もくじ
「2 days race in 木祖村 2022」長野県選抜チーム派遣レポート
週末ようやく「2 days race in 木祖村 2022」の全リザルトが発表されましたので
大変遅ればせながらで恐縮ですが、5月14日㈯・15日㈰の両日に木祖村
奥木曽湖特別周回コースで開催されたレースに派遣された
23歳以下の若き長野県代表で構成された「長野県選抜チーム」の
レポートを記したいと思います。
長野県選抜出場選手
今回は、主にチームに所属していない、もしくは
所属チームが人数が少なく大会に出場出来ないチームの
若手メンバーを長野県選抜チームとして編成した。
当初エースとして出場登録をしていた
山浦秀明(松本大学)が急遽学校のために
出場出来なくなり、代わりに予備登録をしていた
平山大地(Valtagne/松本工高出)を前日に登録して
下記のメンバーで大会に臨んだ。
長野県選抜チーム《最終登録選手》
No. | 氏名 | 所属 | 備考 |
116 | 平山 大地 | Valtagne | 松本工業高自転車競技部出 |
117 | 辻本 青矢 | 信州大学(2年) | |
118 | 田総 蓮 | 新潟食料農業大学(2年) | 松本工業高自転車競技部出 |
119 | 小山 大登 | 松本情報工科専門学校(1年) | エクセラン高校出 |
120 | 井上 智巴 | 信州大学(2年) |
〔チームスタッフ〕
監 督:大島理彦(ラブニールあづみの)
メカニック:日比 克(長野県特別支援スタッフ)
チーム団長:宮﨑岳人(長野県自転車競技連盟強化委員長)
第1ステージ 個人タイムトライアル
第1ステージ 個人タイムトライアル 8.5㎞
第1ステージ(プロローグ)は、会場の奥木曽湖特設コース(味噌川ダム)を1周する個人タイムトライアル。長野県選抜はゼッケン通りの順番で出走となった。今大会はスタート同時にチームサーポートカーが同時に並走するかたちとなり、宮﨑強化委員長・大島監督・日比メカニックが選手と同走しながらサポートを行った。
急遽前日に登録された平山大地が長野県選抜の個人TT第1走となる。
長野県選抜のチームカーのドライバーは大島監督と
助手席にはマシントラブルに対応すべく
日比克メカニックが同乗する。
第1走の平山がスタートして行く
第2走は信州大学の辻本青矢がスタートする。
辻本は長野県選抜の中で一番時計を記録し
全体でも11位と好走をみせた。
第3走は2020年の松本工業高主将で現在は新潟食農大で活躍する
田総蓮がスタート、田総が長野県代表のジャージを着るのは
2019年の「第51回中部8県自転車競技選手権」の長野県高校代表以来。
第4走は昨年の長野県高校自転車ロード王者の
小山大登(松本情報工科専門学校スポーツバイシクル科)を起用。
チーム最年少で所謂「ジュニア・カテゴリー」でJr.ギアでの出走となった。
最終走者は信州大学2年の井上智巴となった。
長野県選抜チームのチームカーから井上選手を追走する。
1st.ステージ結果
順位 | 氏名 | タイム | タイム差 |
11位 | 辻本 青矢 | 11分51秒76 | +0:40.70 |
104位 | 井上 智巴 | 12分48秒47 | +1:37.41 |
115位 | 小山 大登 | 12分56秒58 | +1:45.52 |
155位 | 田総 蓮 | 13分51秒44 | +2:40.38 |
157位 | 平山 大地 | 14分06秒62 | +2:55.56 |
出走161名 完走161名
第1ステージ大会公式リザルト〔PDF/大会公式HPより〕
第2ステージ ロードレース
第2ステージ ロードレース 81㎞(9㎞×9周回)
第2ステージからいよいよロードレースが始まる。奥木曽湖特設コースを9周回の81㎞。長野県選抜では午前中の第1ステージ「個人タイムトライアル」で11位と奮闘した辻本青矢が前列からスタート。一方で本来は短距離選手の平山・田総は最後方からのスタートとなった。レースはコロナの影響で練習不足もあったのか?集団が序盤の早い段階で細切れとなり、文字通りサバイバルレースが展開された。そうした中で、長野県勢も序盤から苦しい戦いとなるが辻本・井上の信州大学コンビが完走を果たした。
第1ステージが終わり、チームプレゼンテーションに臨む長野県選抜チーム
