「令和5年全国高校総体自転車競技大会」大会最終日長野県勢の結果。
2023年8月5日㈯北海道函館市で開幕した
令和五年全国高校総体(インターハイ)自転車競技は
本日8月9日㈬が大会五日目最終日。
トラック競技も三日目となり、全ての競技で決勝戦が行われた。
各決勝戦に臨んだ長野県勢のなかでは「男子ケイリン」で
山田愛太(白馬高2年)が10位、「男子スクラッチ」で
片田啓太(松本工3年)が12位となった。
大会は、本日8月9日までに全日程を終了し無事閉幕。
選手たちは今日と明日、陸路・海路で長野県へ帰郷する。
〔長野県出場校/選手〕
大会最終日レポート
昨日の会心のレースから一夜明けてポイントレース決勝戦に向かう
山口太聞(松本工業3年)初出場のインターハイで初の決勝に臨む。
決勝戦の位置につく山口と大会初日から
選手のサポートをする椿監督。
山口はこの日もスタート同時に積極的に動く。
初回先制を目指し三人の逃げに乗ると
幸先よく2点を先取して序盤から理想の展開となる。
先制点をとると、逃げていた3人でいち早く後方集団に戻り脚を一度休ませる。
序盤での先制後も非常に冷静であり、格上の強豪選手相手に
現状のチカラでどう戦って行くのか?
非常に「タクティカル」な試合運びを見せる。
しかし、中盤以降は逃げ集団が飛び出すとメイン集団の中でも
激しいセレクションが行われ山口も最後まで諦めず
冷静に展開を見極めながらチャンスを待つが…
逃げ集団が一気に加速するとメイン集団も活性化し
そのスピードについに遅れてしまい
残り2周を前に無念の途中棄権となった。
あと僅かで無念の完走を逃した山口だったが
全国の強豪相手に如何に戦うか?
その創意工夫をこらし、レースの局面局面で
絶妙な戦いぶりを見せてくれた。
最後は力尽きたが、その戦いぶり・意図は観ている者に
非常に伝わるものがあった。
男子1㎞タイムトライアルには、北信越で大活躍の
岡庭能亜(飯田風越2年)が初出場。
昨日スクラッチに出場した田切が岡庭のサポートをする。
岡庭はロードレースではかなり緊張していたが
この日は適度にリラックスしているように見えた。
一方でサポートの田切が何故か緊張していたのが印象的だった。
インターハイ初出場の岡庭がスタート。
重いギアを全身で踏み込んで渾身のスタートを見せる。
1周400mの函館競輪場ということで美鈴湖競技場との
感覚の違いを口にしていた岡庭だったが
スタートからスムーズに加速を見せた。
タイムは1分9秒8で僅かに自己新記録には届かなかったが
初出場の大会でしっかり出し切る走りを見せた。
岡庭はレース後、完全燃焼から立てなくなり
医務室に運ばれた。大事は無かったものの
初出場のインターハイはそれだけ激しい戦いだった。
昨日は曇りがちだったが、最終日は気温が上がり
海沿いの函館競輪場は湿度が高くなり始める…
昨日はスクラッチ予選7位で決勝へ進出した
片田啓太(松本工業3年)が今大会のマツコウ最後の選手として登場。
このレース、多くの選手が終盤勝負を考えており
レースは中盤頃まで小さな動きはあれど
決定的な動きは無く淡々と周回を重ねて行く。
片田は前日と同様に終始集団後方で前方を伺う。
終盤レースが動く、一気に集団が加速すると残り1周を前に
3~4名の落車があり混乱するも
片田はこれには巻き込まれず12位でフィニッシュした。
いよいよ今大会も大詰め長野県勢最後の「ケイリン7-12位決定戦」
1着・2着に入れば7位・8位入賞となる大一番を前に
スタートを待つ山田愛太(白馬高2年)
今大会は長野県のエーススプリンターとして2年生ながら重圧と戦い
初戦でまさかの6着。そこから敗者復活戦1位。
準々決勝2位、準決勝4位とここまで4レースを戦い抜いてきた。
今大会最後のレース、2番からの出走となった。
