〔レポート〕「第31 回全日本マウンテンバイク選手権大会」富士見パノラマリゾート

「令和6年 能登半島地震」で被災された全ての皆様に心よりお見舞いを申し上げます。度重なる報道を見ていると本当に圧し潰されるような感情が去来します。特に一昨年お世話になった能登島コミュニティセンターが避難所になっているとのこと…。いまこの時点で出来ることは多くありませんが、当サイトも皆様の御心に寄り添い、皆様と共にありたいと思っております。どなた様も引き続き余震が続いておりますので、先ずはくれぐれも安全にお過ごしください。〔1月5日〕 

 

第31 回全日本マウンテンバイク選手権大会

 既に速報でお伝えしましたが、7月20日から22日まで富士見町の富士見パノラマリゾートでマウンテンバイク日本一を決める「第31回全日本マウンテンバイク選手権大会」が行われました。折からの猛暑で選手・運営スタッフ・観客全ての人にとって過酷な状況の中での全日本選手権でしたがここではそんな大会の一コマを切り取って今大会のレポートとして振り返りたいと思います。

 

 

・駐車場がテント村に…
朝会場に到着すると各チームが駐車場にテントを設営中、駐車場がさながらテント村に。ここでお目当ての選手のアップ見学するファンを沢山目にした。ただお昼頃になると暑さで人がまばらに…

 

・簡易シャワー場は選手のオアシス
この日は朝から非常に暑く高原と云えど気温が35℃近くになる時間帯も…。当然レースを終えた選手達がシャワー場に殺到。本来は機材の洗車場で用意されているはずが、この日ばかりは多くの選手にとっての文字通りオアシスだった。

 

・勢いよくスタートする男子ジュニア選手達。
2018年の日本王者を決める戦いとあって、各カテゴリーの選手の緊張感や熱気、想いがスタート時に痛いほどに伝わって来る。高校生の部にあたるジュニアカテゴリーは甲子園の予選にも負けない活気あるレースとなった。

 

・表彰を待つ選手達…
レースを終えるとその都度表彰式が行われるが、折からの暑さに加え高地ならでは強い日差しで待ち時間も体力が削られる。選手達は身を寄せ合って日傘の下で自分の名前を呼ばれるのを待っていた。

 

・優勝者に送られる「日の丸ジャージ」
優勝者には2018年の日本王者の証として「日の丸ジャージ」が贈られる。優勝者は日本チャンピョンとしてこのジャージを1年間着て戦うことが基本的に義務付けられている。また、シニア選手が着用するマスターズ日の丸ジャージには青い線が加えられている

2018ジュニア日本王者の村上功太郎選手(愛媛県松山工業高校)

NHKチャリダーでお馴染み竹谷賢二選手はマスターズ40歳以上の日本王者となった。

 

・多くの仲間や支援者と共に…
ユースの部で優勝した松本一成選手(TEAM SCOTT:長野)は共に切磋琢磨した多くの友人や家族・チーム関係者に囲まれて祝福を受けていた。また今大会の長野県出身の日本王者1号となった。今後の活躍に期待したい。

2018ユース全日本王者の松本一成

力走する#503 松本一成(TEAM SCOTT)

 

・レースを控えてウォーミングアップ…
さらに気温が上がる中で選手達は全日本のプレッシャーを背負ってウォーミングアップをする。心の置きどころが難しい時間帯で笑顔を見せてくれたのは今年のアジア選手権女子Jr日本代表の松本璃奈選手(TEAM SCOTT:長野県茅野高校)

 

・2018エリート女子は新女王が誕生
今年の女子エリートは新女王が誕生。昨年の冬自転車(シクロクロス)の女王でもある今井美穂(Co2bicycle)が優勝。今井選手はシクロクロスとMTBのダブルタイトル獲得となった。

 

・長野県勢2人目の日本チャンピョン誕生…
地元長野県から今大会二人目の日本チャンピョンが誕生した。女子Jr優勝の小林あか里(MTBクラブ安曇野:松本蟻ケ崎高)は今春のアジア選手権で3位と云う好成績をおさめた。前日のダウンヒルでもエリートカテゴリーで3位表彰台に上がり、勢いそのまま序盤から一気に抜け出しての戴冠となった。