〔左から:小山・平山・田総・井上・辻本〕
グリーン・ピンクとリーダジャージの後方二列目からのスタートとなった
第1ステージ11位の辻本青矢
トップと1分43秒差の115位と健闘を見せたジュニアの小山大登は
集団の中ほどからスタートして行く、本人にとっても
本格ロードレースはこれが初めての経験となる。
短距離選手の田総・平山は1周目から後方グループに位置
スプリンターの二人にはかなり厳しい戦いとなった。
〔平山:画像左 田総:画像中央〕
小山大登も序盤で集団のスピードについて行くことが出来ず
我慢のレースとなった。残念ながらタイムアウトで
翌日へ進むことが出来なかったが良い経験となった。
序盤から厳しい戦いが続く長野県選抜の中で奮闘したのは
辻本青矢であり、終始メイン集団に食らい付く熱走をみせた。
メイン集団からドロップしながらも何とか完走を目指し力走する井上智巴。
二月頃に各選手の力量をはかり予想した段階よりも数段力をつけており
三月の外苑・四月の飯山と比べても成長を感じた。
2nd.ステージ結果
順位 | 氏名 | タイム | タイム差 |
49位 | 辻本 青矢 | 1:58:40 | +01:20 |
83位 | 井上 智巴 | 2:06:26 | +09:06 |
途中棄権 | 小山 大登 | 完走出来ず | コンソレーションへ |
途中棄権 | 田総 蓮 | 完走出来ず | コンソレーションへ |
途中棄権 | 平山 大地 | 完走出来ず | コンソレーションへ |
出走159名 完走108名
第2ステージ大会公式リザルト〔PDF/大会公式HPより〕
コンソレーションレース
コンソレーション ロードレース 72㎞(9㎞×8周回)
前日の「第2ステージをタイムアウトで完走出来なかった選手」と「長野県高体連インターハイ予選」のジュニア選手の混走で行われたこのレース。長野県選抜は小山大登・田総蓮・平山大地の3名が出場した。レースは小山大登が17位と上位でフィニッシュした。一方で、その小山に昨年の夏のインターハイ予選で成すすべもなく惨敗を喫した松本工業高校の一人である酒井優太郎(松本工高2年)が小山と僅か20秒とこの1年で小山大登と戦えるまでに成長したことを評価したい。酒井は今年のインターハイの長野県代表として出場することが内定した。
レース前に選手を見守る大島理彦監督と日比克メカニック
山浦選手の代わりに急遽出場となった平山大地
スプリンターながらも今大会を二日間無事に終えた。
松本工業の新旧主将の二人が集団から共に遅れ並走する。
スプリンターの二人には厳しい戦いとなった。
〔画像左:小松篤史 画像右:田総蓮〕
タイムアウトにより途中棄権となった田総・平山が力走する
小山大登に声援を送る。小山は17位でコンソレーションレースを終えた。
コンソレーションレースリザルト〔PDF/大会公式HPより〕
第3ステージ ロードレース
第3ステージ ロードレース 126㎞(9㎞×14周回)
いよいよ最終ステージとなる第3ステージは、今大会最長の126㎞で争われた。長野県選抜は既に3名が脱落し、残った辻本・井上の2名で戦うことになる。井上は我慢の走りで途中までレースに残るも無念のタイムアウト。結果として長野県選抜では辻本青矢が今大会唯一32位で完走を果たした。
レースを前に大島コーチの指示を聞く辻本・井上両選手
序盤の登坂区間でメイン集団の中で走る井上
前日に続きメイン集団の中で冷静にレースを展開する辻本
井上も中盤以降は我慢の走りを見せたが無念の途中棄権となった。
補給食を食べながら力走をみせた辻本が長野県選抜唯一の完走となった。
3rd.ステージ結果
順位 | 氏名 | タイム | タイム差 |
32位 | 辻本 青矢 | 3:02:15 | +00:32 |
途中棄権 | 井上 智巴 | – | – |
出走108名 完走53名
第3ステージ大会公式リザルト〔PDF/大会公式HPより〕
ツーデイズ長野県選抜チームを振り返って
