〔レポート〕第2回 長野県内の「一人部活」「少数部員」「指導者不在」高校自転車部の合同練習開催。

〔告知〕第2回 長野県内の「一人部活」・「少数部員」の高校自転車合同練習を行いました。

 

 

 今年から「高校自転車」(高体連)を志す高校生が激増した長野県。

特に「一人部活の学校」「少数部員の学校」「指導者不在の学校」の

生徒たちは、今まで、県車連主催のJr.ユース育成クラブ

「長野県美鈴湖VELOクラブ」で対応してきましたが

レンタル自転車の台数や、小中学生・高校生も含めると

人数が非常に増えて来たために…

 

 

7月の「Jr.オリンピック」以降は試験的に

長野県美鈴湖VELOクラブ(小中高校生・壮年)から

「高校自転車選手」を分けて練習することにしました。

 

 

とりわけ、県内に点在する高校の

「少人数部活」「一人部活」「指導者不在部活」の子供達を

高校野球の連合チーム(合同チーム)を参考に

合同練習で指導することを始めました

 

 

先週、その第1回目を行ったのですが…

 

 

これが非常に盛況だったらしく!?

記事をみて、先週さっそく

新たに、県内の高校在学生二人から

高校自転車をやってみたい

問い合わせを受け、第2回では

その問い合わせを受けた一人を加えて

練習を行いました。

レポートは下記の通り。

 

 

 

第2回レポート

 

 

 

 夏休みの試験的試みとして新たに開始した

高校合同チーム練習の第2回を

7月28日㈯美鈴湖自転車競技場で開催しました。

この日は、翌日に「JBCF東日本トラック」が行われるということで

大会設営の時間を避けてナイター練習を行った。

 

 

今回も夏休みということで…

岡谷工業高の2名が、県外ロードレース遠征のため欠席。

その他も、アルバイトや学校行事ということで

今回の参加は4名となった。

 

 

またこの日、問い合わせをもらった「ピスト自転車に乗ってみたい」という

県内の高校生1名に対して長野県美鈴湖自転車学校で行われている

「初めてのピスト自転車講座」のカリキュラムを受講してもらった。

 

 

当日は、曇り空ながらも雨が降らない状況だったが

ウォーミングアップの周回練習が終わり

今週の1㎞タイム計測が終わると

カミナリの音が近くなり・稲光が酷くなって

安全のために、室内練習から行った。

 

 

カミナリのために周回練習後に三本ローラートレーニングを行う。
初めて「三本ローラー」に乗る者にはロードバイクで乗り方を教える。
また、上田千曲高校の中山から「ピストで両手を離せない」という質問を受けて
自転車の重心について説明すると乗車における重心が大きく変わり
「両手離し」が出来るようになった。

 

この日は翌日の「JBCF東日本トラック」設営で大広間が使えないため
狭いトイレの前の廊下で練習を行った。
廊下で風通しが悪く、時間が経つにつれて
熱がこもり物凄い暑さに…
どこか南の県の実業高校の部活のように
全員が大汗を書きながら次々に「シャツなんか着てられねぇ!」と
上半身裸で練習を行っていた。

 

19時頃には雷も遠ざかり、パラパラしていた雨も止んだ。
ここから仕事を終えた長野県代表の湯原コーチが指導を行った。
既に春の大会に出場経験のある上田千曲高校の
宮林・中山は、先週のおさらいとして
ハイスピードで走る湯原コーチの後方から
ドラフティングを使って一気に前方へ抜く練習を行った。
非常に負荷の高い充実した練習となった。

 

この日、「ピスト自転車に乗ってみたい」と問い合わせて来た
石沢くんだったが、普段は通学でクロスバイク×ビンディングシューズで
乗っているということで、初めてのピストながら平坦から
あっという間にスプリンターレーンを走る。

 

普段は野球部に所属しているということもあり
運動神経や身体能力は抜群で、アッという間に
ステイヤーズラインの上を走れるようになった。
小学生の頃からリトルリーグで野球一筋ということで
現時点の長野県高校自転車選手の中でもパワーに関しては
恐らくトップクラスだと思われる。
たまたま見学に来ていた関東の高校自転車部のコーチが
初めてピストを走る石沢くんを見て、その素質を絶賛していた。
願わくば、高校野球・大学野球で活躍して
現在は競輪選手として活躍する宮下一歩選手のように
野球を終えた後でも良いの自転車に乗ってもらえればと思う。

 

 

 

 

今後の課題

 

 

 夏休みの試験的試みとして新たに開始した

『高校合同チーム練習会』

最初の2週間程度で、県内の高校生2名から

問い合わせがあった。その結果から言えば

この新たな試みの先行きは一見

非常に良いように思えます。

 

 

ただ、先週も申し上げたとおり

このシステムは

「長野県美鈴湖自転車学校」「長野県育成美鈴湖VELOクラブ」同様に 

盛況であれば盛況であるほど

自分にかかる負担が増大して非常に苦しいのが本音です。 

 

 

