もくじ
〔告知〕「UCI競技規則改正」【2023年1月改正】
本日1月10日、JCF(日本自転車競技連盟)より
2023年1月1日改正の『UCI国際自転車競技規則改正』の
お知らせならびに、改正点の解説が発表されました。今回の改正については
主にロード・トラック・シクロ各競技における
「車体の寸法に関する」部分が多くを占められています。
今回の改訂につきましては、選手・チーム関係者の皆さんは勿論のこと
選手に自転車を販売する、県内各地の自転車店の皆さんにも
是非ご確認いただけますようお願い申し上げます。
また、必ず今回の「ルール改正通達・解説」の原文〔PDF/JCF公式〕をご覧ください。
UCI 規則の説明と、国内での規則運用について
UCI より 2023 年 1 月 1 日発効の競技規則が既に発表されております。特にロード・トラック・シクロクロスの自転車寸法について注意を要する変更があります。本連盟競技規則第 1 条において『この競技規則は,国際自転車競技連合(以下 UCI という)の定款および諸規則を規範として制定する.これら規則に変更のあった場合には,準拠して改訂する.(以下略)』と規定されており、これらの変更は原則として 2023 年 1 月 1 日より日本国内カレンダー大会についても自動的に適用されることとなります。
しかしながら、本連盟競技規則印刷版の改定には一定の時間と要するため、UCI 競技規則、UCI 技術規則の明確化ガイド(以下、明確化ガイド)、UCI News Letter(以下、ニュースレター)で改訂されている代表的な規則について説明し、各競技大会において新たな規則へのスムーズな移行を目的として周知いたします。なお、ここに記された事項は規則の適用を円滑にするための記述であり、実際の規則の適用については、規則原文に基づき、現場の審判の判断に従って下さい。
・参考リンク
UCI Regulations(英語) Regulations | UCI
UCI 技術規則の明確化ガイド(英語:UCI Equipment 内) Equipment | UCI
UCI News Letter 2022 年 6 月特別号 UCI Newsletter #108 – Special Edition – Regulation Changes
UCI News Letter 2022 年 8 月号 UCI Newsletter #111 – August 2022
UCI News Letter 2022 年 11 月号 UCI Newsletter #115 – November 2022
〔JCF公式通達〕
自転車本体について
2.自転車(JCF 競技規則第 42 条)
2-1.自転車の最大幅
自転車の最大幅は 50cm として規定されておりそれに変更はありませんが、
明確化ガイドにおいてハンドル幅の最小幅の規定が追加されました。
伝統的ハンドルバー:最小幅 350mm(ロードイベント)
ベースバー:最小幅 350mm(ロード、トラックイベント)
※幅の計測基準はハンドルの外側から外側
※ベースバー・・・ブルホーンバー等のハンドルバーコクピットのハンドル部分
2-2.サドルの後退幅
サドルの先端部の、ボトムブラケット軸を通る垂線を基準とする後退幅の制限は変更ありませんが(原
則最低 50mm の後退)、前方へ出す場合にあった身体的理由という言葉が削除されました。
後述のタイムトライアル/パーシュートにおいてハンドルバーエクステンションを使用する場合に、
寸法制限を免除したい際は、①サドルを前方に出すか、②エクステンションを前方に出すか、どちらかを
競技者が身体的理由に関わらず選択することとなります。
2-3.ハンドルバーの位置(伝統的ハンドルバー、ベースバー)
ハンドルバーの前方への距離の制限が、種目に関わらず前車軸を通る垂線から前方に 100mm 以内へと
拡大されました。タイムトライアル用のベースバーの位置は、伝統的ハンドルバーと同様に下図の線 ABCD
に囲まれた範囲内にある必要があります。(ハンドルバーエクステンションは含まれません)
2-4.ハンドルバーエクステンションの位置
タイムトライアル/パーシュートにおける、ハンドルバーエクステンションの前方への拡大可能な範
囲および、前腕サポートからの上下の高さが、競技者の身長により 3 つのパターンに分かれます。
※前方距離の基本の制限 750mm は変わりません。
○カテゴリ 1 身長 180cm 未満の競技者
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UCI 競技規則では、カテゴリ 2 および 3 の競技者は、自らのカテゴリを示すために身長証明書を提出す
る必要があります。国内での運用においては大会の規模に応じて、バイクチェック時に申請・身長を測定
する等を検討ください。
先の2-2で述べた通り、上記のハンドルバーエクステンションの前方への拡大はサドルの後退幅を50mm
以上とした場合にのみ可能です。サドル後退幅が 50mm より小さい場合は、前方の距離は競技者の身長に
関わらず 750mm に制限されます。
ハンドルバーエクステンションの、ボトムブラケット軸の垂線からの前方距離と、前腕サポートから
の上下の高さの測定は、以前より明確化ガイドで説明されている通り、変速レバー等を含めた最先端部
が基準となります。
ヘルメットについて
ヘルメット(JCF 競技規則第 50 条)
ロードおよびトラックイベントにおけるヘルメットについて、
以下の寸法制限が新たに設けられました。
今後のエアロ効果を狙ったヘルメットのフルフェイス化を防ぐためです。
(ニュースレター2022 年 6 月スペシャルエディションの競技規則変更理由より)
・全長 450mm 以内
・全幅 300mm 以内
・全高 210mm 以内
※付属品を含む
なお、2023 年 1 月 1 日以前に販売されているモデルには適用されません。
これはどちらかというと、メーカー側に対する部分が多い
〔クリックすると大きくなります〕
ゼッケン・ナンバーカードについて
ゼッケン・ナンバーカード(JCF 競技規則第 56 条)
ニュースレター2022 年 11 月号にて、ジャージ/スキンスーツに取り付けられたゼッケンを入れるポケ
ットの使用についてガイドラインが示されました。ポケット使用によるゼッケンの視認性低下について
レース関係者でしばしば問題になり、テスト的に 2023 シーズンにおいては集団種目についてはポケット
の使用を認めず、個人種目においてのみ使用可能との見解となりました。
国内においては各競技大会の特別規則・審判員の指示にしたがってください。
最近多くなったジャージのゼッケンポケットについては
テスト的に集団レース(競走系種目)では使用禁止。
個人レース(計測系種目)では使用可能とのこと
ただし、テスト期間であるため国内各大会では
出場する大会の見解・裁量に寄るので必ず大会規定を参考のこと!
