もくじ
世界アンチ・ドーピング規定「2022禁止表国際基準」の発表について。
今週は急遽予定されていた日程が全てキャンセルになり
少し余裕が出て来たので、年末の忙しい時期に向けて
この時期にリリース出来るお知らせを出来る限りお伝え致します。
日本アンチドーピング機構(JADA)よりのお知らせです。
JADAは、2021年12月3日
2022年のドーピングにおける
禁止薬物・物質の国際基準表(日本語版/JADA)を発表致しました。
既に自転車界では2022年のライセンス更新が始まっており
未成年の自転車競技ライセンス更新者には
恒例のドーピングに関する親権者の方の同意書が求められます。
選手の皆さんはもちろん、未成年選手の保護者の皆様にも
2022年の禁止薬物・物質一覧表を
ご覧いただきますようお願い申し上げます。
なお、発効は2022年1月1日よりとなります。
世界アンチドーピング規定 2022禁止表国際基準
世界アンチドーピング規定 序文 常に禁止される物質と方法 競技会(時)に禁止される物質と方法 特定競技において禁止される物質
2022年禁止表国際基準【日本語版】(PDF/JADA公式HP) ※今後アップデートされることがあります常に最新のものをご確認下さい(2021年12月2日現在)
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今年大きな話題となったCBDについて
今年の初頭にお知らせした
JADA発表の「使用可能リスト2021年版」の記事が
今年非常に大きなアクセス数を集めました。
その要因として
前回の記事では、少しデリケートな「医療用大麻」と
日本国内でも使用が認可され、最近どこでも購入可能な
大麻由来成分のCBD(カンナビジオール)について
国際アンチ・ドーピング機構の見解を紹介したのですが
このショートエッセイが非常に多くの人に読まれました。
(大麻の興奮・幻覚作用などは禁止成分はTHC/テトラヒドロカンナビノール)
背景には、プロボクシング選手・大相撲の元関取の
ドーピング疑惑・大麻使用疑惑があり
容疑をかけられた両選手が共に口にしたキーワードが
CBDオイルの使用。
自分も、一昨年に世界各国で医療用大麻が認可され
とりわけ日本でも気軽に手に入るようになった
CBD製品は、ドーピング対象となるのか?
非常に興味があったのですが
案の定今年のスポーツ界では大きな話題となりました。
改めて、CBDに関しては
最近は近所のドン・キホーテでも専門の販売棚が
用意され多くの方にとっても身近になりつつあるので
理解を深めて頂ければと思います。
大麻由来成分カンナビノイドについて
〔S6章〕 2020年国際基準要項より ・CBDに関しては禁止されていない。しかし、大麻植物から抽出されたものには
クリックすると大きくなるの興味のある方は「赤いライン」を確認して下さい。
〔S8章〕カンナビノイド 2022年国際基準要項より 例外:カンナビジオール(CBD) クリックすると大きくなります
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以上のように、来年の新規約でも
CBDについては、その成分単体では
ドーピング規定から外されています。
しかし、前回も触れましたが
昨年から、厚生労働省が国内で市販されている
輸入CBD製品の成分調査をしたところ
禁止成分THC成分を含有されたものがみつかりました。
アスリートの皆さんは、CBDオイルを利用する際には
くれぐれも気を付けてご利用下さい。
ちょっと気になった「身近な禁止成分エフェドリン」
それと、今年の基準を読んで気になったのが
我々にとって最も身近かも知れない…
よく風邪薬・漢方薬などに入っているお馴染みの
エフェドリン(麻黄由来)
多分、うっかりドーピングになりやすい
誰にとっても身近な成分だと思いますが
もちろん「事前に申告するTUE」の対象となるものと
認識はしていたのですが、興味深かったのは
尿中濃度10μg/mlを越える場合は禁止
という表記でした。選手はもちろん
これまで同様に気を付けるところですが、
極微量であれば検出されて問題無いという解釈になり
知識として非常に興味深い記載でした。
クリックすると大きくなります。
(2022年の国際基準より)
困った時は相談!長野県のスポーツファーマシスト
現在、長野県にはJADA公認の
スポーツファーマシスト(薬剤師)さんが39名います。
もし現役選手の方、未成年選手の親御さんで
使用しているクスリ・サプリメントについて
専門家に相談したい場合は、下記のサイトより
お近くのスポーツファーマシストに
ご相談ください。
さて、ご紹介して来たとおり
2020年の禁止薬物・物質の
一覧表が出ています。
このサイトを通じて申し上げたいことは
ドーピングに関しては
非常に専門性が高く
その化学の進歩は日進月歩です。
大切なのは、こうした情報が出た時に
常に興味を持って欲しいということです。
ドーピングに関しては最後は
全てが選手の責任となります。
それ故に、日頃のドーピングに対する
好奇心が「迫る危機」を遠ざけてくれると思います。
改めまして、自転車競技ライセンスを持つ
全ての皆さん、未成年選手の保護者の方
チームスタッフ・保護者の方に
こうした情報に興味を持ってもらえる
きっかけになればと思います。
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