新しくなった日本自転車の聖地「シマノ自転車博物館」へ行ってみた。
ということで!?
インターハイ帰りの8月上旬。
大阪府にあるお馴染みの
サイクリング長野の 別荘 アジト(3畳一間)で
スー玉(スーパー玉出)の御惣菜を食べながら
「今年の夏休み企画は何するか?」と考えていました。
「最近ネタが無い!」とか「記事に内容が無い」とか
「読むほどのことは無い」とか…
全国の自転車有識者の皆様に揶揄されている
我がサイクリング長野ではありますが…
なんて失礼な!
ネタが無いのなんてこのサイトを開設した当初からずっとだわ!
もっと早くDisってもらったほうが、こっちは気が楽なのに。
そもそも、自転車界の人間じゃないんだから
ネタのうんぬんの前に「アンテナ」が立たないわ!
(あんまり自転車界に興味が無い/新商品とかもっと興味が無い)。
しかしですよ!
今年は、何時もお世話になっている
堺市にある「自転車博物館サイクルセンター」さんが
2022年3月25日に新生「シマノ自転車博物館」として
リニューアルオープン。
そうこうしているうちに、貴重な資料まで送っていただいて…
これはもう、この夏は過日の御礼とお祝いの御挨拶に行くしかない!
と気合いを入れて(甲子園のついでに…)行って来ました。
そんな訳で今年の夏休み特別企画です。
※今回はハプニングや、オチも無いのでゆる~く読んで下さい。
《旧自転車博物館の記事》
自転車博物館探訪記
実は去年の3月ウチの学校が
春の甲子園に出場した時に、堺市に寄って
旧自転車博物館へ行っていたんです。
その際ですが、1964東京オリンピックに出場した
大宮選手の実走車を「片倉シルク号」を見て感動して
その時の感動をコラムにしたのですが
それ以来、新シマノ博物館となっては初訪問となります。
新博物館ですが、場所は同じ堺市ながらも
最寄り駅が「JR百舌鳥駅」から「南海高野線・堺東駅」へと変わりました。
アクセスも「なんば駅」から乗り換え無しで15分程度と凄く便利になりました。
そんな訳で、大阪アジトの最寄り駅の
新今宮駅から旅を始めて行きたいと思います…
サイクリング長野の大阪のアジトから
徒歩5分にある「南海・新今宮駅」
それにしても我が町ながら新今宮駅界隈が綺麗になっていて
本当にビックリした!昭和というか、戦後から時間を止めていた
空間だったのに…これも星野リゾートの影響か??
いやまじで、女性が一人で歩けるところでは無かったのに!
どれくらい綺麗になったかはこちらをご覧ください。でもさ…
綺麗になり過ぎるのは風情が無くなってしまい一抹の寂しさを感じる。
以前の「旧自転車博物館」は、JR天王寺まで行って乗り換えて…
最寄りのJR百舌鳥駅からも歩いて結構遠いし…結構面倒だったが
大阪南の玄関口「なんば駅」から電車1本で行けるのは
本当に信州から出てきた田舎者にとっては便利。
新今宮から電車にて約15分ほどで新自転車博物館の最寄りの「堺東駅」に到着。
むかし審判ライセンスを取って2~3年目の頃はよく関西シクロクロスに
審判の出稽古に行っていて、シマノの方に会場(琵琶湖)からこの駅とか
三国ヶ丘?へよく送ってもらった。
堺東駅は今時めずらしい駅直結の百貨店(高島屋)が併設されている。
この「駅ビル側」出てを駅を背に右手を見ますと…
目と鼻の先にあるのが「シマノ自転車博物館」
シマノの方いわく元はホテルの跡地に出来たらしい。
もう何か看板からしてスケルトン!何だか凄い近代的!!
何かちょっと旧自転車博物館の風情がなくなってしまった気が…
何かエントランスも超キレイ!御挨拶なんて壁に直接書いてある!!
これって… 入場料2000円位するのかなぁ?