(2018年コモンウエルズゲーム遠征より)
ジュニアギアについてについて
ロード競技におけるジュニア競技者のギアレシオ制限(JCF 競技規則第 77 条)
2023 年 1 月 1 日以降、ジュニア(U19)競技者のギアレシオ制限が削除されました。
最近の機材では最大 7.93m のギアレシオを達成する機材が入手しにくいこと、
および、ギアレシオ制限の一つの理由であった過負荷による身体への影響が
最近の研究によりすでに有効な理由ではないとなったためです。
(ニュースレター2022 年 6 月スペシャルエディションの競技規則変更理由より)
なお、ジュニア競技者よりさらに低年齢のカテゴリにおいては国内連盟の競技規則により規定されます。
JCF 競技規則で規定される U17、15 および U13 競技者のギアレシオ制限は
現時点では特段の変更の予定は無く、2023 年 1 月 1 日以降も従前の制限値が継続されます。
ただし、実態として機材の調達が容易ではないことが予想されることから、各競技大会においては
変速機構の調整等による使用ギアレシオ制限を認めることとします。
※高体連にの来年度シーズンの情報は暫くお待ちください。
ロードのギア比制限について
〔クリックすると大きくなります〕
その他
トラック競技・200m フライングタイムトライアルスタート時の過度なプッシュの禁止
ニュースレター2022 年 8 月号にて
200m フライングタイムトライアル(スプリント予選)のスタート時に
ホルダーが競技者を過度に押し出すことを禁止するガイドラインが発表されました。
最近スタート時に第3 コーナー付近まで押し出すことがあり
計測を終了した競技者とホルダーが交錯する可能性が高まったため
その危険を回避するためです。
原則として(250m 走路において)バックストレートの入口からスタートし、
パーシュートラインを越える前に選手を離します。
押し出す行為は安全地帯上のみで行います。これは審判員により指示され、
従わない場合は審判員によりペナルティが与えられます。
これは 250m 走路を想定したものですが、333m 以上の走路においても同様の危険が見込まれる場合は、
審判員は上記の指示を行う可能性があります。
1周250mか?333mか?競技場によって少し変わって来るかと思うのですが
オリンピックの時に現場にいて思ったのですが、250mバンクで
第3コーナー付近まで押し込むコーチって確かにいて
練習時も含めて試技が終わった選手が緩衝地帯を走って来る時に
非常に危ないというのを感じてました。
この件に関しては規則うんぬんも去ることながら
全ての人にとって「安全第一」でお願いしたいと思います。
この図のように赤バン(安全地帯から)のみとなるようですので
大きな大会でホルダー役員を務める
補助員の皆さんも安全第一でお願いしたいと思います。
シーズン前にあわせて読んで!
ということで、国際ルール変更のお知らせでした。
先週のNATS(全豪選手権)でも適応となったみたいで
少し話題になっていましたが…
The road race national champion had her TT bike inspected today.
She’ll need to change her set-up if @Brodie_Mai wants to do the double 😬#RoadNats23 pic.twitter.com/teT0XTiyXE
— AusCycling (@AusCyclingAus) January 9, 2023
当座、日本国内についてですが
いわゆる「移行期間」「テスト導入」が
あるものも存在するので
そのルールの運用には、役員・選手共に
暫く弾力性を持っての対応が必要となるかと思います。
それ故に、選手の皆さんは出場する大会毎に
要項・レギュレーション・テクニカルガイドを
必ず確認してください。
毎回言っていることですが
選手・指導者・チーム関係者は
ルール改正については必ずご確認下さい。
また県内のスポーツ自転車販売店の皆様にも
改めまして、自転車競技車両について
ご周知いただき、特にKids選手・ユース選手の
保護者の皆さんへの機材説明等も
重ねてお願い申し上げます。
JCF、この審判委員会からの通達の日付は12月になっています。
もう1月の最初の週にシクロの大会を行ったところもあります。
出来得るのであれば告知は昨年末ないし、今年最初の段階で…
〔自転車競技規則無料ダウンロード〕
関連LINK
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