もくじ
長野県の自転車事故を考える。
こんにちは、サイクリング長野です。さて、新型コロナウイルスの影響で長野県内のほぼ全ての自転車競技大会・サイクリングイベントが中止となっています。当サイトも例年、審判・競技役員・メディア・自転車学校のスタッフとして3月から12月の最終週までノンストップな訳ですが、今年は大会が無くなって…
なぜか?大量の書類に囲まれてます。
そもそも今年は1月から「HPを作って欲しい・プロデュースして欲しい」と云うリクエストが、各スポーツ団体・組織から立てこんでいたのですが、それも一段落。大会の参加賞のデザインやら、今年はどこぞの自転車団体の役員やら委員の打診もあってバタバタでしたが、それもだいぶ片付いて少しずつ時間的な余裕が出て来たので、これから「サイクリング長野」も手を入れて行きたいと思います。とにかく先ずは、昨年は忙し過ぎて出来なかった「令和元年度 県交通統計」について書いて行きたいと思います。
一昨年これを書いたら、「白書なんて所詮は大本営発表だ!」とSNSで揶揄されましたが、その意見も解らなくは無いですが、それでもこの数字の中にも「考える糧」は必ずあるはずなので、県サイクリストの皆さんの事故防止に少しでも役立てればと思います。(Tシャツデザインほぼ出来ました!発表は暫くお待ちください)
〔参考資料〕
長野県交通統計2019(自転車)(PDF:長野県警察)
令和元年 長野県内自転車事故件数
令和元年度の長野県警発表の「交通統計」によると
昨年の長野県内では…
・自転車事故が722件(全交通事故の12.3%) ・自転車事故による死者は2名(全交通事故死亡者の3.1%) ・自転車事故による負傷者は763人(全交通事故負傷者の10.1%) |
となりました。前年度に比べると
『事故件数が-62件』『死亡者が+1名』『負傷者が-62件』
となりました。
長野県の自転車事故の特徴
また、県警によると昨年度の県内で発生した
自転車事故の特徴として下記の傾向が挙げています…
◇県内の自転車事故の特徴 ① 月別の事故発生件数は10月が最多 |
以上が報告されています。
これを見て先ず思ったこと
特に②~④は、一昨年のレポートとほぼ同じ数字であり
ここに自転車事故を防ぐ大きなヒントがあるのではないか?
と推測します。
世代別事故負傷者・死亡者数
昨年の世代別の事故「負傷者」・「死亡者」数は
以下の通りとなっています。
◇世代別自転車事故負傷者・死亡者 ・6歳未満 0名 ※かっこ内は前年比 |
この数字においても、一昨年とほぼ同じ傾向が顕著で最も
自転車事故の多い年代は高校生で、運動能力が低下し始める40代の
事故がこの数字の中では目を引きます。
死亡者についても、一昨年同様に50歳以上で2名ということもあり
注意すべき各年代が浮き彫りとなります。
特に注意すべきは「高校生」「40歳代」「高齢者」の各世代。
事故の種類と事故発生地点の傾向
ここでは、昨年の長野県内では…
「どんなタイプの事故が多かったのか?」
「どんな場所での事故が多かったのか?」
についての傾向を見て行きます。
◇事故類型死亡者・負傷者数 1位 出会い頭 463名 ※死者1名
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事故の種類として最も多かったのが
「出会い頭」によるもので、改めて走行中は
前方をよく確認しながら走ることが重要となる。
他には、「右折時」「左折時」の対車両事故が続いた。
右左折時の時はゆずりあう気持ちの余裕を持ちたい。
◇事故発生場所別 死亡者・負傷者数 1位 交差点 526名 |
事故発生エリアについては、「交差点」もしくは
「交差点付近」が事故要因の半数以上を占めており
改めて交差点付近を走行の際は、
最も事故が起こりやすい場所であることを認識して
走行することが必要。
事故要因の傾向
最初に長野県の自転車事故傾向として
7割が誤った通行によるものとされていたが
ここでは、事故要因についての傾向を見て行きます。
◇要因別死傷者数 1位 安全不確認 184名 ※死者1名 ※その他、正しい通行を行っていての事故負傷が209名 |
これをみると、殆どの自転車事故の要因となるのが
「不確認」と「不注意」となる。改めて運転中は
運転に最大限の注意と集中をするように心掛けたい。
また特に昨今のサイクリストのマナーに関する部分として
基本的な交通法規を遵守して、他の車両・歩行者を
思いやりながらの走行をお願いしたい。
特に、選手や上・中級者は、全てのサイクリストの
規範となるような立振舞を強く願いたい。
まとめ
以上のようなデータを整理して
改めて、自転車に乗る際の注意点をまとめると…
・自転車事故は朝・晩の通勤通学時間帯に最も多く発生する。 ・高校生の事故が最も多い他、体力が落ちて来る40歳代も注意。 ・最も多いタイプは「出会い頭」と「右左折時」。 ・事故が最も起こりやすい場所は「交差点付近」。 ・事故要因となるのは「不確認」と「不注意」。
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しかしながら、事故が起こるのは一瞬です。
「こんなの知ってるよ!」「防ぐのは無理!!」
「スポーツ自転車と日常のチャリは背景が違うだろ!」
と云う声が、この画面の向こうから聞こえて来そうですが…
知っているのと、知らないのでは雲泥の差がある
と思って下さい。
スポーツ心理学の中にもあるのですが
ピンチの際(有事の際)に最もモノを言うのは
「知識」と「経験」と言われています。
上級者の方ほどこの傾向を知ってもらい、
初心者の方や、後輩に伝えて
スポーツサイクリストが自転車に乗る全ての人達の
模範で会って欲しいと願います。
保険の義務化について
既にお知らせしている通り長野県では
昨年10月より自転車保険の加入が義務付けられています。
選手の方は、ライセンス登録時に付帯保険がありますが
一般のサイクリストの方は、自動車保険・生命保険等に
付帯している場合もありますので、自分とご家族
が保険に加入しているか?必ず確認をお願いします。
また、未加入の方は楽天等のインターネットで
簡単に加入出来る他、コンビニの電子端末でも
その場で申し込みが可能です!
安全のため是非加入をお願い致します。
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《その他の自転車保険》
と、云う訳で今回は久しぶりに
交通安全についてお伝えしました。
先ず、本来はもっと見やすく
スライドをつくるべきでしたが
ずくが無くて申し訳ありません。
皆さん色々と思うところは
あると思うのですが…
最も大切なことは
貴方はサイクリストとして
どうあるべきか?
この傾向を見てどう思うか?
それをこの記事を通じて
問いたいと思います。
不幸な事故が一件でも減るように…
どなたかの考える糧になれば幸いです。
関連LINK
令和元年度「交通統計」(長野県警察)
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