もくじ
「第89回全日本選手権トラック・パラサイクル」大会最終日の模様。
本年度のトラック競技日本チャンピョンを決める戦い
第89回全日本選手権トラック競技&パラサイクル競技は
最終日が、ヤマダグリーンドーム前橋にて行われました。
長野県勢では、注目の競輪ルーキーの菊池岳仁(JPCA/岡谷南出)が
1kmタイムトライアルに、昨年の長野県代表国体ポイントレース準Vの
小出樹(京産大/松本工出)が得意のポイントレースに、
昨日、パラ1kmタイムトライアルで優勝の石井雅史(イナーメ信濃山形)が
個人追抜きに出場した各選手の結果は以下の通り…
男子1kmタイムトライアル 菊池岳仁出場
優勝 新田 祐大(Dream Seeker Racing Team) 1:01.551※大会新記録
2位 中野 慎詞(Dream Seeker Racing Team) 1:02.011※大会新記録
3位 小原 佑太( JPCA) 1:02.260※大会新記録
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8位 菊池 岳仁(JPCA/岡谷南高出) 1:03.585
公式リザルト(PDF/大会公式)
事前の談話では今大会一番力を入れていると語った1kmタイムトライアル
まだ人が少ない早朝からウォーミングアップエリアに姿を現した。
オフィシャルトレーニングセッションでは、終始バンクと自分のコンディションを
確かめるように集中したトレーニングを行っていた。
いよいよ出走を迎えトラックに一礼してスターティングブロックへ向かう。
本人がトレーニングセッションで特に集中して練習を行っていた
スタートが鮮やかに決まる。
多くの報道陣・観客のフラッシュの中で加速して行く
ラップタイムは終始、前走組の中での一番時計を更新して行く。
レースを終え完全燃焼の菊池選手は暫くの間、座り込んだまま動けないほど
全力を出し切った今回の挑戦だった。3組を終えた段階で1番時計となった。
【レビュー】
今大会の初日に「スプリント」「ケイリン」「1kmTT」の三種の中で、特に1kmに標準を合わせたいと語った菊池選手。早朝のトレーニングセッションの段階から非常に集中力が高く、普段通りの穏やかな中にもこの種目にかける想いが強く伝わって来た。
第3組で出走した菊池選手、同走相手は新潟の強豪滝本選手と云うこともあり非常に注目のカードとなった。しかし、菊池選手は綺麗なスタートを決めると周囲の盛上りとは対照的に終始冷静なレース運びでラップを重ねて1分3秒台を叩き出した。
レース後は、何時ものように電光掲示板のタイムを見ると、これも何時もと同じように既にレースを振り返っているのか?厳しい表情を崩さなかった。インフィールドに帰ってくると、激しい消耗から暫くの間動けず、改めて1kmタイムトライアルと云う種目の激しさを垣間見たような気がした。レース後、菊池選手の談話をとることが出来なかったが、引き続き菊池選手の活躍に期待したい。
パラ男子4km個人追抜き決勝 石井雅史出場
優勝 石井 雅史(イナーメ信濃山形) 5:12.794
2位 沼野 康仁(usp lb. VC SPLENDOR) 6:18.313
公式リザルト(PDF/大会公式)
昨日の1kmタイムトライアルに続き「4㎞個人追抜き」でも優勝を果たした
石井雅史(イナーメ信濃山形)は、今大会2冠のダブルタイトル獲得という
輝かしい結果でレースを終えた。
【レースレポート・レース後コメント】
男子ポイントレース決勝 小出樹出場
1位 橋本 英也(ブリヂストン)59点
2位 近谷 涼(ブリヂストン)42点
3位 佐藤 健(新潟県自転車競技連盟)33点
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4位 小出 樹(京産大/松本工業)31点
公式リザルト(PDF/大会公式)
スタート後にチームメイトの四宮選手と「逃げ」を見せる小出樹(京産大/松本工)
持ち前の積極的な走りでレースを展開して行く
中盤に出来た4名の逃げに乗りメイン集団を周回遅れにすると
20点を加点して、優勝争いはこの4名に絞られる。
オムニアムアジア王者の橋本、アジア大会個人追抜き銅メダリストの近谷に続く
3位でいよいよ残り2Kmを迎え表彰台が見えて来たが…
残り2回のポイント獲得機会で加点出来ず僅か2点差で表彰台を逃した。
【レビュー】
前日のオムニアムのポイントレースでも積極手に動いた小出樹(京産大/松本工出)。この日も序盤から常に仕掛ける機会を狙い集団に対して積極的にレースを展開して行くと、チームメイトの四宮と共闘して2名による「逃げ」体制を作り3回目のポイント周回でこのレース最初の得点3点を獲得すると、中盤に出来た橋本・近谷・佐藤(健)と4名の逃げに乗り、この4名がレース中盤までポイントを分け合い、残り20周回までにメイン集団を周回遅れにしてボーナスポイント20点を獲得。これで優勝争いは逃げ4名に絞られる。
終盤を迎え、橋本・近谷のブリヂストン勢が順調に加点を加えて優勝争い、逆に小出と佐藤健は3位表彰台争いの展開となる。小出が1点をリードして残り2回のポイント争いとなるが、その残り1回で佐藤健がポイントを加点し逆転すると、そのまま逆転を許さず、僅か2点差の4位となった。このレースに関しては、小出が終始「強さ・存在感」を見せて3位表彰台に立てたレースだけに、最終局面での「状況判断」と「駆け引き」「レースマネージメント」に大きな課題を残す結果となった。
以上が、特別な年の
全日本選手権トラック競技大会でした。
今回4日間で大会が行われ
当初、3日目・4日目は、MTBの全日本選手権を
取材に行く予定でしたが
くだんの件で、MTBの取材が出来なくなり
不本意な想いでいたのですが
前橋に残って本当に良かったと思います。
トラック選手達の今大会の戦いは
本当に歴史に残るものだったと思っています。
特に、日本代表短距離チームの見せてくれた
圧倒的な走りと、存在感。
これは、入場料を払って観る価値のある
「ホンモノ」でした!
長野県勢も、石井選手の活躍の他
若い菊池選手・小出選手が
表彰台こそ逃したものの
新しい時代の到来を確実に予感させる
走りをしてくれました。
長野県から派遣された審判員の
皆さんもお疲れさまでした。
最後に、今大会を運営して下さった
スタッフの皆さん、前橋市の皆さん
難しい年に、素晴らしい大会を
本当にありがとうございました。
心より御礼を申し上げます。
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