〔プレビュー〕国体・インターハイ予選「2021 長野県大会ロードレース」大会展望。
本年度の国体・インターハイの長野県予選となる
2021長野県大会ロードレス大会が
明日6月5日(土)に、今年は野沢温泉オリンピックスポーツパークで開催される。
既に先週はトラック競技の予選会が終わり、
このロード大会の成績を加味したうえで本年度の
長野県自転車競技強化選手ならびに
長野県代表選手の選考が行われる。
なお、本年度は現在のロードレースU-23日本代表が2名出場するほか
現役の競輪選手、来年のワールドマスターズ出場予定選手と
少年の部15名、成年の部14名が出場する。
少年の部レース展望
クラスA少年 10:00 ~ <1周 0.9Km×40周 = 36.0Km>
野沢温泉オリンピックスポーツパーク
〔概要〕
昨年は新型コロナのため中止となったこの大会。例年、優勝者にはインターハイ長野県代表の「1枠」が与えられる他、成績優秀者は再来週のインターハイ最終予選にあたる北信越大会への進出がかかる非常に重要な大会となる。
一昨年の大会では、それまで「秋」「夏」「秋」と三期連続優勝中の絶対王者「飯田風越」に対して、現在シクロクロスU-23日本王者の鈴木来人(伊那北高)が僅差で、現在ロードU-23日本代表で早稲田大学2年の山田拓海(飯田風越高)を破り初の長野県高校ロード王者となった。
〔コース紹介〕
今大会、本来は久しぶりに木祖村の「味噌川ダム周回コース」で開催される予定だったが、コロナの影響で木祖村での開催が中止となった。代替地となった野沢温泉オリンピックスポーツパークは、3年前までの秋の高校新人戦が行われていた「長野五輪バイアスロン」の会場で、アップダウンが多い味噌川くパンチャー向けなコースとは対照的に、一般的にはコースのほぼ全てが平坦なスプリンター有利なコースとなる。3年前の秋の新人戦では、現在、明星大学で活躍する青島冬弥(飯田風越高)が、前筆の山田拓海と共に飯田風越のチーム力を見せつけ優勝を果たしている。
〔注目選手〕
今大会の注目選手は、昨年秋の新人戦で優勝し、今年の春のセンバツに出場した長野県高校中長距離のエースである中島壮琉(松商学園3年)が自力から言えば優勝候補筆頭となる。それに対抗するのは、現在の高校長野県自転車界で最も登りを得意とする小山大登(エクセラン高3年)の一騎打ちとなるかに思われるが、この両名はどちらも登坂を得意とするクライマーであり、その登りが今大会は殆ど無いことで、スプリンター達にも優勝のチャンスが訪れた。
スプリンターの中でも注目は、先週のトラック競技で活躍「Wエーススプリンター」を抱える名門「松本工業」で、春のセンバツ・スクラッチ競技で決勝へ進出した加科爽人キャプテン(松本工3年)と、この春に急成長を見せ1㎞でインターハイ入賞が狙えるタイムを持つ小松篤史(松本工2年)の二枚看板にとっては、非常に有利なコースレイアウトとなった。チームとして、2名のスプリンターを下級生達を中心にどう守って行くか注目される。とりわけ今年は新入生が6名加入し必然的に数的有利な状況が作られる。上里・酒井・片田・横林・山口・藤松の1年生6人をどう使ってマツコウ有利のレースを展開を構築して行くか?加科主将のレースマネージメントも注目される。
その他、単騎出走となるのは昨秋の新人戦5位でボンシャンスKids出身の塩澤武留(飯田風越2年生)。また、平成20年に等々力久成を擁してスプリントでインターハイ・国体のW制覇を果たした古豪岡谷工業から小松颯太(岡谷工業1年)、今年の全国定時制インターハイ・トラック競技で優勝を目指す児玉空広(上田千曲1年)、今年の実業団東日本ロードクラシックユースに出場した黒澤響冴(飯田OIDE長姫1年)などが初出場となる。また、唯一の女子選手である平山なつみ(松本工業2年)は北信越大会に向けて単独出走となる。