だったら心斎か難波の金券ショップで安いの探せばよかったか…と怯み始める。
何時も言ってることだけど、例えばスポンサーであっても
普段お世話になっているんだから、「ごっつぁん!」は無い!!
個人として利用する時は感謝を込めて必ず自腹で払うのがポリシー…
そして、サイクリング長野のもう一つの精神!
「こちとら自腹じゃ!言いたいことを言う!!」
因みに大人入場料500円でした…
「良かった良心的な値段で…」と思うケチな自分が嫌になるわ。
何かもう入場するところが大画面の液晶テレビが埋め込んであるんですが!!
(ウチの市立博物館なんて未だにブラウン管だぞ…流石シマノ!)
入るところが「ピッ!」とする奴だ!こんなの自転車界にいたら
「オリンピックスクエア」(JSPOや学連が入ってる)か
もしくは西が丘の「ナショナルトレーニングセンター」しか無いので
入るだけでも緊張する。
入場すると自転車の歴史を学ぶウエルカムシアターがあり
約10分ほどその歴史を学ぶことが出来る。
結構おもしろくて全部見てしまった…
新しい展示室の美しいこと…
なんだか本当に近未来的!!
ドライジーネに始まり自転車の進化の歴史を見ることが出来る。
シマノのコンポーネント(ブレーキや変速機パーツセット)の歴史が飾られ
初代のデュラエースから現行のデュラエースまでが見ることが出来る。
体験室では子供たちが自転車を体験できるようになっている。
この展示物は自転車が幾つのパーツから成り立っているのか?
ネジ1本、ナット1個まで自転車に使われている部品の全てを展示。
最近はやりの電動変速機の体験もここで出来る。
レバーを動かすと、変速機がどう動くのか?
それがハンドルについたモニターを通じて解説される。
自転車展示室では、前回自分がコラムを書いた
東京オリンピックを走った「片倉シルク号」が展示されていた。
また、新たに「TOKYO 2022 パラリンピック」で金メダルを獲得した
杉浦佳子選手の自転車も飾られていた。
自分は「TOKYO 2020」のパラロードの時はピット担当だったので
あの時の自転車がここにあることが凄く感慨深かった。
去年、東京オリンピックから57年後に「片倉シルク号」を見て自分が感動したように
また50年後、100年後に誰かがこの自転車を見て感動する日が必ず来ると思う…
その他にも世界初のマウンテンバイク等が展示されている。
このMTBは世界で初めてジョー・ブリーズが作成した10台のうちの1台。
コンポーネントはツーリングやBMXのモノを使っていた。
正直、こういう自転車ってのは
実物の前で、当時の息吹に触れて
想いを馳せてこそ価値があると思う。
写真で見ても感動は伝わらない…
是非、実際に足を運んでみてください!!
そして資料室!ここが文字通り日本自転車界の「資料倉庫」
新しくなって、コンピューターで資料が検索しやすくなった。
そして、貴重な資料はガラスの向こうにあってしっかりと保存されている。
今とは違って、昔はサイクリングが本当にブームだったらしくて
今では殆どみることが無い往年の「サイクリング指南書」「ガイド本」を見るのが楽しい。
因みに今回ちょっと気になったこの本は
1990年出版の「自転車コースガイド-信州エリア」。
これ!驚くほど長野県の自転車コースが
詳しく書き込まれていて…
あまりに詳しいので誰が書いたんだろう??
ここまでマニアックに書ける人材が
当時の長野にはいたのかよ??
「ジャパンアルプスサイクリング」とか今からでも遅く無い!
こういう人を長野県に招聘したほうがいいよ!と思って
巻末を開いたんですよ…。
クリックすると大きくなります。
おっ… おぅ…。
ですよね。
神を見ました…
そして、現実に戻った自分は
目を瞑りそっと巻をとじました。
話しをくるりんぱ!と戻します。
実はこのあと、前々回の2019年の訪問時に
長野県自転車競技連盟はいつ創立されたか?
