〔レポート〕駅前レンタサイクルの旅!広島県呉市で「この世界の片隅に」のロケ地を走る。

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

〔レポート〕駅前レンタサイクルの旅!広島県呉市で「この世界の片隅に」のロケ地を走る。

 

 今年は2週間も早くシーズンオフとなった為、全日本選手権の帰りに広島県呉市にて駅前レンタサイクルの旅を行ってきました。で、今回のテーマは「自転車×聖地巡礼」ですね。普段は映画を見ることなんて無いのですが、たまたま聞いていたラジオ番組でライムスター宇多丸氏が「この世界の片隅に」と云うアニメ映画を激賞していた訳です(ここでそのラジオ聞けます。)。普段辛口の同氏が激賞していることに興味を持ってわざわざ長野市の千石劇場まで観に行ったんですよ。で!とにかくこの物語に惚れたと言う訳です。

同じ年に長野県出身の映画監督が「君の名は」と云うヒットを出したんだから長野県民としてそっちの聖地巡礼をすべきなんでしょうが、どうしても聖地巡礼したいと言うのは呉でした。そんな訳で半日に満たない旅でしたが興味のある方はご覧ください。

 

 

 

この世界の片隅にのロケ地「呉」を巡る。

 

 

まふゆと云ふのに

なまあたゝかい風が吹いてゐて

時をり海の匂ひも運んできて…
(映画この世界の片隅に挿入歌「みぎてのうた」より)

 

 

そんな冬の暖かい日に海風に揺られながら電車で「呉」を目指します。

 

広島から在来線でおよそ30分ほどで軍港「呉」に到着。

 

駅を降りると改札のところに大きな看板が…

 

呉と云えば何と言っても「大和ミュージアム」だが…
最近は映画の大ヒットでこの世界の片隅にファンが多いのだとか。

 

観光案内所に行ったら「この世界の片隅に」の市街地案内とかは
既に配布が終了してしまって無いとのこと…
一応、スタンプラリーはやってるけど火曜日なので市の施設が全部休みとのこと…
おとなしく駅前のレンタサイクルに向かう。

 

駅前で恐ろしく前上がりのサドルの自転車を借りる3時間300円(確か)。

 

駅前を出発するとお馴染みの青線「しまなみ海道ブルーライン!」
この青ラインをたどればしまなみ海道へ通じる⁉

 

昨日の松山市もそうだったけど、広島県も凄いねぇ…
大通りでは自転車が通る場所をしっかり示している。

 

 

ここからこの自転車旅の最大の試練が始まる。

 

 

 

レンタル自転車変速機が無いうえに、呉と云う町は凄い海岸段丘!

全く自転車に乗らなくなって息絶え絶えで坂を上る自分を横目に

電動アシスト付き自転車のお婆さんが涼しい顔で自分を追い抜いて行く…

 

 

いま気付いた! 電動アシスト自転車は偉大だ!!

 

 

そんな訳で原作に登場する巨大煙突「三宅酒造」に到着。

 

正直、この段階では地図もパンフレットも無いので
どこに何があるのか全く分からないがとりあえず
スタンプラリーのスタンプ設置場に到着。

 

とりあえず三宅酒造さんのブランド「千福」のソフトを食べながら作戦会議。
因みにこのソフト吟醸香がして非常に美味しかった!

 

とりあえずここに「この世界の片隅にMap」があったのでこれを
断りをいれて写メ!このマップがこの旅のお供となる。

 

続いて主人公すずさんと遊女の白木リンさんが出会う朝日遊郭跡地に向かうが
呉空襲で全てが焼き尽くされており当時を偲ぶものは無く
地形から想いを馳せるのみだった…

 

原作にも映画にも登場する「旧澤原家住宅 三ツ蔵」に向かうものの迷子になる。
(実はこの左の白壁がそうなのだが初めてなので全然気付かず通過)

 

あまりの劇坂で自転車を降りて上に向かう、住宅街を不審者が…
本当に申し訳無いことをした。

 

この旅で初めて灰ヶ峰を仰ぐ。恐らく主人公のすずさんの家はあの麓あたり…

 

 

この聖地巡礼でも最も人気のある「旧澤原家住宅 三ツ蔵」に散々迷って到着。

 

お昼はたまたま前を通りかかった「呉龍」さんで!
自分は知らなかったがこのお店は呉冷麺の名店だそう…

 

恥ずかしながら「呉冷麺」を知らなかった!
冷やし中華とも平壌冷麺とも違う呉独自の冷麺!
とてもおいしかった~!

 

続いてはスタンプラリー設置所「鶴岡一人記念スポーツ会館」に到着。

 

野球ファンにはお馴染みの南海ホークスのシンボル鶴岡一人氏の功績を称えるミュージアム。

 

氏の有名過ぎる名言「グラゼニ」。野村克也氏の師匠でもある…

 

そして、商店街に来ると面白い光景が!
商店街の中央を車両通行可として
両サイドを歩行者専用通路にしてあった。
この棲み分けは、全国のアーケード街でも珍しいのでは無いか?

