〔コラム〕新型コロナウィルスによる大会の開催可否について…

 

〔コラム〕新型コロナウィルスによる大会の開催可否について…

 

 こんばんは、2020年2月26日の午後10時になろうかとしています。

本日は、久々にちょっとコラムをお届けします。

さて今日の午前中、政府が新型コロナウイルスに関する声明を発表し

 

 全国的なスポーツ、文化イベント等については、
 今後2週間は中止・延期、または規模縮小等の対応を要請する。
 この1週間から2週間が感染拡大防止に極めて重要である。

 

との見解を示しました。

それに伴い自転車界では、JKAが本日午後、臨時会議を行い

明日27日から当面の間、全国の競輪場における

全てのレースを無観客試合で行うとの発表を致しました。

 

実は、既に「サイクリング長野」にも、県内外

幾つかの大会・イベントの中止が決定したことが、

内々に伝えられています。それらは、公式発表と

連動して発表して欲しいとのことで

暫くお待ちして頂くとして…

 

 

《迅速だった昨年の台風19号の県連の対応》

 

思い出したのは、昨年の台風19号被害の時の

長野県自転車競技連盟の対応です。

その週末は「秋の長野県大会トラック競技」が

予定されており、長野車連は事前に台風の大きさを予想し 

大会に携わる選手と、スタッフの安全性を第一に考えて

開催の4日前に中止を決定し発表しました

その後、どうなったのか?は、もう皆さんご存知の通りです。

仮に、あの日に開催をしていたら

自分は道が寸断されて家に帰ることが出来ませんでした。

 

 

 

 

《大会開催可否において最も重要なことは何か?》

 

 大会開催可否において、最も大切なことは、

競技が安全に出来るか?出来ないか?ではありません。

 

3年前のジュニアロードレースの全国大会である

「全国四日市ジュニアレース大会」で

自分は長野県から審判員として派遣されていました。

しかし、その時は折からのスーパー台風が近づき

長野県派遣審判団が四日市市に到着したと同時に

翌日の大会が全てキャンセルになったのです。

 

その際に、大会組織委員会が出したコメントが…

 

全国大会ということで、北海道から沖縄まで

ジュニア・キッズ選手の皆様・保護者・コーチの皆さんが

四日市に集結している。仮にレースが出来たとしても

その後、皆さんが安全に自宅へ帰宅出来なくなる恐れが強い。

だから、皆さんの安全を守る為に中止とします。

 

と、アナウンスされました。その時に

自分はレースの事ばかり考えていて

レースが出来れば良いじゃないか??と

勝手に思い込んでいたのですが、

やはり開催者は、選手・スタッフが家に着くまでの

安全さえ考えて決断しなければならない

非常に良い勉強をさせてもらいました。

 

案の定、翌日から数日の国内交通は大混乱。

高速道路・飛行機・新幹線が麻痺して

もしあのまま開催して、仮に大会が出来たとしても

月曜日に学校に登校出来なかった子供は多かったでしょう…

 

昨年の北信越高校自転車大会では強風で大会2日目が中止になった。

 

 

《中止による選手の辛さ、運営の辛さ》

 

数年前、関東のとある大会が悪天候のため中止になりました。

それは非常に重要な大会だった為に、大きな波紋を呼びました。

選手達は「この大会に全てをかけていた!」と憤り

保護者や指導者は、運営側の決定を大きく非難しました。

 

その時、選手や保護者の気持ちは痛いほど解りました。

ここへかけて来た選手の無念や如何ばかりか?

どれほど深い失望かと、深く同情せずにはいられませんでした。

 

しかし、運営側の決断もまた英断だったと思います。

先の四日市の時の教訓です。仮にレースが出来ても

悪天候の中で選手を危険に晒すことは出来ない。

そして、家にまで安全・無事に家に帰せないような

細かな配慮が出来ない程度の運営であれば、

それは有事の際に、訴えられても仕方ない!

そんなギリギリの中で、運営の

苦悩もまた如何ばかりか?と思いました。

 

それと、選手が憤るのは仕方ないですが、保護者や指導者と言った

いい大人がSNSで暴言を吐き、主催者側の苦渋の判断を

慮れなかったのは凄く残念なことだったと思います。

 

 

 

《中止で非難されるか? 事故・問題が起こってから非難されるか?》

 

 たまたま、今日とあるイベントの方からメールがあって

中止にするか?延期にするか?で組織が大きく揺れている

中止となったらサイクリング長野でも速報を流して欲しいと…

 

選手・参加者の皆さんに、このサイトを通じて申し上げたいのは

イベントや、大会は…

 

雨で中止にして、当日晴れても何事もなくても非難されます。

強行して、何か問題や事故が起こっても非難されます。

 

あなたが、運営側になった際に、どちらのリスクを取るか?