〔レース展望〕
今大会は、ほぼ平坦のためにスプリンター有利が予想される。既に前筆しているが、全国クラスの二枚看板を誇る松本工業は、6名の新入生と共に数的有利もありこの大会で是が非でもインターハイの出場枠を獲得したい。そのためには、必然的にレース終盤までWエースをいかに温存させる戦い方がセオリーとなる。仮に、最終局面まで団子状態になりスプリント勝負に持ち込めれば、強力なスプリンターが2名いる松本工業の有利は動かしがたく、マツコウはチームとして、序盤からこの展開に持ち込んで行く戦い方が予想される。その為に、マツコウは序盤から徹頭徹尾Wエースを守るか?もしくは、1年生の走れる3名を「逃がし」先制攻撃を仕掛けるか?その戦い方が注目される。
一方で、選手個々の持久力という意味では、エクセラン高校の小山に「強さ」と「しぶとさ」を感じる。同じくクライマーの松商学園の中島と共に、序盤いかにマツコウの1年生達の守りを崩しつつ、終盤でいかにWスプリンターの脚を疲弊させ、いち早く抜け出す展開に持ち込めるか?そのために、序盤・中盤までにどんな戦術を仕掛けて行くか?注目される。
また、中島・小山始め単騎出場者が勝利するためには、他の単騎出場の選手の動向も鍵となる。塩澤・小松・児玉・黒澤の4名のうち誰かが積極的に「逃げ」を打つようであれば、レースは序盤から活性化し、小山・中島にとっては望ましい展開?となり、一方で単騎勢の多くがマツコウと一緒に終盤勝負を望むようであれば今度はマツコウにとっては望ましい展開となる。明日のレースでは各選手の思惑が交錯するインターハイに向けて重要な一戦となる。
ここへ来て、本当に成長が著しいマツコウのWスプリンター(加科・小松)に
他の選手がどう挑むか?非常に注目が集まる。
成年の部レース展望
クラスA成年 12:30 ~ <70分+5周回>
野沢温泉オリンピックスポーツパーク
〔概要〕
少年の部同様に、昨年はコロナの大会で中止となった成年の部だが、例年は長野県大会は各実業団・大学チームでの活動が優先され、その実績を基に代表選考される年もあったが、今年は久しぶりに14名の選手が直接対決を行う。国体本選のロードレース枠は全国各県共通で「2」で、一昨年のロードでは、現在U-23日本代表の小出樹(京産大)と、2017年の北信越高校ロード王者の中村吉伸(日本大)が長野県代表として出場した。今年は国体・全国都道府県大会の他に、秋には長野県で中部八県対抗自転車競技選手権の開催も予定されており、今大会での活躍が長野県強化選手・代表選手の重要な選考の場となる。
〔コース紹介〕
コース自体は少年の部と同じく、野沢温泉オリンピックスポーツパークだが、成年は70分+5周回と、距離もさることながらレース時間が長くなる。この中で各選手がどんなパフォーマンスを見せるか?非常に注目が集まる。
〔注目選手〕
今大会の注目選手は、なんといっても現在のU-23日本代表の小出樹(京産大4年/松本工出)と、山田拓海(早大2年/飯田風越出)の2名があげられる。この2名は先日のTour of JAPANでも積極的に「逃げ」を見せるなど現在の日本自転車界において将来を嘱望される選手でもある。まず先に特筆したいのが、この春に競輪学校を卒業して先日のルーキーリーグで競輪選手デビューを果たした堀江省吾(無所属/信州大出)で、覚えている範囲で2019年の春の大学神宮クリテ以来久々のロードレース出場となりプロとなった堀江選手がどんな走りをするのか?個人的にも非常に注目したい選手の一人。
クラブチーム勢は、県下最大のクラブ「イナーメ信濃山形」から国体出場10回目を狙って、先週のトラック競技で好調だった北澤竜太郎、同じく長野県代表としてここ数年活躍した増田遼馬・渡邊鈴を始め、マスターズ個人追い抜きの日本王者でもある岩佐信吾や、同じく春からトラック競技で活躍する岩下直樹など、イナーメ勢はこの時期既に全員が非常に好調かつ「走れているイメージ」があり、各選手がどんなレースを見せてくれるか?注目される。