 

放置自転車対策も万全で、1台1台仕切りがついている。

 

旧海軍の軍用艦で飲まれていたコーヒーを再現した
昴珈琲店さんにてお土産のコーヒーを買う。
お姉さんが凄く丁寧に豆のひき方の粗さまで対応してくれた。

 

ポートモレスビーといえば大東亜戦争で旧日本軍が激戦を繰り広げた土地…
畏敬の念を込めて頂きます。

 

個人的にこの映画の中でも特に印象的だった「小春橋」でのシーン。
主人公のすずさんの旦那さん周作さんが、すずさんに語り掛ける
過ぎたこと、選ばなかった道、みな覚めた夢とかわらないな…
そんなセリフを呟いてみる。

 

この橋に立つと不思議なことに、劇中挿入歌のこの曲が頭を過る。
儚くて、切なくて、それでいて何とも優しい曲に
当時ここに住んでいた人達の息吹と、惨禍。そして流れた時の長さを感じる。

 

商店街をだらだら流してたら良さそうなお店を発見して入る
田舎洋食「いせ屋」さん。呉名物の海軍カレーを出してくれるそう…

 

このカレー凄く美味しかった。名物海軍カレーと言っても普段我々が不通に食べる
現代のカレーのようなものが多い中で、店の先代が旧海軍のコックさんで
その海軍時代のレシピを再現したという昔のカレー
しっかりとカレー粉を炒ってあって本当に昔の味がした。
ここまで来て「都内の高級ホテル風のカレー」出されてもねぇ…
肉じゃがの生まれは諸説あるが
この際、肉じゃがも呉発祥でいいんじゃない(笑)
甘辛くて素朴で、何ともあか抜けないが、懐かしい味…

 

最後に訪れたのは海上自衛隊呉集会所エリア
2019年12月20日に続編が上映されるためそのプロモーションが行われていた。

 

そこには、監督の片渕須直監督と原作のこうの史代氏の
直筆メッセージが書かれていた。
(クリックすると大きくなります)

 

旅も終盤になってこのMAPを発見!

 

このエリアには主人公すずさんの案内板が沢山あった。

 

すずさん手書きの案内板…

 

最後に訪れたのは、すずさんがお義父さんのお見舞に姪の晴美さんを連れて上った海軍病院の階段。

 

お土産に買った呉名物のメロンパン!とてもおいしかった!!

 

こうして呉の旅を終えました。宿に帰ってふと平和記念公園を訪れたくなって
ふらりと訪れてみました…
すると、ふとこの映画のエンディングの曲のフレーズが頭を過りました。

 

 

 

あなたにはこの世界 どんな風に見えますか?

 

 

 

それはこれを読んでくれている人に委ねたいと思います。
と言うことで、駅前レンタサイクルの旅 広島呉編

 

 

 

 

 

呉とサイクルツーリズム

 

 さて、今回は呉に行ってきた訳ですが

市の方から地元の方まで色々と話を聞いてきました。

呉は自分自身、初めての訪問と云う訳で全く予備知識が無かったので

その観光案内の情報量の無さに驚きました!

長野の場合、例えば大河ドラマがあるたびに山の奥の奥の城まで

のぼりが立って、それが何年も回収されずにボロボロになって

結局は地元の人が片付ける… これはまぁ良くある話だと思います。

こうした観光プロモーションに対して長野はやりすぎ!のイメージがあるのですが

逆に呉はやらなさすぎ!と言う印象を持ちました。

ところが、話を聞くとやはり呉と云う所は地元の方の気質もあるのかも知れませんが

やはりここを戦争の惨禍が襲い、多くの方が犠牲になった…

そんな歴史も少なからずあるのかも知れません。

興味深かったのは、主人公すずさんの家(現実には無い)付近は

実際の住宅地域でありそこへの観光客の立ち入りを遠慮して欲しいと

訴えていたことです。

既に、「観光公害」と「オーバーツーリズム」に関しては

このサイトで語っていると思いますが

今や1億総サイクルツーリズムの時代です。

そんな中で、過度になり過ぎない対応をすると云う

自治体があっても良いのかな?と思います。

最も、これは自分の印象であって

市の見解は違うのかも知れませんが…

ともあれ、初めて訪れた呉市は

とても静かで、海が太陽の光に照らされキラキラと光る

とても素敵な街でした。

 

 

映画も去ることながら原作がおススメ是非読んでみて下さい。

 

実は一昨年のTOJの帰りにこの世界の片隅にの原画展に行くくらい影響を受けた。

 

 

映画「この世界の片隅に」

 

 これを語ると、かなり長くなるので

熱く語っている町山智浩氏岡田斗司夫氏にお任せするとして

正直、自分はこの映画を見て「ん?」と思いました。

何か話しの辻褄が合わないところが幾つかある。

何か評論家が絶賛しているけど、俺は意味不明だと…

そこで原作を取り寄せて読んでみて、衝撃の事実を知ることに!

なんでこんな重要なことが映画に描かれてない!これじゃ50%じゃん!!

と思っていたんですよ。これにはこの映画を製作するにあたっての

紆余曲折が関係しているんですが、ついにその重要な部分を描いた

完全版が2019年12月20日に全国一斉ロードショーされます。

これは自分も非常に楽しみなんですが…

多分、前の作品を見ていなくても楽しめると思います。

興味を持たれた方は是非ご覧ください。

 

 

【新作映画トレーラー】

(参照元:Youtube)

 

 

【前作のエンディングテーマ】

(参照元:Youtube)
この映画が出会わせてくれたもの
このコトリンゴさんと言うアーティストを知れたこと。

 

 

 

そんな訳で、駅前レンタサイクルの旅

広島呉編でした。

如何でしたでしょうかね?

サイクリングと云うとスポーツ自転車?と

云うイメージがあるけど、それは違うよ!と。

旅先でちょっと早めに起きて

ホテルをチェックアウトするまでの時間を

自転車に乗って過ごす。

そんなサイクリングこそ、誰にとっても

身近な自転車旅行だと思います。

来年は、長野県内でもこの旅が出来ると

いいのですが…

呉市、本当に良い所でした!

もし興味を持たれた方がいたら

是非訪れてみて下さい!

 

 

 

関連LINK

くれナビ(呉市観光案内)

映画このせかいの片隅に(公式HP)

映画この世界のさらにいくつもの片隅に(最新作)