という、長野県自転車界の謎を一緒に追って下さった
自転車博物館の長谷部理事長とお会いしました。
〔長野県自転車競技連盟の歴史を追った話し〕
そんな中で長谷部理事長が一冊の本を
勧めて下さいました。
それが…
長野県自転車史の編纂を何時かしたいと思っている…
そんな話をしていたので、戦前の資料をと出して下さったのが
自転車競走(著:月岡朝太郎 / 昭和53年初版)
この本が凄いのは戦前の全日本選手権・高校自転車などの
情報が充実していること!
そして、この本の面白いところ!!
どうして高体連に自転車競技があるのか?
どうしてインターハイに自転車競技が加わったのか?
その経緯を記載してあること。
これは本当に、高体連自転車に携わる人には是非読んで欲しい。
あとMTB業界の人にも…
〔クリックすると大きくなります〕
さらに面白いのは…
この本の著者である「月岡朝太郎」は
長野県飯山市の出身であり
月岡氏が東京都自転車競技連盟を設立したこと…
この貴重な資料を編集したのがまた長野県民であるということが
何とも運命めいている。氏はアマチュア自転車界だけでなく
競輪界でも多大な業績を残し、1950年には
日刊プロスポーツ新聞社を創設し初代社長となった。
月岡氏の功績は調べてみると非常に面白い!!
(クリックすると大きくなります)
自分も自転車界へ来て早くも7年になるが
不思議なことで…
こうやって自転車に携わっていると
不思議と出会うべき人に出会う。
それは市岡忠男氏もそうだが故人となってからでもだ…
こうして、毎回「自転車博物館」へ行くと
本当に新しい出会いがあるから面白い。
今回も長谷部理事長と、受付のお姉さんに
感謝をして、新博物館をあとにした…
この日も夏休みということもあり、エントランスには
例年のように堺市の小学生達が「夏休みの課題」として
自転車の絵を写生に来ていた。
旧自転車博物館から続く夏の風物詩的風景。
という訳で、今年から新たなるスタートを切った
新生「シマノ自転車博物館」へ行って来ました。
最後の写真に子供たちが自転車の絵を描いているモノがありましたが
堺市の子たちは、こうして夏休みの学校の課題として
我が町の文化である『自転車の写生大会』を開催したり
『こんな自転車欲しかってん!』というコンテストを行うことで
自分達の「街の歴史」や「誇り」というモノを学んでいるような気がします。
アニメ弱虫ペダルの中で、大阪出身の鳴子章吉くんという
キャラクターが、主人公で千葉県に住んでいる小野田くんに
「大阪は自転車の町なんや!」と胸を張って語るシーンがありますが…
この自転車博物館というのは
これからも、この町の「地場産業としての自転車」と
その歴史・文化を… この先も伝え続けて行くことでしょう。
そして、鳴子くんのように大阪の子供たちは
「大阪は自転車の街や!」と誇りをもって
県外の人間・世界の人間に伝えて行くのでしょう。
以上が、新生「シマノ自転車博物館」の遠征記でした。
長野県からも是非、多くの自転車ファンに訪れてもらえればと思います。
シマノ自転車博物館
シマノ自転車博物館
〒590-0073 大阪府堺市堺区南向陽町2-2-1
開館時間:午前10:00~午後4:30(入館は午後4:00 まで)
休館日 :月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日(土、日の場合は開館)、年末年始
入館料 :個人 一般500円、高校生200円、大学生200円
※入館無料‐未就学児、小学生、中学生、65歳以上、障がい者手帳お持ちの方と付き添い1名
ということで、今年の夏休み企画でした。
この文章ですが、8月の上旬には
書いていたのですが、忙しくて
すっかり公開するのが9月になっていました。
それと、新しいシマノ博物館の
収蔵品の一覧書を頂いております。
美鈴湖自転車競技場にて
閲覧が可能ですので、競技場にお越しの際は
管理人室にてご覧いただければと思います。
最後になりますが旧自転車博物館から
当サイトは何時もお世話になっております。
様々な資料を惜しげ無く見せて下さり
心より御礼を申し上げます。
長野県の自転車ファンの皆さんも
大阪訪問の際はぜひ、新しい
シマノ自転車博物館を訪れてみて下さい。
関連LINK