第5回インターナショナルトラックカップin美鈴湖自転車競技場
7月14日・15日に松本市美鈴湖自転車競技場で行われた第5回JICF International Track Cup。サイクリング長野は大会2日目を観戦。ここでは会場の雰囲気などをお伝えします。
今大会は日本を含め香港・韓国・オランダ・NZの5か国から約30名の外国人選手が参加。加えて日本国内の各大学・実業団・クラブチームの選手を合わせて308名の選手がエントリーした。長野県からは信州大学とジュニアカテゴリーで松本工業自転車競技部が参戦し大会は二日間にわたって熱戦が繰り広げられた。
オムニアム(4種混合)ポイントレースのスタートを待つ選手達
この大会は、ポイントレース・テンポレース・スクラッチ・エリミネーションレースの4種目混合種目であるオムニアムが大会の目玉の一つ。現オムニアムアジア王者の橋本英也(ブリヂストン)や、2016年ロードレースアジア王者の張敬樂(香港代表)等もエントリーした。
その中で、今年の長野県高校総体でポイント・スクラッチ・ケイリンの三冠王者となった中西竜歩(松本工)が高校生ながらエリートクラスで出走。中西は決勝へは進めなかったが、現アジア王者の橋本や張敬樂と戦ったことは来月に迫ったインターハイに向けて素晴らしい経験となった。
先頭をアジア王者ジャージで走る橋本(BS)と追う中西(松本工)張(香港代表)
今年もスポンサー様からケロリンの風呂桶!
海外選手にも大好評。
また、今大会には3名の世界王者経験者・五輪メダリストがエントリーした。マタイス・ブフリ(BEAT CYCLING CLUB)は2018年の世界選手権団体追抜き王者であり、リオ五輪ケイリン銀メダリスト。テオ・ボス(BEAT CYCLING CLUB)は3種目で5回世界王者に君臨、アテネ五輪スプリントでも銀メダル。李慧詩(香港代表)は2013年500mTT世界王者、ロンドン五輪ケイリン銅メダリスト。と非常に豪華な顔ぶれとなった。
マタイス・ブフリは1kmで1分00秒581の好タイムで優勝。
ケイリンで優勝のテオ・ボス 決勝の上がりタイムは10秒70と強さを見せた
世界トップクラスの3名の圧巻のパフォーマンスに松本は酔いしれた。特に香港の英雄李慧詩(香港代表)はスプリント予選200mで10秒571のアジア新記録。もちろんこの記録は松本美鈴湖自転車競技場の女子新記録として刻まれバンクレコードとして新たな挑戦者を待つことになる。
女子スプリント優勝の李慧詩(香港代表)予選200mで圧巻の10秒571のアジア新記録
日本人選手では、昨年のこの大会で参考記録ながらマスターズ世界新記録を叩き出した和地恵美(スーパーKアスリートラボ)も出場。春先に「また新たに世界記録と世界王者を狙います!」と語った通り女子500mでエリート選手も含め全体の3位となり今後のマスターズ世界大会での活躍が期待される。
和地選手(スーパーKアスリートラボ)は春先の松本トラックに引き続き美鈴湖で表彰台に上がった。
この大会は日本代表候補選手にとってはUCI国際ポイントの獲得。大学生選手にとってはインカレへ向けての出場権獲得もしくは最終調整となる共に大きな意味を持つ大会となった。大会自体もオムニアムやマディソンを催し来る東京五輪に向けての競技の普及と強化を目的とした大会でもあった。
大学生にとってはインカレを控えて大きな試金石となるレース。
強化が急がれ今大会の注目種目となった女子マディソンは香港代表が強さを見せた
美鈴湖を沸かせた3名の世界王者
今回初めて信州での大会にエントリーしたブフリ選手・ボス選手・李選手の3名はその圧巻の走りだけでなく、ファンサービスやファンとの交流でも世界王者として相応しい素晴らしい立ち振る舞いをしていた。
3選手ともサインや握手に少しも嫌な顔をせずに応え、冗談を言ったり若手選手にはアドバイスもしていた。非常に印象的だったのは皆が日本語で一生懸命に交流を図ろうとしたこと。特にブフリ選手の日本語にはとても驚かされた。そして、それが伺えるのは3名が美鈴湖に残したサイン色紙。全員が日本語で一生懸命サインをしていた。
それぞれが王者・五輪メダリスト・母国の英雄でありながら他国で「精神誠意」交流をはかるその姿には人間としての在り方を教えられた気がする。
左からマティアス・ブフリ選手、李慧詩選手、テオ・ボス選手
3名が競技場に残した色紙。3名とも日本語が書かれている
ブフリ選手・ボス選手からの信州へメッセージ
ブフリ選手とボス選手は地元松本工業自転車競技部の選手との交流も楽しんだ
〔ブフリ・ボス両選手からのメッセージ〕 今回初めて長野県へやってきました。最初に印象的だったのは車窓から見える緑でした。信州の風景はとても美しいですね。そして一番素晴らしいのは「温泉」です。土曜日も入りましたが今日も入るつもりです。あと少し驚いたことが、この2日間とても暑いです!。レース後シャワーを浴びてもすぐに大量の汗をかいてしまいます…(笑) 今大会は本当に素晴らしい大会でした。これから私達は日本の公営競輪を2会場で走ります!それも是非見に来て下さい。機会があればまた信州に来たいと思います。地元の皆さんには今大会とても暑い中で素晴らしい運営をして下さったことに心より感謝致します。 ドウモアリガトウ!! |
今年で5回目を迎えたこの大会
年々、単なるレースだけでなく
国際交流と言う側面が非常に
充実し始めている気がします。
特に今年は参加した5か国全ての選手がとても
友好的で、また来年ぜひ
この信州松本で再開できることを
楽しみにしています。
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関連LINK
日本学生自転車競技連盟(公式HP)
JICFインターナショナルトラックカップ(学連HP)
長野県自転車競技連盟(公式HP)
Beat Cycling Club (公式HP:英語)
香港代表チーム (公式HP:英語/中国語)
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