遡ること3年前のツーデイズでのことですが、県内の単騎選手を一手に引き受けてくれていた「イナーメ信濃山形」が4チーム編成という大所帯になってしまい、イナーメへの負担を減らすためにも「サイクリング長野」で育成チームを1チーム持つ… 中畑総監督とそんな話をしたのがきっかけでした。 昨年までこのプロジェクトは長野大の橋本選手が、今年は松本大学の山浦選手が音頭をとってくれて今回の結成となりました。当初は人が集まるか微妙だったのですが、紆余曲折があって7名が揃いチームを出すことが出来ました。
※人が集まらなかったらマウンテンバイクのほうから引っ張ってこようと
結成の途中、長野県自転車競技連盟の宮崎強化委員長から「県選抜チーム」として県強化の一環として認定して頂き、チームの監督として美鈴湖自転車学校の講師でもある大島理彦コーチを招聘、これ以降、チームマネージメントを大島監督にお任せしました。 一方でチーム結成で今大会特有のちょっと困ったのがメカニックの存在で、東信・北信の自転車店はほぼ知っているのですが、起用するにもここでも熱意ある気鋭の若手メカがいない。そこで、三重車連の審判員で現在は海外の自転車メーカーにメカとして勤務、美鈴湖自転車学校を立ち上げの際はレンタルバイクの組み立てをしてくれた日比克メカを招集。加えて当初は競技役員の予定だった宮﨑強化委員長も加わって下さりチームが無事に結成されました。 今回とても良かったことは、将来を見据えて「2 days race in 木祖村」を長野県代表のユニフォームが走ること。これは自転車を知らない村民の方がレースを観に来てくれた時に応援の対象となるチームがレースを走っていること。将来このユニフォームに憧れて自転車を始めてくれる子供達が出て来てくれることを期待してのことです。そして、数年前にJSPOの公認指導者ライセンスを取得された大島コーチが指揮をとったこと。まだ20代の日比克メカがチームメカを行ってくれたことなど、若手のスタッフにも活躍の場を提供出来たことが非常に良かったと思います。 こうした場を作ることに理解を示して頂いた、長野県車連強化委員会・長野県スポーツ協会・木祖村・2days実行委員会の小林秀一委員長、そして新しい挑戦に影ながらご尽力を頂いたイナーメ信濃山形の中畑総監督。また、各チームの選手を派遣して下さった選手の所属先(会社・学校・チーム)の皆様にも心より御礼を申し上げます。来年以降、長野県代表チームが木祖村を走っていれば…と切に願います。
今大会の長野選抜チームには当サイトより
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最終結果
順位 | 氏名 | タイム | タイム差 |
29位 | 辻本 青矢 | 5時間12分46 | +02:32 |
途中棄権 | 井上 智巴 | ー | ー |
途中棄権 | 小山 大登 | ー | ー |
途中棄権 | 田総 蓮 | ー | ー |
途中棄権 | 平山 大地 | ー | ー |
大会公式リザルト〔PDF/大会公式HPより〕
という訳で、2019年に
出来なかったこと…
それがようやく出来ました。
当初は長野県チームを出すと云うと
色々と反対があるかな?と思い
「サイクリング長野でチームを出す!」
「もう俺が全部費用もだすし!責任もとるわ!」と
オブラートに包んで言っていたのですが…
ここ数年で美鈴湖自転車学校も始まり
人材も集まる中で、県車連本体や
宮﨑強化委員長・大島コーチと言った
素晴らしい理解者がいて下さって
大きなカタチになったと思います。
それに、大島コーチが選手の
宿の手配、足の確保、コンディション確認など
全てやって下さったことが
本当に大きかったです。
特に4月は自転車開幕前で色々と
ゴタゴタがあって
毎日、県内どこかで炎上騒ぎがあって
消火活動に行けば、何故か救出者から
自分がボコボコにぶちのめされて
「明日じゃない!今この瞬間に自転車辞めてやる!」
という、毎日が荒み切った時だったので
本当に助かりました。
ただ一つ、後悔が残ったのは
万全を期したはずの根回しが
一つ大きく欠落していたこと…
県外まで配慮が足りなかったことが
返す返すも痛恨で申し訳無かったです。
わずか2日間のコンバインドチームでしたが
自分にとっての初めての自転車チームの結成は
非常に大きな経験となりました。
最後になりますが、今回のチーム結成
改めまして、ご理解・御支援を頂いた
全ての皆様に心より御礼申し上げます。
関連LINK
2 Days Race シリーズ公式HP(大会公式HP)