〔結果〕全日本学生RCS第4戦「第13回白馬クリテリウムラウンド」二日目 県勢結果

第13回白馬クリテリウムラウンド 二日目 県勢結果

 異例の動きをする台風12号が信州に接近した7月28日・29日の両日、大学連盟によるロード競技のカップ戦RCS第4戦「第13回白馬クリテリウム」が白馬村飯森地区特設コースにて行われた。この大会は地元飯森地区の皆さんの協力のもとに行われ、インカレ・ロードレースの最終予選として例年多くの選手が真夏の白馬へ集結する重要な大会となっている。

大会は2日間の行われ、今年は約40校の大学チーム・250名を越える選手がエントリーして台風の影響で刻々と変わる条件下で熱い戦いが繰り広げられた。主な県勢の大会二日目の結果は以下の通り…

尚、今大会は自分が競技運営のお手伝いとして参加したためにレース中の写真はありませんのでご了承下さい。

 

大会2日目

二日目ロードレース形式 二日目は足切り選手のリザルト記載無し

 

クラス3  A組 (1.6 km × 11 周 = 17.6 km)

1位 佐藤大志  明星大学(下諏訪向陽出)0:26’13” 

2位 千葉将太  東京大学

3位 岩原那央也 神戸大学(長野高出)

13位 芦田 健  信州大学

17位 中田雄大  信州大学

 

初日は弟の宇志が昇格、二日目は兄の大志が表彰台中央に上がり兄弟共に信州で昇格

 


 

クラス3  B組 (1.6 km × 11 周 = 17.6 km)

1位 水本 凌  同志社大学 0:26’14” 

2位 金田優作  中央大学

3位 吉岡秀祐  大阪経済大学

15位 井上 凌  信州大学

 


 

クラス3  C組 (1.6 km × 11 周 = 17.6 km)

1位 細中翔太  中央大学  0:25’39’

2位 新谷匡史  京都大学

3位 青島敬佑  法政大学

※長野県勢は完走者なし

 


 

クラス3  D組 (1.6 km × 11 周 = 17.6 km)

1位 西村 剛 新潟食料農業大学 0:26’11”  

2位 横山裕司 筑波大学

3位 北原收真 法政大学

5位 橋本嶺登 長野大学

11位 兼平優希 信州大学

 

初日・二日目と積極的にレースを展開した橋本(長野大)

橋本嶺登(長野大)のコメント

 先週のMTB全日本選手権の落車の影響はあまり無かった。落車の多いコースだけに出来るだけ集団の先頭の優位な位置をキープして先手必勝を心掛けた。二日目は豪雨の中でのレースとなり過酷な条件はシクロクロスを得意とする自分には有利な展開だと思った。しかし、最後のストレートでトラック競技を得意とする選手に合わされてしまうようなかたちとなってしまった。昇格は出来なく残念だった。次は再来週のMTBのCoupe de Japonに出場します。

 


 

クラス2  A組 40分+3週回(32 km)

1位 納家一樹  早稲田大学  0:46’15’

2位 三澤優樹  日本大学

3位 栗原 悠  日本大学 

4位 寺尾 駿  信州大学

20位 熊野勇介  信州大学

 

集団の中で粘りの走りを見せた寺尾(信州大学)は4位入賞

 


 

クラス2  B組 40分+3週回(32 km)

1位 植益和行     大阪産業大学  0:46’40’ 

2位 池西拓海  明治大学

3位 﨑戸泰地  東洋大学

14位 大森竣介  信州大学

 


 

クラス1 60分+3週回(46.4 km)

1位 野本 空  明治大学

2位 孫崎大樹  早稲田大学

3位 相葉健太郎 法政大学

7位 北澤竜太郎 イナーメ信濃山形

 

唯一の社会人として二日間しっかりと存在感を見せた北澤(イナーメ信濃山形)

全レース公式リザルト(学連:PDF)

 