その他、市民レースから「ツールドおきなわ」で優勝経験もある藤井壮太(東洋水産ロードレース部)も出場。一昨年の菜の花飯山ロードでしか実際の走りを見ていないので、どんな走りをするのか個人的にも注目したい。
大学勢では、前筆の小出・山田に加えて山浦秀明(松本大2年)・青島冬弥(明星大2年/飯田風越出)と、ここ数年の長野県高校代表を牽引したメンバーがエントリーした。特に昨年コロナの影響で学連のレースに殆ど出場することが出来なかった山浦秀明は、松本トラック・長野県大会トラック競技と非常に士気も高くロードでも存在感を示したい。
長野県が誇るマスターズカテゴリーも混走となる。注目はもちろんワールドマスターズ出場が予定されている、県最年長トラック競技選手の小林英樹(COGS)と、同チームで今年からトラック競技でも活躍する中村秀典(COGS)の両選手。加えて、MTBでも活躍する村田隆(テクニカルパートナーサイクリングチーム)がエントリー。ベテラン選手の活躍にも期待したい。
〔レース展望〕
もちろんU-23日本代表の2名を軸にレースが展開されて行くことは間違いないのだが、どんなレース展開になるかは?非常に予測が難しい。小出・山田と共に「逃げ」を得意とする選手だけに、この二人が積極的に逃げた場合、もはや誰がこの二人の「逃げ」に飛び乗り我慢くらべを制するか?そんなレースも予測される。また、注目の競輪・堀江プロも信州大学時代は学連ロードレース2部を走る実力者であり、7月の一般戦デビューを控えてのプレシーズンレースという意味でも序盤から負荷の高い走りで一気に集団から逃げることも予想される。
唯一チームでの出場となる好調イナーメ勢、チームとして動くとまたレース展開が大きく変わることもあり、明日のレースはこの非常にユニークな顔ぶれとなった選手達がどんな走りをするのか?非常に楽しみなレースとなる。
長野県代表として2018年の福井国体では5位入賞を果たした小出樹(京産大)
女子の部レース展望
クラスA少年 10:00 ~ <1周 0.9Km×40周 = 36.0Km>
野沢温泉オリンピックスポーツパーク
〔概要〕
国体・インターハイを含めて女子の出場は1名、松本工2年の平山なつみの単独出場となる。2019年から国体の正式種目となった女子ロードレース。各県の出場枠は「1枠」で例年であればほぼ国体の出場は確定的となるが、インターハイ女子の出場は北信越他地域との兼ね合いになるために、再来週行われるインターハイ最終予選「北信越高校総体」の結果次第となる。先ずは今大会しっかりと男子選手のあとを追い強度の高いレースを期待したい。
女子唯一のエントリーとなった平山なつみ(松本工2年)
以上が、今年の長野県大会ロードの
プレビューです。
一つ謝らなければいけないのは
とにかく、いま物凄く忙しくて
ホームページがかなり疎かです。
オリパラを前に色々なごちゃごちゃの他
こういう状況なので色々と
取材なんかも結構多くて手一杯です。
そんな中で取材殆ど断ってしまって申し訳ありません。
本当は自転車界の為に自分も受けるべきなのでしょうが
とにかく、忙しくて無理です…
残念ながら1日はどやっても27時間しかありません…
あと、自転車学校も含めて
メール沢山いただいているのですが
明日の夜以降に徐々にお返事します。
とにかく寝る間を削って追々やってます。
本当に一つ一つが「雑」になってしまい
申し訳ありませんが宜しくお願いします。
明日の大会、個人的にも非常に楽しみにしています!
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