それは、ケースバイケース。とても難しい判断が迫られると思います。

ただ、その苦渋の判断を汲んで、尊重して欲しいと願います。

 

 

 

《台風19号被害の前日に開催された大会は成功?》

 

 実際に、台風19号時に長野車連は秋の大会を中止しましたが、

これは、運営側が全て長野県県民であり地理を熟知していました。

一方で、実は台風19号の大被害のあった夜の前日に

サイクリング大会をやった自治体がありました。これは、

運営がほぼ県外の人間だったと聞きます。結果から言えば

大会を縮小して、被害の出始める直前の夕方に解散。

そして、深夜から未明にかけて

長野県内が大災害に見舞われるという…

 

これを、自転車専門紙・サイトは大成功と言ってましたが

翌日からの現地の被害を想うと、素直には喜べません。

むしろ何も無かったのは紙一重で、本当にラッキーなだけだった。

個人的には、翌日から現地の人達は大変だったのでは?と

慮る気持ちが強かったですが、長野県の皆さんは

どう思いますか??

 

 

 

《開催決定に対して様々思う所はあるが…》

 

 上に延々と、長文を書いてきましたが

選手・参加者の皆さんには、運営側にはレース運営以外にも

様々な予想・状況を加味して中止・延期を決定していると

言うことを忘れないでください。そして、そこには

必ず苦渋の決定があることを忘れず、それを受け入れて

貰えればと思っています。特に今回の問題は

人類が未知の病原体です。

それが、想像を下回る程度の病気であれば

それはそれで良いのです! しかし、これが

想像を上回るほど、我々の生命に甚大な影響を及ぼす

被害になることは、何を置いても食い止めなければなりません。

 

 

今日は、運営と選手の狭間にある人の想いを

伝えられればと思いました。

とにかく、これから色々と中止になったり

延期になったりすると思いますが

どんな決定になっても、スポーツマンらしく

毅然とした態度で受けれてもらえばと切に願います。

 

 

そして…

 

このコロナウイルスの世界的な拡大感染のおり

最も大切なことは何ですか?

自転車で一番になることですか? 

名誉ですか? お金ですか? プライドですか?

 

あなたが背負っている責任は、なんですか?

ならぬものはならぬ!と子供達や選手に説明できますか??

 

それを、特に…

各大会主催者、保護者、指導者に

問いたいと思います。

 

 

 

※因みに長野県内公式戦開催の可否については
 まだ何の情報も得ていません。
 県連・学連・県高体連大会の開催については
 何らかの情報が入り次第お知らせします。
 その他のイベント等の情報も入り次第お伝えしますが
 参加を決めているイベントの情報は逐一ご確認下さい。

 

 

雨が降ったら、軒下に自転車を止めて、軒下で雨が上がるのを待てば良いと思うんですよ。
そして、雨が上がったら、また走り始める。自転車ってそういうスポーツじゃ無いですかね?

 

 

と、言うわけで

今日は少しお説教っぽい

お話しをしました。

去年、とある大会が中止になって

「開催出来ただろ!」と言う

クレームがサイクリング長野に

来たんですよ。残念ながら自分は

その大会に全く絡んで無かったので

何とも言えなかったんですが…

ただ、やはり今回の新型ウイルスは

未知故に万全の対策を講じるべきです!

既に政府の対応は遅きに失してますが

それでも、大切なのはこれ以上の拡大を防ぐこと。

そこを改めて、運営側にも、選手側にも

保護者にも知った上で、各々が適切な態度で

対応してもらえればと思いました。

とにかく、これ以上、深刻な問題にならなければ

良いのですが…

 

※何時も長野県と長野県車連をDisっている当サイトですが
 やはり、昨年の台風19号時の県車連の素早い対応は
 非の打ちどころが無い素晴らしい対応だったと思います。
 改めて、あの決断をした主催者に敬意を表したいと思います。

 

 

関連LINK

日本自転車競技連盟

野県自転車競技連盟