 

・女子U-23でも県勢が活躍!
県勢の勢いは止まらず3人目の日本チャンピョンが誕生した。北海道出身の山田夕貴(松本大学)は前節のシリーズ戦田沢湖で2位。厳しい暑さの中でも好調をキープしての優勝となった。これによって県勢女子はJr.とU-23二つのカテゴリーで日本王者を輩出することになった。

 

・一番暑い正午の時間に行われたのは…
女子マスターズとチャレンジ・ユースの部は正午にスタート。皮肉にも一番暑い時間にオーバーエイジの選手達が出走した訳だが、流石に日頃から研鑽を積んでいる選手達。猛暑にも強い日差しにも負けず軽快に坂を駆け上がって行く姿が印象的だった。

女子チャレンジ1位はデフ日本代表候補の簑原由香利選手(日本ろう自転車競技協会)

 

・小学生達も暑さに負けず…
子供達のレースはおおまかに低学年(Lo)と高学年(Hi)に分けて行われた。しかしながら子供達は大人がうだるような暑さももろともせず元気な走りを見せた。

 

・キッズHiクラスでも県勢が活躍
ここでも地元の山田愛太(Pro Ride:長野)が優勝を果たした。序盤から抜け出し比較的軽めなギアをクルクルと一生懸命に回しながら徐々に後続との差を広げ最後は12秒近い差をつけて優勝した。山田選手の今後の活躍に期待したい。

 

・いよいよ男子エリート!盛り上がる会場
会場は注目の男子エリート&U-23、この熱戦を一目見ようと多くの観客が集まり始めた。また、プレスやチームスタッフも慌ただしく動き始めていよいよこの日のメインイベントが始まろうとしていた。

 

・男子エリート&U-23
14時30分ついにスタート!土煙を上げながら選手達がコーナーへ殺到。エリート・U23共に優勝候補の山本・平林選手が抜け出しラップを重ねるごとに後続を引き離して行く。

1番は山本選手(松本市)2番は平野選手(長野俊英出)最右は沢田選手(長野市)9番は小坂選手(佐久長聖出)

最初のコーナーへ向け土煙が上がる

山本幸平選手を応援する応援団

徐々に後続との差を広げて行く平林安里(SPECIALIZED RACING JAPAN:白馬高出)

周回をかさねるごとにペースが上がって行く山本幸平(Dream Seeker:松本市)

 

・エリート&U-23の優勝者は…
注目の両選手が見事な逃げを見せ終わってみれば圧勝。とりわけ山本選手は4連覇とV10と云う快挙を成し遂げた。平林選手もゴール前で代名詞であるウイリーのパフォーマンスを披露。両名共に前評判どおりの強さを見せつけた訳だが、とりわけ山本選手の絞られた身体を見るとここまでの道が平坦では無くたゆまぬ努力の積み重ねによってもたらされた勝利だということが容易に推察できた。

 

・レースの後は…
とにかく暑かった大会。レースが終われば簡易シャワー所のプールは何時の間にかアイスバスになっており多くの選手が熱くなった身体を冷やしていた。レースの重圧から解放された選手達の表情が印象的だった。

 

大会を終えて…
大会二日目を観戦させてもらった。今大会は長野県勢が大活躍を見せ会場に足を運んだ長野サイクリストの皆さんにとっては最高の二日間になったはず。これだけの強豪選手をかかえる長野県。もっと多くの人にMTBの会場に足を運んでもらえるようこのサイトも選手の活躍を伝えて行きたいと思います。選手・チームスタッフ・競技役員・ボランティア、そしてサポーターの皆さんお疲れさまでした。またどこかの会場でお会い出来るのを楽しみにしています…

男子U-23表彰式(左から2位小林:イナーメ信濃山形 1位平林 3位竹内:神奈川)

男子エリート(左から2位平野:長野 1位山本:松本市 3位恩田:新潟)  

 

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MTB全日本選手権公式HP

MTBリーグ

富士見パノラマリゾート(会場)

長野県自転車競技連盟