけならスプリンターである小松(松本工)が優勝候補に思われる。
ただ、夏のインターハイ長野予選でも一旦を垣間見たが、
最大の部員数を誇る松本工が組織的に動けるか?は
非常に微妙なところで、先ずは1年生に「弱虫ペダル」でも読んでもらい
ロードレースとはどういうモノなのか?少し考えて欲しい。
あの平坦基調の「野沢温泉のコース」でWスプリンターを揃えた松本工6人に対し
小山・中島という対抗の2名がクライマー。絶対有利な条件でなぜ勝てなかったのか?
自転車だけで無く、サッカーでもバスケでも、アイスホッケーでも
「7人vs1人」で負けるということは本当に異常なことだと理解出来ないと
この先もし大学や実業団でもロードレースで自転車を続けるならば非常に厳しい。
よしんば秋の大会で勝てたとしても、その先が全くない。
野球等と違い、自転車はプレー中にタイムをかけて監督の指示を聞きに行くことは出来ない。
自分達がしっかり戦術や意識を共有し、その場その場で各自が判断・決断して動ける力、
考える力を選手達には求めたい。
注目選手として、このトラック競技で唯一松本工を止めた黒澤響冴(飯田OIDE長姫)が
夏に比べて格段に走りに力強さと速さが出て来た。秋の大会でどの程度走れるか?
来年への大きな試金石となる。また初出場となる依田健司(東御清翔)と
小松颯太(岡谷工)にも期待したい。
エキシビジョンとしてスクラッチの模擬レースを行いスタート位置につく選手達
ということで
高校新人戦の全結果でした。
毎年何かと問題があり
審判長のカミナリが落ちる同大会ですが
今年は選手達の意識も高く
円滑にレースが行われたと思います。
また、そうした問題が起きないように
上級生や各校OB達がしっかり
後輩達を指導していた点も非常に
評価が出来ると思います。
こうしたコロナで難しい中でも
大会を運営して下さった
高体連自転車専門員の先生方
審判・競技役員・補助員の皆様には
心より御礼を申し上げます。
大会はいよいよ来月のロードで
高校自転車年内最後の大会となります。
引き続き、県高校サイクリストに
温かい御声援のほど宜しくお願い申し上げます。