「FERRO Mari e Monti 2020」レポート
長野県でもファンの多い「クラシック自転車」。
今年も北軽井沢で開催が予定されていた国際的な
ヴィンテージ自転車イベント「エロイカジャパン」を始め
多くのイベントが中止となるなか、10月25日(日)に
今年初となるイベント「「FERRO Mari e Monti 2020」が
千葉県の鴨川市を中心とした南房総エリアで開催された。
今回は、美鈴湖自転車学校の特別講師としてもお馴染み
松本敦氏にイベントのレポートを頂きました。
県内のクラシック・ファン必見のレポートをご覧ください。
イベントレポート
「南房総の魅力を独り占めしないで、もっとたくさんの人に楽しんでもらいたい!」と流暢な日本語でイベント開催動機を教えてくれたのは主催者のマルコ・ファバッロさん。
日本の大学を卒業して以来、イタリアと日本の架け橋になる仕事を続けてきたマルコさんは、子供のころからサイクリング好き。房総半島の道に詳しい友人に連れられて走るうちに、温暖な気候と素朴な人たちの南房総に惚れ込んだ。
大会名のFERRO Mari e Montiは、イタリア語で「鉄(Ferro)」「海(Mari)」「山(Monti)」。古き佳き時代のサイクリングスタイルを尊重しながら南房総の美しい自然のなかをイタリア的に自由な雰囲気で楽しもうとの趣旨。そう、イタリア発祥の世界的ヴィンテージ自転車イベント「EROICA」と方向性は同じだけれどもっと堅苦しくない。
青空と潮風が気持ちいい10月25日(日)、会場の鋸山美術館駐車場には年代別クラスで参加者が並んだ。明治・大正、昭和、平成・礼和に作られた自転車にヴィンテージファッションを着たオーナーたち。鋸山の石切場で働いていた人の法被を着た美術館館長が、道中の無事を祈願して火打ち石を叩き、スタートが切られた。
2015年に初開催したときは80人に満たない参加者が6回目の今回は121人に増えた。
「みなさん、コロナ禍でイベント開催が少ないから飢えていたのでしょうね。2週前までは半分くらいのエントリーが締め切り前に倍増。三密を避けるために慎重になっていたのでしょうが、やるなら参加して応援してやろうと考えてくれたのかも」とマルコさん。
だが、例年は前夜祭があり、歌や文化的な催しで盛り上がっていたがそれを中止。もちろん三密を避けるためだ。しかし、前日から現地入りするリピーターが多く、個別に旧交を温めて再会を楽しんだ模様だ。
サイクリングコースは3つで、距離はショート50km(獲得標高755m)、ミドルは76km(獲得標高1300m)、ロングは108km(獲得標高1500m)。いずれもランチは海に近い森のなかにあるカフェでの着席スタイル。地産地消のランチボックスは、五穀米、鹿肉のソーセージ、鴨川のレンコン、自家製枝豆、君津の卵。カフェのご主人は高校時代に自転車競技部に所属してキアプッチの大ファンだそう。
レポーターはショートコースの伴走スタッフとして最後尾をマークしながらサイクリングの流れを管理。分かれ道では先行して案内、休憩地点では記念写真のカメラマンに変身。サポートしながら秋の素敵な一日を満喫。
最後尾を走る親子は、お父さんが常に兄妹を見守りながらイーブンペースでコースをたどっていた。ひたむきに走るお嬢さんに声をかけると、「11歳です」と元気な声。中学生のお兄さんも初参加。2020年のフェッロ・マリ・エ・モンティ。眩ゆい陽光、爽やかな風、温かな人の触れ合いに彩られたイベントだった。
文・松本敦
【2020年イベントの様子】
(参照元:Youtube/Mari e Monti FERRO .)
イベントの様子
舞子浜海岸で、親子たちが記念撮影
コスモスが花盛りショートコースもみじライン
主催者のマルコ・ファバッロさん
金谷博物館館長はお父さんが石切仕事
フィアットX19には自作サイクルキャリア
1930年代の選手CDAZZAが作った工房の自転車
スタートは少人数の時間差で行われた
透明な富津の海には魚介類が豊富
地産地消のメニューによるランチ
石灰地層は房総の特色。石室が多い
と言うわけで、今回は
千葉県で行われたヴィンテージ自転車イベントの
レポートを松本敦氏より頂きました。
長野県内でも人気が高い
ヴィンテージ自転車の世界。
今年は残念ながらエロイカ・ジャパンラウンドが
中止となりましたが、
来年は、フレームビルダーと
自作自転車愛好家の甲子園でもある
ジャパンテクニークが6月21日に
長野県高山村を舞台に
開催予定となっています。
クラシック自転車の聖地となりつつある
長野県からも来年以降
多くの方に参加して頂ければと思います。
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