残り1周回で4番手の位置につけ後方から一気に捲って行く体制となる。
最終ストレートでは4着となり
これで総合成績は10位が確定した。
しかし、敗者復活戦からこの初出場のインターハイで
5レースを戦ったことは山田選手にとって
大きな経験と財産になった。
大会最終日 長野県勢成績
出場種目 | 順位 | 氏名 | チーム | 記録 |
ポイントレース決勝 | 途中棄権 | 山口 太聞 | 松本工業 | |
1㎞タイムトライアル決勝 | 20位 | 岡庭 能亜 | 飯田風越 | 1分9秒862 |
スクラッチ決勝 | 12位 | 片田 啓太 | 松本工業 | |
ケイリン7位-12位決定戦 | 4着 | 山田 愛太 | 白馬高校 | 総合10位 |
大会を終えて。
さて、昨年は最終日のロードレースが終わって
即、四国を離れて翌日には甲子園にいたのですが
今年はその必要も無く、延泊してのんびり
函館で過ごしています。
本来は12日から大阪出張だったのですが
それも無くなったので、のんびりと
今日・明日は函館で二泊使用とも思ったのですが
11日㈮がVELOクラブということで
そうそうのんびりもしていられません。
インハイに関しては、インカレ同様に
結構「ロビー」が増えて来ました。
やはりこのサイトの知名度が上がっていることもあって
他県の普及委員会や指導者の方
自転車業界だけでなく、他県のメディアの方からも
色々と聞かれることが多くて…
色々な方からチヤホヤされることはやぶさかでは無いのですが
それ以上に、そうした情報交換のなかで、自転車界を現場で支える
人たちの葛藤というのが痛いほど伝わって来たのが
自分としてのハイライトです。
その痛みを、自分もよくよく知っているから
現場の方の葛藤は本当に聞いていて胸が苦しくなった。
特に…
ウチの県は自転車をやりたいと来てくれる高校生は
沢山いるけど、皆んなすぐに辞めてしまい全く残らないのですが…
この相談は、実はちょっと前にもある県から相談されて
正直、この質問の根本にある問題は非常に残酷であること…
結構思うところがありました。
言いたいことは色々とあるし、
書き残しておきたいことも沢山あるのだけれど
語れば長くなるのでまた気が向いたら
ともかく、これで「Jr.オリンピック」「インターハイ」が
無事に終わったこと、長野県選手で一人も重大な
怪我人が出なかったことを、先ずは自分もかみしめたいと思います。
選手たちへは…
今大会で個々が感じたことを大切にしてください。
ただ単にインターハイに出場したことが尊いのでは無く
その中で得た成功と失敗が財産です。
それを持って何を成すか?少なくとも自分はそれを見ています。
あと、もう一つ大切なこと。
函館へ来られなかった選手たち。
来られなかった選手たちは
今大会を見て何を思ったか?それを見て
今日からどう生きて行くのか?
いよいよ明日から新しい一年が始まります。
2023インターハイ初日~4日目までの記事
はい、という訳で
インターハイが無事に終わりました。
とにかく、これ毎回なんですが
取材している自分は本当に休めない(笑)
とりあえず、今夜はこのくらいにして
もうVELOクラブが金曜日に迫っているので
準備もしないといけない。
インターハイは今日までで
自分もまた気持ちを切り替えないと…
※総集編は期待しないで下さい。
とりあえず、明日は帰ります。
沢山の皆さんから選手・自分へも
激励・メッセージを頂きました。
今年も長野県のサイクリストの皆様
ご支援を頂いている団体の皆様から
温かい御声援を頂き心より御礼を申し上げます。
引き続き、長野県の自転車界に御理解・御声援
賜りますようお願い申し上げます。
関連LINK
インハイTV(SPORTS BULL)
令和4年インターハイ公式HP(高体連)