正直、「サイクリング長野」が出来て

当初の目標である長野県内の自転車情報の統一化は

ほぼ達成されたかと思います。 

しかし、多くの志望者が増えることで

受け入れる側のキャパシティが間に合わない。

 

 

根本的な課題は二つで…

 

 

 

①指導者の確保が難しい(自転車の指導出来る奴が全くおらん)
 ※いままで全く指導者を育てていなかった。
  県内にかつてのレジェンドは沢山いるようだが… う~ん、多分無理。
  この10年全く人が育っていないし、もう歴史が証明していて
  結果としてこの絶滅寸前状態までに追い込まれている。
  新しい人材を早急に育てないと、簡単に過去に逆戻りする。

 

②とにかく自転車をやりたい人間が増えても機材が足りない。
 ※今月だけでも俺、ホイール1セット・タイヤ2セット自腹で買った。
  自分が自転車に乗っていた時代でさえこんな高いカーボンのホイール買ったことねーよ(笑)
  よく部活の地域クラブ移行とかいうが、結局それは先生から
  地域の住人へのボランティア負担の移動でしかない。

 

 

 

それでもいま、誰かが減少する長野県の

競技人口に歯止めをかけなければ

もう後はズルズルと絶滅の一途をたどるだけだし

子供達にとっては「自転車をやりたい!」と言っても

力になってくれる大人は殆どいない。

 

 

今までのように、力になってくれそうな人はいるが… 

ついて行ったら、不相応に高い自転車・道具を買わされて

その後は、全くの放置プレーか?子供の心をへし折って終わり。

※今年に入ってもまだ!この手のトラブルの相談受けたよ。もうそろそろ止めてくれ。

 

 

この現状を、皆で少しずつ何とかする方向へ

県自転車界全体の雰囲気を動かして行かなければいけない。

 

 

前途は多難だが…

 

 

やはり、この日のように目を輝かせながら

自転車の練習を楽しんでくれる子供達がいる。

 

 

前筆の関東の高校でコーチをされている方が

合同練習を見て「子供達が本当に楽しんでいる」「この子たちは青春している」

「自分も自転車に乗り始めた頃のことを思い出させてもらった」。

と語ってくれたように…

 

 

いま、殆どの高校・中学スポーツが少子化の影響で

競技人口が右肩下がりなのにも関わらず、長野県の自転車は

これだけの子供達が「自転車をやりたいと!」

見ず知らずのネットの向こう側の自分に訴えてくれる。 

こうした子たちの存在は、本当に宝だと思う。

 

 

 

この子たち全員をインターハイに連れて行くことは難しいかも知れないが

最低限、「高校で自転車好きの仲間たちと汗を流した」

「真剣にインターハイを目指した/自転車に取組んだ」という

思い出だけは作ってやりたいと思う。 

そして、彼らが行く行くは長野県自転車界の

次代を担う存在になってくれるべく育てなければならない。

 

 

何度もいうが、2015年に初めて自分が長野県の自転車界に来て

初めて行った「インターハイ2015」の岸和田競輪場。

そこには長野県代表の選手はもちろん、各県のテントが並ぶなか

長野県だけテントすら存在してなかった。

そこから、このサイトを通じて「普及活動」をして

高校生たちを煽るだけ煽って来たからこそ

このサイトには、この子達の情熱に応える義務と

責任があると思っています。

 

 

〔第1回合同チーム練習レポート〕

 

 

 

という訳で、第2回合同チーム練習の

レポートでした。

 

 

この春から、自転車をやりたい高校生や

合同チームの高校生たちと

メール等でやり取りをしているのだけど

「その想いは本当に重い」もので

大人の理屈でおいそれとあしらえない。

 

 

一人ひとりと向き合ってみれば

皆、目標も違うし、高校で

自転車をやりたい理由も違う。

 

 

また、家庭の事情だけでなく

学校の事情や、様々な事情で

自転車を出来ない子達ってのは

思った以上に沢山いる。

 

 

今まで、長野県という自転車後進県のなかで

自転車をやりたい奴なんて殆どいないと思ってたが… 

 

 

実は、やりたくてもやれない子が沢山いる。

また現状で、沢山の子が自転車を志しても

それに応えてやれる十分なシステムが構築されていない

ということに、この数週間で強く気づかされました。 

 

 

それでも、このサイトが出来て情報が統一され

いま長野県の自転車界は次のステップへの

入り口に差し掛かっていることも痛感しています。 

 

 

ただ、だからこそ

長野県自転車界全体として

ここまで前進してきたけど

今の長野県の現状を鑑みれば

ここで「一度、歩みを止める」ことも

悪くないと思います。

 

 

それは、長野県の自転車界と

長野県のスポーツ界全体の

大人たちが少し真剣に考えて欲しい。

 

 

そして、長野県の偉い人たちがどーであろうと

少なくとも、自分はこのサイトを見てくれて

声を挙げてくれる子たちに寄り添い続けてあげたいと思う。

 

 

 

関連LINK

令和5年インターハイ公式HP(高体連)

全高体連自転車専門部

長野県高体連

長野県自転車競技連盟



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