ショートコラム「強さ…」

 レース終了後、撤収作業が行われているコースで北澤(イナーメ信濃山形)は一人クールダウンをしながら悔しさを滲ませていた。午前中の豪雨が一転、灼熱の天候下でのレースとなったクラス1カテゴリー。前半は大きな動きも無く淡々とレースが進んでいたが、中盤から終盤にかかる場面で落車が起き始める。そして、それまで落車が殆ど起きていなかったポイント3(逆バンク)で先頭付近2名の落車が発生。北澤はこれを回避するも不運にもここでメイン集団から分団されてしまう。先頭集団との差は最大で20秒ほど離れていただろうか?これで北澤のレースは終わったかに思われたが、この日北澤が強さを見せたのはここからだった。

後方集団から北澤はニュートラルで復帰した選手を牽引して猛追、所謂ブリッジをかける。場内アナウンスが先頭を追う北澤のタイムを読み上げる。15秒… 12秒… 周回ごとに先頭集団とのタイムが縮まって行く。怒涛の追上を見せる北澤。ついにコーナーの先に先頭集団を捉えた。遠くに聞こえる無線からもその活躍がとぎれとぎれに伝わって来る。これは追い付いた!と思われた時は既に共に追っていた選手はいなくなってしまい結果からすれば北澤の猛追はここで終わった。

しかし、このレースで北澤を本当に評価したいのはここからだ。勝敗の大勢は決まりつつありながらも北澤は最後まで先頭集団を追い続けた。60分+3周回で行われたレース、そろそろ自分が残り時間を意識し初めても北澤はしっかりとファイトしていた。この展開になれば多くの選手がレースを諦めて流してしまい、適当に足切りを待つ所だが、北澤は最後まで貪欲にゴールを目指した。その姿は長野県中長距離のエースに相応しい姿だった。

果たして強さを証明することは勝つことだけだろうか?どのスポーツを見ても尊敬されないチャンピョンと云うのがこの世の中には沢山いる。個人的にはそんな王者は長野県にはいらないし、そんな選手に長野県代表のジャージに袖を通して欲しくもない。勝者の名前は記録に刻まれる。しかし、記憶に残る選手の姿と云うものはより強く長く人の心に刻まれる。

振り返って、例えば過去10年のツール王者の名前を正しく並べられる人は少ない。しかし、その年を象徴するレースをした選手の名前を人はきっと忘れない。10年後振り返って、今年の白馬王者の名前を思い出せる自信はあまりないが、2018年のベストライダーを思い出すことは容易だ。今年の白馬、本人は不本意だったかも知れないが敢えて会場に来れなかった人達に報告するならば北澤の姿は誰よりも勇敢であり強かった!と…

 

〔後記〕 残念ながら、今の長野県で仮に国体で優勝しても恐らく殆どの県民はそれを知らずに終わって行く。それは長野県に自転車競技文化がしっかりと根付いていないことを意味する。長野県が勝つに越したことは無いが、いまそれより大切なことは自転車を知らない人の琴線に触れるような走りが求められいると思う。初めて見た人の心を熱くするような走りこそがもしかしたら今の日本全国の競技者に求められているのかも知れない。そんな感動を与えられる走りを長野県の全ての選手に期待したい。そして、10年後に多くの県民に自転車を応援してもらえて、入賞者が誰からも祝福されるような未来がくればと願うばかり。その為にサイクリング長野もある訳だから…

 

さて、今年の白馬クリテリウムが終了しました。

ここまで来ると年間の競技イベントも半分終了です。

そんな半年間を白馬の水田に投影させながら

久々に大会役員をやらせてもらいました。

その中で佐藤兄弟が昇格したことが大きなハイライトでした。

また来年白馬でお会いすることを楽しみにしています。

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関連LINK

日本学生自転車競技連盟

大会公式リザルト(学連HPより)

ホテル丸大 (メイン宿泊)

白馬五竜観光協会(後援)

アルピコバス長野・白馬線

白馬かたくり温泉十郎の湯

長野県自転車競技連盟